GA文庫テーマ大賞用プロット「ますたーぐれーど佐藤さん」

 ますたーぐれーと佐藤さん

・三ツ木誠人 みつきまさと
 今年の春から大学生
 掌編中の俺、に当たる人物。
 175cm

・佐藤こまき さとうこまき
 謎の少女
 155cm

 起:誠人と佐藤さんが出会うまで

 4月、桜満開。
 駅構内での下り階段。
 遅刻しそうな誠人が大学に向かう途中。空から落下してくる物体がある。
 窓から注ぐ春の日差しできらめく景色のなかで、突然大きく誠人を覆う影。
 訝しげに見上げる誠人の目に映ったのは、ぱんつだった。
 (誠人が悲鳴をあげるシーンで次へ
 (誠人の目に映る大学、春の景色は希望と未来の象徴、派手に美しくきらびやかに書く
 (ぱんつを書かなくてもいいかもしれない=模様だけ?

 誠人が気がつく(苦しさから開放される)と、寝そべる誠人の体の上に、人が倒れていた。
 胸の上の人物はまだ唖然としている誠人のほうを見ると、ふいっと顔をそらして、小走りに去ってしまう。
 それを見て不可思議な思いにとらわれたまま、誠人も学校へ向かおうとする。
 立ち上がった誠人の足元には、学生証が落ちていた。さっきの女が落としたのか、と誠人はそれをポケットにしまい、登校。
 
 誠人が大学構内を歩いていると、人垣ができていた。
 その中心には佐藤が歩いていた。手にはL字型の金属棒が二本=巨大ダウジング。
 佐藤が歩くたび、人垣がぐわぐわっと割れて佐藤に道を作る。
 一体何を探しているのか。
 と、ダウジングを見ながら歩いていた佐藤は誠人の方へ向かってくる。目の前で立ち止まる。
 (ぐいんぐいんと左右に動くダウジング
 佐藤は顔を上げると、誠人をじっと見る。再びダウジングに目を落としてから誠人の間を視線を何度か動かす。
 そしてダウジングをみながら、ぐるぐると誠人の周りを何周かしてから、ふたたび誠人の目の前へ。
「……もしかしてこれか?」
 と誠人が学生証を見せると、佐藤何も言わずに。ぱっ、とそれを取ろうとする。
 寸前のところで学生証を高く上げる誠人。
 (取ろうとする佐藤、当然届かない=身長差20センチくらい
「……せめてありがとうくらい言ったらってオイ」
 誠人から背を向けて数歩歩く佐藤、そのまま行ってしまうのかと思いきや、木登りでもするように、誠人に飛びついてくる。
 (もちろん服装はスカートである
 あまりのことに硬直している誠人の手から学生証を取ると佐藤は学生証と誠人のほうを交互に見る。
「……今度は何だ」
 佐藤はふいっと顔をそむけて小走りで立ち去っていく。それを見ながら。
「……何なんだアイツは」
 取り残された誠人の周りには人垣、人垣、人垣。

 (学友のA登場。掌編一シーンくらいのドタバタ入れる。
 (誠人のまわりによく現れるようになる佐藤さん。
 (そして遂に家にまで侵入してくるようになる佐藤さん。という流れで

