『機動戦士ガンダム00』のSFネタ解説その10:宇宙船

 機動戦士ガンダム00を見て、出てくるギミックや台詞を元に妄想をたくましくしていくSFネタ解説シリーズの10回目。

 宇宙戦闘について詳しく解説する前に、ちょこっと宇宙船の構造について解説してみよう。
 いつものように、真面目七分にホラ三分、大嘘ついても小嘘はつくなの三割精神でやっていきたい。

 ソレスタルビーイングの母艦プトレマイオスはなんともカッコいい流線型の艦であるが、人革連の多目的輸送艦ラオホゥはいかにもな無骨な箱型デザインである。
 プトレマイオスが大気圏突入能力があるかどうかはまだ分からないが、ラオホゥはどうにも地上には降りられない感じだ。
 地上との人や物資の行き来は、軌道エレベーターがやってくれるわけなので、いざという時でもなければ、今のスペースシャトルのようなものは必要ない。
 そして、それは宇宙船のデザインにおいてたいそうありがたいのである。

 そこで、現行のスペースシャトルっぽいのと、ラオホゥっぽい宇宙トラックとを比較してみた。

 スペースシャトルが高価で高性能である最大のポイントは、重力井戸の底である地上から発進する能力と、そして仕事が終わった後で大気圏に突入する能力が必要だからだ。
 地上から宇宙へエンジンから何から使い捨てのロケット(H2ロケットなど)を使ったとしても、軌道上に運べるのは全体重量の1割ぐらいなのだが、スペースシャトルでは、シャトル本体というまた地上にもって降りる重量がやたら多いのである。これは打ち上げ能力という点ではまったくの無駄で、半ば意地で運営し続けたアメリカも、結局、シャトルの次の宇宙船は再び安く上がる使い捨てロケットが最有力となっている。

 軌道エレベーターができると、地上から発進し、再び大気圏に突入する能力が必要ない、宇宙トラックが大量に使われるようになると思われる。

 人革連の多目的輸送艦ラオホゥのような宇宙船は、モビルスーツに比べると加速能力などはきわめて貧弱で、戦闘ではあまり役に立たないだろう。それでも長時間の活動が難しいモビルスーツにとってはラオホゥを母艦にする意味は大きい。モビルスーツの持つ推進剤と高機動能力はモビルスーツ同士の戦闘にこそ必要とされるものであり、戦場に到達する前に推進剤を使わずにすむなら、そっちの方がいいのだ。
 なお、推進剤ネタはガンダムシリーズでは定量的にはきわめて危険で、あまり数字を出さないのが吉である。本コラムでは必要最低限なレベルを感覚的に処理しているのでどうかご理解いただきたい。

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