『機動戦士ガンダム00』のSFネタ解説その9:宇宙戦闘(その1)
機動戦士ガンダム00を見て、出てくるギミックや台詞を元に妄想をたくましくしていくSFネタ解説シリーズの9回目。
いよいよ出ました、真打ち本命の『宇宙戦闘』。このネタは何回でも続けられるので、とりあえずはその1である。
いつものように、真面目七分にホラ三分、大嘘ついても小嘘はつくなの三割精神でやっていきたい。
さて、宇宙戦闘といっても、作品によってイロイロある。
作品世界を無視して物理法則だのSF考証だのをうんぬんすると客が逃げるので、まずは、ガンダム00の宇宙戦闘はどんな感じなのか、アニメ本編の内容を確認してみたいと思う。
今回の題材は第9話『大国の威信』における宇宙戦闘である。
戦闘の流れとしては以下の図のように進展した……と、思われる。勘違いがあるかもしれないが、そのへんはおいおい直していくとしよう。



この戦闘で興味深かったのは、人革連側もソレスタルビーイング側も、戦闘の主力がモビルスーツである点だ。ガンダムの母船であるプトレマイオスには武装がなく、人革連のラオホゥもこれまた多目的輸送艦ということで武装は原則としてなさそうである。
宇宙船に武装がないのはなぜか。
いろいろと理由が考えられるが、一番ありそうなのは「役に立たない」からではないかと思われる。
広大無辺な宇宙空間であっても、否、広大無辺であればこそ、何もないところでは実は戦闘が行われない。
何もない空間を制圧したところで、利益が出ないからである。
つまり、宇宙空間で戦闘が行われるとしたら、それは価値のある拠点――ガンダム00でいえば、宇宙ステーションや宇宙工場、スペースコロニーなどを巡って争うことになるわけだ。
そして、経済的軍事的価値のある拠点のみを防衛するならば、宇宙船ほどに長時間、長距離の行動ができなくとも、モビルスーツがあれば十分となる。
では、攻撃はどうだろうか?
宇宙戦艦と呼べるようなでかい大砲をもった軍艦があれば、攻撃の役には立たないだろうか?
むろん、役には立つ――相手を破壊していいなら。
基本的に冷戦構造なガンダム00の世界では、おそらく宇宙戦艦は使い道がない。宇宙ステーションを防衛側モビルスーツに迎撃されない遠距離から砲撃して破壊する軍艦の開発は技術的に可能かもしれないが、保持しても現代におけるICBMのようなもので、威圧にしか使えない。
ガンダム00の世界における宇宙戦艦とは、開発にも建造にも維持にも大金がかかるわりには、あまり使い道がないコストの悪い兵器なのだ。
それよりはやはり、人革連の多目的輸送艦ラオホゥのような武装はなくともモビルスーツを搭載でき、さらには宇宙機雷の散布能力なども持つ艦の方が、使い手がある。
値段が比較的安く、さらに量産できる艦であれば、セルゲイ中佐がやったように、囮としてブリッジを切り離した空船を犠牲にしてもいいぐらいだ。
4機しかないガンダムや、そしてプトレマイオスのように高価で代えが利かない高性能なシロモノは、実際の軍隊ではほとんど役に立たない。失われることによるデメリットが、戦場で使うメリットを上回ってしまうからである。たとえば日本軍の戦艦大和は高価で高性能であったがゆえに出し惜しみを続けて結局は使いどころを失ってしまった。本来ならばガダルカナル島をめぐる戦いで使い潰してもよかったはずの大和を大事に取っておき、金剛などの旧式戦艦を便利働きさせて消耗してしまった思考の流れはゲーマーとしてたいへん納得がいくのであるが、やはり間違っているのだ。
さて、となると。
逆説的ではあるが、プトレマイオスにならば、武装をつけても良いということになる。ソレスタルビーイングにとってプトレマイオスは、いわゆる日本海軍にとっての戦艦大和のような代替のない至宝の存在である。それを最前線で危険にさらすのであれば、もはやコストがどうこうというタワゴトは意味をもたない。
ではどんな武装がこの後、プトレマイオスに搭載されるかであるが。
宇宙戦艦らしい巨大な砲塔という線はあまり考えにくい。いざという切り札としてのマップ兵器ぐらいは将来のスパロボ参戦も合わせて考えるかもしれないが、まずは近づいてくるモビルスーツ部隊を迎撃できる対空砲火を充実させるのではないか。弾丸をばらまく機関砲、そして搭載スペースを確保できればいくらでも火力を増やせる小型ミサイル。あるいは宇宙機雷。
9話のピンチをきりぬけたプトレマイオスが改装して搭載するのはそうした武装ではないかと考えるのである。
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