 そして大学から帰った誠人が六畳アパートに帰る。近所ではカレーのいい匂いがする。
 ああいいなあ、カレー。俺もカレーが食いたい。しかし俺の家にはまだ自炊道具なんてそろっちゃいないんだ。
 ああ、今日の晩飯……どうしよう。
 と、誠人が落胆とともにアパートのドアをあけると。
「あんでお前がいるんだよっ!」
 佐藤がカレーを煮ていた。
 無言でカレーの味見をして、ぐっと親指を立てて誠人に見せる佐藤。
 ぐるぐるとお腹の虫が鳴く誠人。
「……」
「……」
 無言で食事が始まる。不機嫌そうに食べている誠人だったが次第に食事に没頭。
 カレーの旨さにあれこれと佐藤に質問をする誠人。会話が弾む。
「ふー、ごちそうさん」
 佐藤からお茶を受け取って。
「お、ありがとな」
 と思わず笑顔に。はっと気づいてしかめっ面。
「……じゃなくってだな」
 こっくり頷く佐藤。正座をして小首をかしげ、誠人のほうを見ている。
「あー、えーと。ほらそのなんだ」
「……?」
 うまく言葉がでてこないところで、自己紹介もしてないことに気づく誠人。
「……俺は誠人、三ツ木誠人だ」
「佐藤こまき」
「ふん」
 (これからよろしくとかはいわない。そこミソ。
 こっくりと頷く佐藤。
 やがて夜が来る。
 小さな音に反応したかのようにぴくんっ、と外を凝視する佐藤。
 立ち上がると。
「……帰る」
「おう」
 佐藤が去った後、車のエンジン音がかすかにした気がした。
 誠人は天井を仰いで呟いた。
「……変な奴」
 だが不思議と、いやな感じはしないのだ。これが。

 承:そして祭りが始まる

 大学、年間行事の紙を見る誠人。
 春、歓迎祭。夏、盆祭り。秋、収穫祭。冬、クリスマス祭。
「祭りばっかりじゃねえかっ」
 思わず年間行事に突っ込む誠人。そこへイベント管理委員であり、学友のAが現れる。
「おい……何でこんなに祭りばっかりなんだよ」
「あっはっは。いいじゃん楽しければ」
 と笑いながら、一枚の紙を押し付けるA。
 なんだコレは、と見るとそこにはこう書いてあった。
 ラヴ神輿。
 春は出会いの季節! ということで大学公認のバカップルを強引に決めて、卒業まで弄り倒そう、という凶悪な伝統的神輿。
「ってことで、カップル知ってたら教えてよ」
 と一方的に告げて去ってしまうA。
「……アホらし」
 くしゃくしゃと紙を丸めたところで、横にいつの間にか出現している佐藤。
「ってお前いつから!」
 なぜか気恥ずかしさから、慌てて紙を隠す誠人。
「お祭り?」
「質問には答えろよ……」
 ほっとしながらも、誠人はおや、と気づく。
 佐藤がいつもよりどことなく、うれしそうに見えた。といっても目の錯覚ほどにしか思えないような表情の変化だったのだが。
 そんな嬉しそうな佐藤をよそに、誠人の顔には影が差す。
「……祭りには、あまりいい思い出がないんだよ」
「……」

 ※※※ 過去モノローグ
 誠人は友人たちと祭りに来ていた。人気のない神社、境内の裏手。
「……あいつら、どこいったんだ」
 友人たちとはぐれた誠人は一人で祭りに。
 ぶらぶらと歩いていると、狛犬の下に一人でしゃがみこんでいる少女を見つけた。
 少女はうらやましそうに、下にある提灯の明かりを見つめている。
 そのあまりの孤独さに、思わず声をかけてしまう。
「こんなとこで何してんの?」
「……何も」
「ふうん」
 また下を向いてしまう少女。
「ほら」
 知らずのうちに、手を差し出している誠人。
「……?」
 初対面の少女に声をかけたり、こんなことをしている自分にどぎまぎしながら、誠人はなんとか言った。
「だって、ほら。……お祭りじゃん?」
「……うん」
 少女は誠人の手をとった。

 モノローグ終了。

 ※※※ 
 
 (祭りで掌編数シーンほど描写。
 (いい思い出がないと言いつつも、佐藤さんによってだんだんと盛り上がってくる祭り。

 ※祭り最中1シーン
「ほらよ」
 誠人が佐藤にジュースの缶を差し出す。
「……」
 じっと缶を見る佐藤。
「どうした、飲まないのか?」
 ふるふると首を振る佐藤。そしてプルタブに指をかける。
「……」
 沈黙。
 佐藤が誠人の方に向いて呟く。
「あけられない」
「ふむ」
 誠人が自分の缶で実演してみせる。
「いいか、こうやって……こうだよ」
 ぱきょっ。
「やってみ?」
「……」
 こくり。首肯する佐藤。
 プルタブに指をかけて、呼吸を整える佐藤。沈黙、張り詰めた空気。
「おいおい、そんなマジに」「……ふッ」
 気合一閃、短い呼気。結果。
 びしゅっ。
 アルミ缶の上半分が大きくえぐれる。半分ほど飛び散るジュース。
「……」
「……あー」
「……………………」
「すまん、俺が悪かった」
 自分の分の缶を渡す誠人。受け取る佐藤。
 やべ、これ間接キッスじゃね? と誠人が気づいた時にはちょっと遅かった。
 ……ふと、前にもこんなことがあったな、と思い出す誠人。

