炉心融解 さんのブログ

「デュラララ!!×5」成田良悟 著

 バッカーノ!にも共通する、作者は共通ですが、混沌。
各々の登場人物達が、それぞれに目的を持ち、目的を達成するために最適な手段を模索した結果、
事態が混沌に向かう、そんな群像劇です。

 一番状況を把握しているのは、情報屋(クロマク)なのですが、
この人は故意に混沌を作るだけで、投げっぱなしなのだから、操っているとは言いがたい(笑)

 これをTRPGでプレイすると、全員PCが個別の行動をとるので、
マスターが(プレイ時間調整を含めると)過負荷でハングアップしそうです。

「ご主人様は山猫姫 2 『辺境駆け出し英雄編』」鷹見一幸 著

 主人公達は、中国における国家防衛最大の問題、対蛮族戦争にはかろうじて勝利しましたが、
国内における政治抗争に負けて、事実上の反乱軍になりました。
そもそもの問題が政治的な側面をはらむ以上、政治的な問題の解決は必要(戦争は政治問題を解決する手段として使用)なのですが、
現行メンバーで政治力を保有する(もしくは、権限がなくとも政治的なスキルを保有する)人物が主人公チームに居ないのはネックです。
一番近いのが軍師ポジションの人なのですが、控えめに見ても経験なさげです。

「“文学少女”と恋する挿話集 1」野村美月 著

 雑誌掲載文の外伝短編集です。
本編の幕間やサブキャラクターの視点からの話など、
ファン向けの話が山盛りでした。

 本編既読済みを前提にしているので、先に本編を読むことをお勧めします。
本編を読んでなくとも、理解は出来ると思いますが、楽しむには本編の知識が必要だと思います。
どんな経験を積んだ上での判断なのか、その辺の絡みがありますから。

 そう考えると、本編ではきちんと成長していますねー。
善きにつけ悪しきにつけ、我が道を往く人も居ますが(笑)

「狼と香辛料 2」支倉凍砂 著

 ええ、前回と同じく、主人公が“欲をかいて失敗”しました。
経験から学習しないあたり、地道に商売をすることに向いてないのかもしれません(笑)

 今回は騙す方も、商業上の失敗から損失を抱えて火の車なので、
損害の押し付け合いに負けたとも言いますが……
 やったことが、「信用をお金で売り飛ばす」行為でもあるので、 
今後「あいつは困れば詐欺を働く」とのレッテルがついて回ることでしょう。
……再建の道のりは険しいなぁ(笑)

「ウェスタディアの双星 4 『うら若き女王騒乱に立つの章』」小河正岳 著

 暇つぶしに仕掛けられた策謀が威力を発揮しました。
……いや、本当に暇つぶしと嫌がらせで仕掛けて来ました(苦笑)

 混乱期にサボタージュをして権益を失った有力諸侯や、個人的な復讐者の支援もあり、
一度は逃亡した(法的に)正統王位継承者vs現政権の抗争に発展、
国内が泥沼の抗争に突き進みます。

 何か、修羅がゆくのオープニングみたいです(笑)
ただし、こちらは艦隊戦がメインなので、死者の数が桁違い。

「バッカーノ! 『2002 Bullet Garden A Side』」成田良悟 著

 相変わらずの、馬鹿が騒ぐ、馬鹿騒ぎです。
とはいえ、気持ちの良い馬鹿なので、爽快感たっぷりなのですが。

 古顔に新顔が混ざって、混沌を生み出しています。
自分こそが主導権を握ろうとみんなが企むので、誰も主導権を握れない(笑)
いや、巻き込まれているだけの人も居ますが。

