『銀星みつあみ航海記01』鷹見一幸 タンホイザーゲート

『銀星みつあみ航海記01』鷹見一幸 タンホイザーゲート

■本日の読書:『銀星みつあみ航海記01』鷹見一幸

 銀河をまたにかけた――という枕詞の後にくるのは、一般には『大冒険』とか『大活劇』とかそういう言葉である。

 それがこの作品の場合『大運送』となる。

 スペオペで運送ネタのシリーズというと、海外SFでは『銀河辺境シリーズ』(A.B.チャンドラー)が、日本SFでは『銀河乞食軍団』(野田昌弘)が有名だろう。なんかどちらも辺境でビンボくさい展開であるが、本書は宇宙大元帥の『銀河乞食軍団』にテイストは近い。食い物ネタ多いし。

 星から星へ移動する恒星間宇宙船に必須なのが光よりも速い(FTL=Faster than light)超光速航法である。これがないと、星と星との間を行き来するだけで何年も何十年も何百年もかかってしまう。ハードなSFはそれでオッケーだが、主人公やヒロインが物語の途中でおじいちゃんおばあちゃんになってもらっては困るスペオペではおおむねココで超光速の出番となる。(あるいは太陽系諸惑星のみの冒険となる)

 このFTLをどう設定するかで、作品世界の雰囲気はだいぶ違ってくる。
 FTLの制約やコストは未来宇宙の政治や経済に深く関わるからだ。一般に制約やコストは小さいほうが星と星の交流は簡単で盛んになる。もしもコストがばか高いとか使うのにすごく手間がかかるようでは、運送会社など成り立たないだろう。
 しかし、自由自在になりすぎるのも考え物である。どこでもドアのような物で宇宙空間を経由せず、あまつさえ宇宙船も利用せずに星から星へ移動するようでは風情に欠けるというものだ。

 そこで、よく使われるのがゲート利用方式のFTLである。本書ではタンホイザーゲートを利用した跳空間航行がそれだ。
 図で説明するとこんな感じだ。

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