 ※※※ 過去モノローグ2

 祭りを見て回る誠人と少女。
 くじ飴の景品、杏飴を冷やすでっかい氷、射的のピストル、ねじり鉢巻のおっちゃん、綿菓子機械、ルーレットやらそんなもの。
 ぐるっと回って、また境内の裏に戻ってきて一息つく。
 誠人は買ってきた缶ジュースを少女に渡した。
「ほら」
 少女は缶を受け取ると、掲げて見たり、ぐるぐる回したり、こんこん叩いたりしてる。
「何やってんだよ」
 苦笑しながら、誠人は自分が持っていた缶を開けようとするが、開かない。
 何らかの道具を使ってプルタブをあけようとする誠人だが、結果は失敗。
 中身が半分ほど減ってしまったジュースを嬉しそうに受け取る佐藤。
「……ありがとう」
 少女の笑顔に、誠人は心臓が締め付けられるような気がした。

 モノローグ2終了。

 ※※※
 
 何か問いかけるような佐藤の視線に気がつく誠人。
「お祭り、楽しい?」
「あ……」
 そこで佐藤に気を使われてたんだな、と気づく誠人。
「ト、トイレいってくるわ!」
 照れたように立ち上がる誠人。
 離れたトイレで、誠人は見てしまった。
 祭りの場に似合わぬ黒服の男が二人、うろついているのを。

 ※※※ 過去モノローグ3

 誠人と少女が楽しく過ごしている、その時だった。
 その時、強烈なライトが誠人と少女を照らした。まるで異星からやってきたエイリアンの出現のようだ。
 前方から出てくる大人たち。
 逆光で姿は見えない。ただ立っているだけだ。
「な、何なんだお前ら!?」
 わけがわからないといった誠人、とにかく少女を庇おうとするが、少女は立ち上がって誠人の背中をすり抜けてしまう。
「あ、君!」
「……さよなら」
 少女の顔は無表情だった。さっきまでの楽しい顔はどこにもない。
 ただ誠人にもこれだけはわかった。彼女が望んで行くのでない事だけは。
 それでも、喉が引きつったように声が出ない。何もできない自分がいて。
 誠人は逆光に消えていく少女の後姿をじっと見ていた。
 ……見ているだけしか、できなかった。

 モノローグ3終了。

 ※※※

 転:あらわれる黒服の男達。去る佐藤。

 嫌な不安を胸に抱えながら、トイレから戻った誠人。
 戻ってくると、佐藤の元には、二人の黒服がいた。
 ああ、またか。
 また俺は何もできないのか。
 祭りの日、境内の裏。去っていく少女。そんなものばかりが目に浮かぶ。
「おい、お前ら。そいつをどうするつもりだ!」
 問う誠人に、黒服が答える。
「落ち着けよ、何も攫おうってわけじゃないんだ」
「そう、ただお屋敷に戻ってもらうだけさ」
 と、言いながら立ち去る。
 佐藤の顔は無表情、ただ諦めだけを浮かべて。
 ああ、またか。
 また俺は何もできないのか。
 フラッシュバック。祭りの日、境内の裏。去っていく少女。
 そう、結局は世の中。こんなもんなんだ。どうせ上手くいきっこなんか無い。
 あの日からずっと。そう思いながら、過ごしてきた。
 自問自答する誠人。
『おいおい三ツ木誠人。お前はそれでよかったのか?』
 ――いいはず無いだろう。
『それで? 今回はどうするんだ?』
 ――どうするったって……どうもできないじゃないか。
『本当に?』
 ――。
『本当に何も出来ないのか?』
 ――出来るだろうか? 俺に。
『知らん。でも、やってみなきゃわかんないだろ?』
 決意したように、立ち上がる誠人。
「ああ、そうだよな……!」
 そして、誠人は走り出した。

