新作詳細プロットニューバージョンその3:「転校生は勇者」
さっきの続きです。
これも前に張ったものの改訂版ですね。
それでは、どうぞー。
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・「転校生は勇者」
トープサイド魔法学園、職能専門学校二年C組、ホームルーム前の教室では、一つの机の周りに、赤紫色の制服姿の男女が、輪になって集まっていた。
何かの話題で盛り上がっているようだ。
その近くでは、羽根がついたりつかなかったりする生き物が飛んでいたり浮いていたり、床ではネコとか犬とか、あるいはちょっと得体の知れない生き物がとことこ歩いていたりする。
これらは皆、魔道士系や獣使い系の使い魔、精霊、ペットだ。
そこに、扉が開く音が、一つ。
輪の中にいた皆と、使い魔たちが、いっせいに扉の方へ視線を向ける。
そこには、髪が少し乱れたアリサの姿があった。
少し背中で、息を吐いている。
視線に気がつき、アリサは息を整えると、にっこりと笑顔を見せ、教室に入る。
「おはよー、みんなっ」
「「「おはよー、アリサ(ちゃん)」」」
それから輪の中心の席にいる、背中ほどまでのさらりとした青っぽい黒髪で、青い目をした女子のそばに近づき、挨拶をした。
「あらためて、おはようございますっ、レフィースおねえさまっ」
レフィースと呼ばれた、元気そうな顔つきの女の子は、活発な女の子の声で挨拶する。
体が動くと、胸の二つのふくらみが、ゆさっ、と動いた。
椅子に座っているが、背筋が伸びた体は、背の高さを感じさせる。
「おはようございますっ、アリサちゃん」
「あら、おはようございます、アリサさん」
レフィースの椅子のすぐそばに立っていたのは、腰ほどまであるつややかな金髪に、エメラルド色の目に、端正な顔立ちの背高の女子、クラスメイトのエルザだ。
彼女は片方の手でブレザーの制服のスカートをちょこんとつまんで上げ、両脚をかがめて挨拶した。
彼女の二つのふくらみは、レフィースよりももっと大きく、動きもゆったりとしている。
エルザを見るや、アリサは少しむすっとほおをふくらませる。
エルザは、アリサの髪の乱れに気がつくと、
「あら……? 寝坊ですか? そのあわてっぷりは?」
髪の毛にさわり、嫌味っぽく微笑んだ。
アリサはその触った手を振り解くと、声を荒げて返事をする。
「エルザぁ? わたしじゃなくてティアよ! ティアをほっとけば楽勝で来てたわよっ!」
「あらあら、他人のせいにするなんて、みっともないことですわよ?」
「事実を言ったまでよっ!」
にらみ合う二人。
「はいはい、二人とも、いつものケンカは、そこら辺までにしておいてねー」
ややけんか腰になりかけたふたりを、しょうがないわね、という顔をしながらレフィースが割って入る。
「はい。レフィースさん」
「はぁい」
エルザはにっこりとレフィースに顔を向け、アリサは、ばつが悪そうな顔をして、お互いから顔をそむける。
アリサは顔をいつもの顔に戻しながら、レフィースに顔を向け、気になることを聞く。
「で、皆で集まって、どんな話をしていたの?」
「うん、今日このクラスに転校生が来る話をしていたのー」
「転校生? 他の学校から? それどんな人?」
その問いに、待ってましたと言うように、レフィースはにっこりする。
「うん、わたしの幼馴染で……、勇者なの」
「え、勇者!? 本当!?」
少し大げさな声をあげ、びっくりした顔をするアリサ。
その反応に、レフィースが何かを話そうとしたが、その前にエルザの隣にいた、ピンクブロンドのふわふわした髪をなびかせた、メガネをかけおっとりとした物腰の少女が口にする。
「うん、本当よ~」
アリサの仲良しの友達の一人、ミルフィースだ。
ミルフィースはものを知っている表情をして、事情を話す。
「情報によりますと、ちょっと事情があって別の世界にいたんですけども、王室のレフィース王女がお祈りを捧げていましたら、目の前に召喚されてきたらしいんですの~」
「なるほど、そんなことがあったとはねー。そんなことぜんぜん街の噂になっていなかったけどねー」
ミルフィースの言葉に、アリサは納得した表情を見せた。
「王室の秘事ですからね、下々の方には普通公表されないことよ。こういうことは」
エルザが言葉をはさむ。
それにレフィースがあいづちを打ち、話を続ける。
「で、まずはこの世界のことを学んでもらうために、この学園で勉強することになったのよ」
「その勇者って……」
「勇者マサト様の息子なの~」
と、またもやミルフィースが割り込む。
「へー、たしか勇者マサトって……」
テストの答えを思い出すような顔をして考えるアリサを見ながら、レフィースは言葉をつなげる。
