史実の黄門に時代劇的行動を現代で取らせる無茶が愉快――『タイムスリップ水戸黄門』

タイムスリップ水戸黄門を読みました。水戸黄門こと徳川光圀老人が、現代にタイムスリップ。そっくりさんの悪徳政治家と入れ代わり、自動車道開発にまつわる闇の密約を打ち砕く! という痛快娯楽小説です。

史実ではさんざん財政を傾けた歴史人物の光圀に、現代で水戸黄門っぽい行動を取らせるなど、切り口もいいですね。

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テレビ時代劇の水戸黄門の味わいや道具立てを現代に生かしつつ、わかりやすい勧善懲悪の展開を組み立ててあります。自殺未遂の娘を助けると、その父が環境影響レポートを開発有利に作成した人物だったりとか、そういう細かい遭遇と行動がラストの大団円に繋がる組み立てなど、実にこう「水戸黄門らしい」という印象を受けました。

あまりにストレートな開発批判にはちょっとビックリしましたが、時代劇的な悪徳代官を現代に置き換えると、こんなもんですか。ちょっと荒っぽいけど、ノベルズでさくっと読むには向いてますね。

全体として「現代版の水戸黄門」を、タイムスリップという仕掛けを生かして、荒唐無稽かつ爽快に書いてあります。なるほど帯の『小説の面白さは「たられば」にあり!』を実践したんですね。組み合わせの勝利という感じがします。


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