『荒野に獣 慟哭す 4』原作/夢枕獏 漫画/伊藤勢
小説の漫画化、あるいは逆でもいいしアニメ化でもなんでもよろしい。
私がそれらの作品を評価するポイントのひとつが、付加価値である。
せっかくメディアを変えるのだから、なんかくれ。
そういう点で、伊藤勢さんはモンスターコレクションの頃から安心して楽しめる素晴らしい漫画家さんだ。
この夢枕獏原作の『荒野に獣 慟哭す』もなんかすでに原作のノリから逸脱して、伊藤勢さんっぽいノンストップで怒濤の展開をみせている。
シリアスとギャグの緩急のつけかたもさすがだ。
これまでもメタ的に伊藤勢さんや夢枕獏さんが出ていたが、特にp81~p85のへんになると、
「(メキシコにいろいろネタを集めにいきたいから)確か獏さんの小説でメキシコが舞台になるやつがあったよな……」
などとメタにもほどがある会話が飛び出している。
あげく、編集さんから
「伊藤さ~~ん! また妙な山っ気出してるな~~!?
真面目に仕事しなさいよう~~~!」
と言われて伊藤勢さん答えて曰く
「真面目なポンチ絵描きなんざな 陰気な噺家よりサマにならねえだろうがよ!」
思いっきり納得してしまったよ。
そしてこの巻のトリは、独覚兵、毘羯羅とサイボーグ美女、オードリーの殲滅戦。
伊藤勢さんのバトルの特徴として、判断から行動への躊躇がない。説明もろくにしないのですごいスピードで絵が流れていく。
このへんのスピード感覚は漫画でなくともすごく参考になるところだ。
そして一敗地にまみれた(脳髄も床にまみれた)オードリーがごろごろと転がりながらびくびくと死のけいれんをするのをひょいとまたいで我らが主人公、周平登場。
「ちぇっ、期待したほど消耗してねえか
つかえねえなサイボーグ」
……本当に主人公かおまえ~~~~っ!?
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「荒野に獣慟哭す」読了
講談社BOOK倶楽部にもWikipediaにも荒野に獣慟哭す5巻について説明が載っていないので公式、非公式の引用は割愛。

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