「ええ、先の大戦後、ザウウェン皇国のシルフィース姫とご成婚なされて、元の世界に帰られたんだけど……」
「今度はその息子を勇者として召喚したわけ、か……」
ふむ、と息を吐くアリサ。
「誰かは分からないけど、よくもまあ息子まで召喚するとはね……。また世界に危機でもせまっているのかしら?」
「それはわたしには分からないわよ」
その質問に、レフィースは少し苦笑いをするが、でも、と言葉を続け、少し真剣な表情になる。
「召喚が神の御意思ならば、何かが起きる予兆なのかもしれないわね……」
「ともかく、勇者様が召喚された以上、いずれはその従者達も勇者様の手によりお選びになられることでしょう」
エルザは真剣な目をして、皆を見回し、周りの皆に説教するように言い聞かせる。
従者とは、いわゆる勇者の仲間、パーティメンバーのことである。
この世界では、勇者の従者になることは、大変な栄誉とされているのだ。
「わたくしたちは、そのときのために、より一層勉学に励み、技量を高めなければいけませんわ」
その真剣みを帯びた声色に、あれこれ言い合っていた皆は、押し黙るほかなかった。
「エルザぁ、そんなに生真面目にならなくても……」
その沈黙を破るように、アリサが気にしない、気にしないという顔をすると、エルザは少しカチンと来た様子で、
「アリサさん、あなたは勇者という存在が、どれだけ貴重で、重要であることかを分かってます!?」
机をどん、と一回叩く。
床にいたペットたちが驚いてびくっ、と体を震わせ、空中にいたものは数センチ高く飛び上がる。
エルザの意外な怒りに、少しぎょっとするが、売り言葉に買い言葉という風に、アリサも反応し、
「分かってるわよ! それくらい……」
少しにらんだあとで、わからないというように首を横に振る。
(エルザ、なんでそんなことで怒るのよ……? わたしとケンカする時ぐらいしか怒らない筈のエルザが、なんで勇者のことで熱くなるかな……?)
「まぁまぁ。エルザは、それだけ勇者を必要だと思っているのよ」
レフィースはアリサの心を読んだようなことを言いながら、苦笑して椅子から立ち上がる。
そして、アリサのそばに立った。
心が読まれたようなのと、近づかれたので、アリサはどきりとする。
しかし、その割り込みがちょうどよかったので、アリサは視線をエルザからレフィにそらし、質問する。
「そういえば、その召喚されてきた勇者、レフィと幼馴染といったわね、どんな人?」
「実は、六歳ぐらいまでしかそばにいなかったので、どんな人と言われても……」
レフィースは少し困った顔をしてから、笑顔をアリサに向けて、
「まあ、アリサちゃんみたいに、かわいい人でしたよ?」
彼女はアリサにそっと近寄ると、不意うちで抱きしめた。
「ひあっ!?」
アリサの頭を、体を、ほどよい大きさの胸を、いとおしくなで回す。
自分の大きな二つの胸をアリサの体に押し付け、むにむにと動かす。
「も、もう、おねえさまったらっ……」
様々なところをなでまわされ、かぁーっと、アリサの顔が赤くなる。
エルザやミルフィース、それに他の女の子たちはその様子を、今日最初の犠牲者はアリサかぁ、といった言葉を交わしながら、苦笑交じりで見つめる。
男子達は、おー、レフィースがまたやってるぞ、といった顔でにやにやしている。
レフィースはそれにかまわない様子で、アリサをなでる。
アリサは、さらに真っ赤になっていく。
そのとき、チャイムが学園中に流れた。
ホームルームが始まる合図だ。
それに気がついて、レフィースはアリサを離した。
エルザやミルフィース、周囲のクラスメイト達も、ごちそうさまでしたという顔をしながら、自分の席に戻っていく。
「あ、ホームルームの時間ね。もうそろそろグレース先生が転校生を連れてくるから、席について楽しみに待ってましょうねっ」
「はいっ、レフィおねえさまっ」
そのとき、レフィースはアリサの全身をくまなく見て、ん? という顔をするとアリサにたずねた。
「ところで、服がちょっと汚れてるわよ?」
「あ、ちょっと遅刻しそうになって、ティアに<速足>の魔法をかけてもらって走ってたら、校門前で男の子と激突して転んじゃって……」
それを聞いたレフィースは少し考えるそぶりをして、
「……ははーん、なるほどねっ」
と一人、にっこりした。
「なんのこと、おねえさま?」
「それはホームルームでのお・た・の・し・みっ」
「??」
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ではどんどん次行ってみよー。
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