akiraani さんのブログ

すべての電子書籍の価格決定権を出版社が持つ方法

結論からいえば、出版業界におけるJASRACのような電子書籍の権利処理を専門に扱う著作権管理事業者を立ち上げればいいのではないかと思う。

著作権管理事業法にのっとって、デジタル化書籍の複製権と公衆送信権を管理すれば、価格と利益は著作権管理事業者で定めたルールが適用され、それ以外の契約はできなくなる。たとえば、JASRACなんかでは料金は一律決められており、(参考)着メロサイトをはじめ、iTunesもAmazonMP3もまっとうなコンテンツのダウンロード販売をしているところはすべてこの料金を支払っている。だから、レコード会社との契約でもめることはあっても、著作者との契約でもめることはない。

電子書籍のガラパゴス

 電子書籍を商業でやろうとすると、実は結構なオーサリングコストがかかるらしい。
 業界の人ではないので詳しいことはわからないが、電子書籍のオーサリングというは紙の印刷工程における版下作成に該当する。これがちゃんとした品質を確保しようとすると結構なコストがかかってしまう作業らしいのだ。

 その主な理由は、電子デバイスの表示能力の不足にあると思われる。日本の商業印刷では一般的に300~350dpiの解像度で印刷されているが、主だった電子書籍デバイスはというと、iPadが136dpi、モノクロ16階調のKindleの6インチモデルでも166dpiと、半分程度しかない。

心の豊かさをHDDの中に求めれば、部屋なんて狭くても良い

 数年前、ライトノベルを年間300冊以上読んでいた頃、いずれ本があふれるから広い部屋に引っ越す必要があるだろうと思っていた。
 しかし、今は違う考えを持っている。それを簡潔に表現すると、日記のタイトルである「心の豊かさをHDDの中に求めれば、部屋なんて狭くても良い」という一文に集約される。

 昨年からScanSnapを使って新しく買った同人誌は読んだら電子化して処分するようになった。さらに、今年の初めには100枚以上あった音楽CDのほとんどをリッピングして、パッケージを含めたメディア媒体は処分した。すると、部屋の空きスペースが少しだけ広くなり、その分HDDが少しだけ圧迫された。

「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」回収騒ぎに思うこと

 最初に一つ断っておきますが、パクリかどうかはおいときます。まとめサイトは斜め読みしましたが、そもそも問題になった作品を読んでませんので作品については擁護も非難もする気はないです。

 この手の疑惑で問題になるのは大きく分けて2点。
 一つは、クリエイターの意識で、もう一つは消費者の感情。ただ、クリエイターの意識については推し量りようもないので置いときます。

 というわけで、争点は消費者の感情になりますが……まず、前提として押さえておかなければいけないのは「消費者にはパクリかどうかを判断するすべはない」ということ。きちんと判別するためには最低限文芸作品の製作工程についての知識が必要だが、そんなのは関係者しか普通知らないし、知っていたとしてもやり方は一つではないので一概に判断することも難しい。検証サイトの情報を見ればある程度わかると思っている人は、考えを改めた方が良い。

著作権問題:日曜クリエイターへの対価

 先日の北大での鼎談でもちょこっと話しが出ていたんですが、ニコニコ動画などのオープンコミュニティに趣味で作品を投稿し、それがカラオケや着メロなんかで人気になり「作者に還元されない利益」が発生しているケースがある。

 話題になったのはJOYSOUNDのカラオケランキング。ざっとぐぐって見た限りではウィークリーでトップ10に食い込む初音ミクオリジナル楽曲が多数あり、これらは本来であれば相当な額のロイヤリティが発生しているはずのようだ。鼎談では「ロールスロイスが買える」との発言があったが、あながち間違いじゃなさそうな勢いだ。

電子書籍ストアの有望性(私見)

 2010年はもう何度目かもわからない電子書籍元年らしいのですが、海外の電子書籍販売プラットフォームについて日本での現状の分析を。
 個人的な感想を言わせてもらうと、はっきり言ってメディアが騒いでるだけで特にこれといった展開はしないのではないかと思ってます。根拠は、上記プラットフォームそれぞれに難点が多く、大々的な展開が難しいからです。

iBooks
→iPadの表示能力は文句なしに現状のN01で日本での販売台数もかなり見込めるのだが、Apple独自のコンテンツ審査基準が大きなネック。日本で主力となるマンガがかなりの数はじかれる模様。勢い込んで参入してもキラータイトルが軒並みAppleにリジェクトされましたなんてことになる可能性が高く、大手出版社の参入は難しいのではないだろうか。iPadでも見れるストアを独自に構築した方がましというのが正直なところ。