 イニシアティブ判定って偉大だなぁ。
何せサイコロ一つで片が付きます(笑)
 実のところ、その場で主導権を奪い合うのは、そして保持するのは、

「薬屋探偵妖綺談 2 『黄色い目をした猫の幸せ』」高里椎奈 著

 一応、妖怪物ではありますが、ほんどエッセンスなので、
基本ラインはオーソドックスなミステリーでした。

 ある日唐突にやってきた殺人依頼、「か、上中の佐倉庚を、妖怪に食べさせちゃって下さい!」
一見すると意味不明な依頼から始まる、一連の事件。

 “本物の”妖怪が調査する事件は、人が起こした事件でした。
妖怪を、名探偵に置き換えれば、普通のミステリーですね。

 「妖魔夜行」ベースで探偵物をやると、こんな感じになるのかもしません。

「巨人たちの星」ジェイムズ・P・ホーガン 著

シリーズ第3作目。人類の文明発展に関する理論展開(仮説-検証-調査の繰り返し)がメインです。
何故、科学的文化ではなく宗教及び魔術的文化が、人類史の中で大きなウェイトを占めているのか、
前作で《巨人たちの星》へ旅だったガニメアンと、《巨人たちの星》のガニメアンはどうなったのか。

 何というか、「そんなのありかっ」みたいな展開が目白押しなのですが、
そこが魅力なので、きちんと理論展開はされています。

「覇者の戦塵1944 『マリアナ機動戦 4』」谷甲州 著

 流石に強いなB29。まぁ、登場する敵が弱かったことは一度もありませんし、これからも無いと思いますが。
戦闘機ではないのに、戦闘機とやり合える火力と防弾能力。高高度飛行能力もあるので、
史実より強化された本作でも強敵でした。前回登場してから脅威度が上がりっぱなしです(笑)
史実だと終戦まで“鬼”でしたが。今後とも日本を苦しめてくれることでしょう(こら)

 もっとも、B29が無くとも、アメリカ軍が鬼なのは同じ事ですが、

「覇者の戦塵1944 『マリアナ機動戦 3』」谷甲州 著

 今回のお題は、日本における戦略爆撃の代名詞B29と、
知名度では零戦に負けるが、海軍陸上戦闘機紫電改

 後は、非常に地道に腹の探り合いと、駆け引きが行われていました。
電波妨害に対電波妨害対策、直接矛を交えない戦いの存在。
いやこー、この地味さが醍醐味です(笑)

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覇者の戦塵

「覇者の戦塵1944 『マリアナ機動戦 2』」谷甲州 著

 現場で地道に積み上げた結晶、通信解析やV1の対艦バージョンの如き、初期型対艦ミサイルが活躍しています。
ああ、いままで頑張りましたから。その成果と思えば、感慨もひとしおです。

 作者の方向性故に、もしくは、作品の特性故に、爽快感や燃焼感覚とは縁がありません(笑)
これはこれで良い作品なのですが、戦艦大和でなく対空駆逐艦秋月でもなく、戦時量産型みたいな?
パラドックス系の独特の香りが漂っています。

「覇者の戦塵1944 『マリアナ機動戦 1』」谷甲州 著

 史実としてみた場合、消耗が続いて体力が落ちた日本軍が、決戦を挑んで敗退した結果、
第二次大戦の主力である、空母航空戦力を失ったマリアナ沖海戦が舞台です。

 史実と異なり、シリーズ現時点での日本軍は“なんとか戦える”レベルの国力を維持することに成功していますので、
マリアナの七面鳥撃ちにはならないと思います。いや、なったらそこで終了ですが。
と言うか、これだけチート的に日本を強化しても、それでもアメリカが優勢-それも欧州結い戦で-というあたりは、

「女子高生=山本五十六 リローデッド 1」志真元 著

“歴史知識”を有効活用できる、第二次大戦物オンラインゲーム小説です。
カテゴリーとしては色物っぽいところが(ゲフンゲフン)
何せ、敵味方ともに「歴史のIF」をフル活用できるのが特徴です。いや、活用できる知性は必要ですがっ。

 前シリーズ、女子高生=山本五十六で、バランス調整に失敗したと思ったのか、

前シリーズのゲーム設定
○作中ゲームで、アメリカ側の勝利条件を厳しく、日本側の条件を緩やかにした
○アメリカ側プレイヤーの思考力を低レベルにした

「ハイスクールD×D 7 『放課後のラグナロク』」石踏一榮 著

 主人公の成長はとどまるところを知らず、
ついに《外なる神》(ワールド外部)との交信に成功しました。
いやまぁ、内側からみると「なんじゃこりゃー」なのですが(笑)

