本日の読書:『化物語 上』『化物語 下』西尾維新
連作短編ということでまずは1話だけ読むつもりでおいて、気がつくと全部読み終えていた。
相変わらず中毒性の高い文章を書く人である。
物語は高校3年生の阿良々木暦(あららぎこよみ)が、彼の周囲に起こる怪異について語る構成となっている。
最初に登場する戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはらひたぎ)をはじめ、誰も彼も、どれもこれも、あれもそれも皆エキセントリックで愉快な会話を繰り広げてくれる。
その中でもやはり病弱な優等生の看板をかかげていた戦場ヶ原ひたぎのインパクトはほかのヒロインを圧倒している。
病弱にみえて実は怪異によって体重を失っていたとか、それに気づいた阿良々木くんにいきなり敵対行動をとるというのは、まあ、この手の読み物ではふつうだ。
口や態度でてひどく拒絶してもいいし、怪異っぽく変身してくれてもいい。
少女の影が鋭い爪になって切り裂いてくるのも、バルディッシュザンバーあたりでまっぷたつというのも、想定内だ。
だが、いきなりまずカッターナイフを少年の口の中につっこみ。
続いてホッチキスを(しかも太い側を)口につっこんではさみ、脅しをかけてくるとは思わなかった。
読者の予想を斜めに裏切るというかくつがえすというか。このへんのズレた感覚が西尾維新の持ち味であろう。
まさしく私はこれが読みたくてこの本を開いたのだから。
このズレ具合がいいように出てくるのが会話場面だ。
ひたぎとの初めてのデートに引きずり出された(文字通りの意味で)主人公は頭を捕まれて連行されていく中で、次の会話を行う。
「……お前には本当におどろおどろかされるな」
「おどろがひとつ多いわよ。まあ、阿良々木くんを少しでもおどおどろかせたいと思う、私のサービス精神の賜物ね」
「おどがひとつ多いんだよ! 本当ひでえことばっか言いやがって。お前に慈悲はないのかよ」
「茲非ならあるわよ」
「心がねえ!」
「全く、大袈裟な。会話に多少のエスプレッソをきかすのは、礼儀のようなものでしょう」
「高校生には苦すぎる……」
『化物語 下』p233
この会話は一例だが、どの会話も似たようなものだと思ってそう間違いではない。
ズレているのに。そのズレが心地よい。
一年のしめくくりとしては、なかなか良い本だ。
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西尾維新著 「化物語」を読む。
このフレーズにシビれた。
何をしているのと訊かれて暇潰しと答える男は甲斐性なしという噂を聞いたことがあるわ
[巷の評判]
積読本は積読け!!では...
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