電子書籍になって変わること、変わらないこと

電子書籍で何が変わるのかという点について考えれば、ある程度今後の展開が見えるのではないだろうかと思ったので思考実験的にいろいろ箇条書きにしてみたいと思う。

まずは執筆から出版に至るまでのプロセスについて以下のように分類して見ます。

  1. 執筆
  2. 編集、校正
  3. レイアウト、表紙デザイン、版下作成
  4. 印刷
  5. 広告、プロモーション
  6. 流通

まず、執筆~編集、校正までは従来のプロセスとまったく変わらない。ちなみに、編集の段階でマーケティングは行われているはずだが、ここの分類ではあとの広告、プロモーションに含める。

シグマブックとワーズギアの一生

 ここ数年、Kindle、iPadと電子書籍リーダーがネットをにぎわせているが、その影でそんな華やかな電子書籍リーダーの礎となったシグマブックと、ワーズギアについて供養の思いをこめてちょっと語って見たいと思う。
 正直、結果論ながら辛口のコメントになってしまうと思うが、期待して本体を買ったが故の話だということだけはご理解いただきたい。

 シグマブックが登場したのは2004の2月。記憶型液晶を2面そろえ、SDカードでコンテンツを保存する電子ブックリーダーとしてGeekの間では結構な話題になった。特に、記憶型液晶で見開き表示できるデバイスは今現在もシグマブックだけと思われる。

著作権関連の議論で注意しないといけないこと

著作権の議論をするときには次の三つの観点について意識して、明確に切り分けることが望ましい。

  1. 権利者の要求
  2. 現行著作権法における解釈
  3. 公共性への配慮

 まず、一つ目の権利者の要求だが、これは言わずもがなだろう。現行の著作権法は、ほとんどの権利が「~する権利を占有する」という形で記載されている。これは、権利者がやって良いと公言していれば法律上問題ないということでもある。
 このため、著作権者が何を要求しているかというのは大変重要になってくる。例えば、JASRACは「~利用法では~の申請をして規定の使用料を支払えば問題ない」という形で対価としてお金を要求している。一方で、周囲の人間からはまったく理解不能な論理でも著作権者にダメといわれれば一切利用ができないし、良いと言えば許される。

SRSのGURPS化

SRSってなんぞ、という人はこちら参照。
平たく言えばアルシャードガイアをベースにした汎用TRPGシステムのことです。

先日、行きつけのコンベンションでいろいろだべっていたときに、SRSでオリジナルワールドや別作品のワールドを使う場合、データ追加するのではなく、データを削るという考え方でカスタマイズするのがいいのではないだろうかという考えが浮かんだ。
既存の汎用をうたい文句にするシステムは、新しいワールドを遊ぶにあたって基本ルールにワールドに合わせたデータ、場合によってはルールそのものも追加するという方法で拡張を行ってきた。

「ネタバレ注意」魔法少女リリカルなのは The movie 1st感想

 今回の劇場版は、最初のTVシリーズの再構成と言うことになっているが、単純にTVシリーズだけの総集編ではない。テレビシリーズには登場しなかったキャラクターやエピソードが挿入された上で再構成されている。
 A'sやStrikerSへの伏線となるワードも登場しており、全体的なストーリーの流れはTVシリーズとほとんど同じである。しかし、途中の展開はいろいろ異なる点が多い。
 TVシリーズでは最初の数話はカードキャプターさくらっぽい展開で引っ張っていたが、劇場版は最初のエンカウントの時点でいきなりバスターを使ってバトル展開に突入する。おそらく、A's、StrikerSを経てシリーズがバトルものであるという認識がファンに浸透しているため、あえてキャラを見せるために時間をかけて描写をする必要がないと判断されたものと思われる。

ノベマスに見るコモンズキャラクター素材の重要性

 ノベマスとはNovelM@sterとも呼ばれ、アイドルマスター(以下アイマス)の登場キャラクターを使ったを使った二次創作作品の一種です。

 ノベマスのノベはノベルゲームの略で、テキストウィンドウ+登場キャラクターの立ち絵というノベルゲーム風の画面構成の作品であることを意味します。
 ノベルゲーム風の動画は最近では紙芝居クリエイターやらのべえなどの作成ツールの普及などもあって、アイマス以外のキャラクターを使ったものも含めてニコニコ動画を中心に多数の作品が投稿されていますが、その中でもアイマスは抜きん出て目立ちます。

タイムパラドックス、パラレルワールドを扱ったお勧めラノベ

 先日、#もの書きで、タイムパラドックスとパラレルワールドの扱いについての話題になった。(参考)

 そのときに、ライトノベルからいくつか作品名を挙げたんだけど、けっこうな名作ぞろいなわりに知名度がない作品が多かったので、ちょっとまとめてみたいと思う。
 ちなみに、今からの入手はちょっと難しい作品も含まれていますのであしからず。