 黒服二人は佐藤をつれて大学を歩いている中。
 やたらとこちらに注目されている事に気づいた。
「なあ……なんか、俺たち。目立ってないか?」
「ああ、そうだな」
 嫌な汗をかきながら歩いている二人の前に、どピンクの半被を着た男たちがぞろぞろとやってくる。
「おい、いたぞっ!」
 と口々に言っては黒服たちの方へと向かってくる。
 何がなんだか判らず、慌てて逃げる黒服たち。
「……ど、どうなってんだ!」
「わからん」
 逃げようとする黒服たち、だが出口はもう封鎖されている。
 なんとか大学の広場へとたどり着く。
 が、そこも面白そうに見物している学生や、半被男たちに包囲されつつあった。
 そしてそこへ……恐ろしいものが現れたのだった。
 それは、巨大な神輿だった。
 いや、神輿というには余りに不自然な形状だ。
 なんせ、担ぎ上げたその上にはでっかいソファが載っているのだ。
 だがそんなことではない、真の恐怖はその色にあった。
 神輿は黒でも金でもない、どピンクに塗られていた。
 そしてそれを担ぐのは――どピンクの半被を着た、筋骨隆々の男達!
 そう、これが! ラヴ神輿である!!
 そしてその上に居るのは……。

 結:誠人の行動と、そして

 誠人は神輿の上に乗りながら、号令をかけた。
「目標、発見! 突撃ーー!!」
『うおおおおぉ!』
「ぎいゃぁぁあ」
 神輿を担いだ半被男たちが黒服たちに殺到する。
 地に伏した黒服が誠人に問いかける。
「……お前、自分が何をしようとしているのか判ってるのか!」
「ああ、無茶だって事くらいわかってるさ!」
 だけど、と続ける誠人。
「俺はこいつに、いや。こいつと一緒に行くって決めたんだ!!」
 そう言って誠人は、揺れる神輿の上から佐藤に手を伸ばす。
「行こうぜ、佐藤。……あの時の続きだ!」
「……うん!」
 手を取る佐藤。
「しっかし……これ、死ぬほど恥ずかしいな」
 歓声とともに揺れが激しくなる神輿の上で、ぎゅっと誠人にしがみつく佐藤。

 学園祭が無事に終わり、日はとっぷり暮れている。
 誠人と佐藤が大学から出ると、そこには黒服を着た男の集団が。
 じり、じりと詰め寄る男達。
 息を呑む誠人。
 そんな中、一人の執事服の男が前に進み出て。誠人に問いかける。
「覚悟は……できているのでしょうな」
「ああ、煮るなり焼くなりすればいいさ」
 それを聞くと執事服の男は……ぶわっと涙をあふれさせた。
「お嬢様……おめでとうございます!!」
「さあ! 矢でも鉄砲でもっ……て、え?」
「まさかこんな早くに、若旦那様が現れてくださるとはっ」
「え、えええ?」
 わけが判らないという誠人に、先ほどの黒服二人組が前に出てくる。
「おめでとうございます。お嬢様、そして若旦那様」
「……説明してくれ!」
 そう、黒服たちはなんていうこと無い、ただの佐藤家の使用人だった。
「ってことは俺のただの……勘違い?」
 呆然としながら呟く誠人。そして自分の行動を思い出す。

 ……回想。
「……お前、自分が何をしようとしている(佐藤とラヴ神輿にのる)のか判ってるのか!」
「ああ、無茶だって事くらいわかってるさ!」
 だけど、と続ける誠人。
「俺はこいつに、いや。こいつと一緒に行くって決めたんだ!!」

 誠人と佐藤とカップルになるということは。
 つまり、誠人が佐藤家の跡取りとなる。ということであった。
 なんか一生を決めてしまうようなことをしてしまった気がする。というか……。
 誠人は自分の腕に掴まっている少女を見た。
 グッバイ、俺の平凡な人生。

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