 色んな意味で規格外ですなっ。
流石に安定して交信は出来ないようですが、それでも凄い。
内容のぶっ飛び具合は更に凄い(笑)

 他の部分はいつものようにラブコメで、戦闘シーンは番長学園ですか?
裏で、各組織ともに色々と企んでいるようですが。

「これからの「正義」の話をしよう 『いまを生き延びるための哲学』」マイケル・サンデル 著

 難しい言葉で書いてないので、簡単に読めます。
内容を本当に理解するのは至難の業ですが。何せ、『正義』の定義は非常に難しい。

 優秀なドイツ軍ユニットの補給を確保するために、低質なイタリア軍ユニットを砂漠で消耗させるのは、“目的達成”の為には正しい。
だが、現実的にそれを行えない(“政治的”自殺行為につながる)のは、別の『正義』がそれに異を唱えるからだ。

 “数値的に”人質の生命が確保されている場合、“ルールとして”攻撃することを認めるべきか。

「騎士は恋情の血を流す The Cavalier Bleeds For The Blood」上遠野浩平 著

 《デウス・エクス・マキナ》しずるさん。最後の最後に登場して、全てを片付けてしまいました。
それまでの、組織vs異能者の暗闘とか、少年少女の悩みとか、その辺をすっ飛ばして《真実》発動。

 この辺の作風は、“不気味な泡”からそう変わっていませんが、
しずるさんと組織をつなげなくても良さそうな気もしますが、まぁ、
この辺の、謎をちりばめる手法は、作者買いしてくれる読者へのサービスなのかもしれません。

「午前零時のサンドリヨン」相沢沙呼 著

 ミステリーに、甘酸っぱい少年少女の物語をぶち込んだような、そんな素敵な物語でした。
こー、混合比が見事なので、かつての角川ミステリー文庫シリーズを思い起こさせてくれました。
こちらは、ハードカバー(重い、堅い、高い)ですが(笑)

 ミステリーとしても、少年少女物語としても、マジックとしても、濃度は高くないので気軽に読める作品です。
一番印象に残るのは、“甘酸っぱさ”ではありますが。
私の学生時代には、こんな“甘酸っぱさ”はなかったなぁ(とほほ)

「フルメタル・パニック! 12 『ずっと、スタンド・バイ・ミー 下』」賀東招二 著

 「クライマックスフェイズ」から、「エピローグ」へと、一気に流れ込みました。

 過去をやり直し、望む未来を手に入れようと足掻く者
 積み上げた現在を肯定し、そこから先へ進もうとする者

 定番とも言える対立構造ですが、定番だからこそ、盛り上がる物語構造でもあります。
世界まで、“閉じた輪”としてループ構造になっていたとは予想外です、これも、SF的には定番ですが。
何というか、使い古された定番ですが、見事に盛り上がる演出でした。

「フルメタル・パニック! 11 『ずっと、スタンド・バイ・ミー 上』」賀東招二 著

 タイムリミットがヒタヒタと迫る。ラストに向けて、カウンターが進む。
そんな感覚を味わいました。

 別の言い方をすれば、《ロイス》が一つずつ、《タイタス》に変わってゆく、
あれ? やばくない? 時間が足りないよっ。
そんな切迫感が見事に演出されて、最終巻へと突き進んでいます。

 クリアすべきイベントは多く、PCは足らず、敵の妨害は執拗で、
それでも諦めずに取捨選択を行って、クライマックスフェイズを目指します。

「誰も語らなかった防衛産業」桜林美佐 著

 事業仕分けで削減された防衛予算。そのしわ寄せ。
民生品に転用できる技術と、転用できない軍事特殊技術。
採算レベルでは崖っぷちな、末端の町工場。

 大企業ですら、投入するリソースとリターンが、
採算レベルで見合ってないと、判断されつつある現状が書かれていました。

 個人的には、一番の問題が民主党の方針のような気もしますが……
選挙で投票したのは有権者ですし?
 国防に関してまじめに考える有権者というのが、少ないのも問題の一つです。

コンテンツのシンジケート


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