タイム・リープ あしたはきのう(著:高畑京一郎/電撃文庫)

ゲームリプレイによる架空戦記

 架空戦記とは一般的には歴史IFを扱った小説やマンガなどの娯楽作品を指す。一言で内容を表現すると、史実をネタにした二次創作の一種だ。
 ここ最近、この仮想戦記をゲームのリプレイという形で発表するという作品がネット上で増えてきている。

 まあそんなたいした話ではなく、歴史シュミレーション系のゲームのプレイの様子を読み物としてまとめると、必然的にそれは架空戦記と同じ性質のエンターテイメント作品になってしまうだけなのだが。むしろ、ゲームのリプレイが仮想戦記として楽しめているという方が正しいかもしれない。

Googleの絶版書籍電子化に思うこと

ネットメディアやブログにいろいろ反応があるのでまずは参考記事を並べておこう。

日本の書籍全文が米国Googleブック検索に? 朝刊に載った「広告」の意味(ITmedia)
破壊せよ、とグーグルは言った(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)
「全世界を巻き込む、Googleクラスアクション和解案の衝撃」(骨董通り法律事務所 For the Arts)

東方Projectの二次創作考察

東方Project(以下、東方と表記)とは、同人シューティングゲームのシリーズ作品で、日本で最も有名な同人ゲームの一つ。詳しくはWikipediaの東方Projectを参照のこと。

東方の二次創作が登場しだしたのは2002年のWindows版が発表されて以降である。シリーズを重ねるごとに東方の二次創作を扱うサークルも増え、2004年には東方専門のオンリー即売会が開催されるまでになった。他に有名な同人ゲームタイトルに「月姫」「Fate/staynight」「ひぐらしのなく頃に」などがあるが、TVアニメ化などの強力なメディアミックスが行われはるかに知名度が高いにもかかわらず、ここまで盛んに二次創作が行われてはいない。

アナログゲームプレイ日記:すくぱに

 先日、サークルの例会で「すくぱに ~すくーるでいず・パニック~」をプレイしてきました。

 このゲーム、学園伝奇ライトTRPGといううたい文句からもわかるように、学園伝奇モノを”超“手軽に遊ぶゲームである。プレイヤーは兵士、剣士、機械化兵、魔術師、超能力者、闇の眷属のいずれかなのだが、なぜか学校に通っている。複眼だったり岩のような肌だったりウサ耳だったりするけど、それでも普通に学園生活を送っている。ライトなだけあって深く考えたら負けな世界観である。

アナログゲームプレイ日記:なのドン

 なのドンというのは略称で、正式タイトルは「魔砲少女りりかるなのはA's カードドンジャラACS-蒼天の書ver」
 平たく言えば、かの熱血バトル魔法アクションアニメ「魔法少女リリカルなのはA's」を題材にしたカードゲーム版ポンジャン。タイトル見ればわかるとおり同人ゲームです。(公式サイト)

 なのドンでは数牌がなく、かわりにキャラとデバイスに分かれてます。登場キャラはA'sの連中で主要キャラ(各10点)+ヴォルケンズ(各5点、犬は除く)に、それぞれのデバイス(各5点)と、本家ドンジャラに比べると牌の種類が多め。役はキャラとデバイスの組み合わせがメインで、作品を知っていれば大体想像がつきます。各カード6枚ずつしかないので、一色系の役はありません。

ウマウマCDに見る著作権ビジネスの隙間

 ITmediaで「ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)」がCD化 販売中止のトランスアルバムが新装復活という記事を読んで、大変に興味深い現象だと思ったので記事にまとめてみようと思う。

 このCD、どういうものかというとニコニコ動画で大人気の楽曲のアレンジ版を収録したCDである。曲目はというとみっくみくやごまえと言ったニコニコ動画ではおなじみの曲のカバーがずらり並んでいるほか、トレス系動画でちょうど今大ブレイク中のウッーウッーウマウマ(゚∀゚)の原曲(カバーではない!)が収録されている模様。

論考:ニコニコ動画に見るコンテンツ産業の行方

 日本に限った話ではないと思うが、今現在のコンテンツ産業の中心にいるのは間違いなくテレビメディアである。とにもかくにも、宣伝能力が圧倒的だ。TVメディアを大々的に使ってコンテンツのプロモーションをすれば、多少優れたライバルコンテンツが他にあろうともヒットする。
 しかし、テレビ番組枠は基本的に有限のリソースである。どんなにがんばってもすべてのコンテンツを紹介できるわけではない。当然、テレビメディアを中心としたコンテンツ商売はパレートの法則に支配されることになる。

コンテンツのシンジケート


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