新作プロット:「異世界王女は俺の嫁!?」(仮)
お久しぶりです。
ここにいない間何をしていたかというと、
↓書いていました。はい。
多分来年の電撃用の作品になるかと思います。
まだ未完成ですけど。
それでは、どうぞー。
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○落ちバカップルもの(仮)
タイトル「異世界王女は俺の嫁!?」(仮)
今より少し未来のこと。
日本人の父親とアークシャードという異世界の大国の姫であった母親の間に生まれた、高校生二年生になる主人公、須賀悠人。
そんな春休みのある日、彼の前に突如として、アークシャードにある王国、タイクーン王国の姫で悠人の幼馴染で自称許婚のプリシア姫が、何故かウェディングドレス姿で、異世界間ゲートを通って、直接家にやってきた。
望まぬ相手との結婚式から逃れてきた彼女は、女神様に導かれるがまま、悠人の家に転移してきたのだという。
幼い頃、異世界でおきたとある事件により、母親を失うという辛い過去を持つ悠人は、一端はプリシアを拒絶しようとするが、結局二人(+メイドロボ)で暮らすことになった。
そしてその日を境に、悠人の暮らしは一変する。
実は異世界人(とのハーフ)の、悠人の女幼馴染香織、プリシアを追いかけて現れた、自称プリシアの婚約者を名乗る異世界の大国の皇太子ウィルヘルム、そしてしまいには魔王が降臨!?
次々と困難を乗り越え、結ばれた二人の前に最後に現れたのは、プリシアの両親の国王夫妻!
そのとき、二人の前に……。
◎登場人物
○主人公:須賀悠人
四月に高校二年生になる。16歳。
日本人と異世界人とのハーフ。
高身長、筋肉質。
短髪の黒髪で、一見大人しい面持ち。四角い眼鏡をかけている。
人間観察が得意で、洞察力が鋭い。
女好きで、女性には特に親切。中学生から学校の先生まで、恋人や女友達を幅広く持つ。
だがその女好きがあだとなり、プリシアが来て以降、ある意味で不幸の連続に陥ることになる(禁書の上条モード、ただしフラグは折らない(?))。
本性的には、苦労人で皮肉屋の面が強い。また様々な経験から、若いながらも現実主義者で、自分の理想を信じる綾音(プリシア)とは、時たま対立することもある。
キョン+上条+ガンスリのアレッサンドロ。
どちらかというと前線(現場)の司令官(指揮官)タイプ。
天才タイプで、なんでも一通りこなす。
HNやメールアドレスなどをいくつも持っている。
(MMO)RPG内や学園内外に多くの友達や恋人を持ち、いくつものクラブに所属しており(登録している程度のものだが)、MMORPG内のLS(あるいはクランやギルド)にもいくつか参加している。
人格的な仮面を何枚も持ち、それを人によって付け替える。
父親には反抗気味。
「(○○しておかないと)、飯がまずくなるからな」
「(○○しておかないと)、寝つきが悪くなるからな」
が口癖。
かつて、彼に色々なことを教えていた家庭教師のような存在の女性がいたようだが、今は何かがあって彼の元を去った模様だ。
家族は、異世界に召喚された勇者で、今はベンチャー系の大企業の社長を務める父、異世界の王女だった母(実は女神になった)、父と共に働く兄、グータラ女子大生の姉奈津美、悠人の父方の祖父母の元に預けられて暮らしている妹七美がいる。
異世界人の血が混じっているので魔法や特殊能力が使えるが、魔法などを使うと急速に体力(あるいは精神力)を消耗する(頭痛になったり、体調が悪くなる)。
他人の能力(覚えている魔法なども含む)を、自分のものとして使える特殊アビリティを持つ。
そのため、仲間がいればいるほど強くなる。
○ヒロイン:プリシア・メル・タイクーン(天宮綾音)
中世風の異世界「アークシャード」に存在する、タイクーン王国のお姫様。
父、母、皇太子の兄がいる。
地球人換算で16歳程度。
長い青系の黒髪を、頭の後ろでまとめたり、下ろしたり、ポニーテールにしたりする。
高身長、巨乳。巨尻。筋肉も結構ついている。
柔和で穏やか、それでいて気品あるお姫様な顔立ち。
それでいて芯はしっかりしており、まっすぐな性格。
良妻賢母タイプ。
理想主義者で、様々な現実を見た上でありながら、自分自身の持つ理想をまっすぐに信じる。そのため他人(特に悠人)と議論になり、ぶつかりやすい。
また、感情が高ぶりすぎると具合が悪くなって吐いてしまう。
主人(悠人)を立てるのがとても上手い。
悠人のことを「悠人様」と、つい呼んでしまう。
第三者と話すときは、悠人のことを「主人」と呼ぶ。
悠人のためなら身を捧げてしまう。
「天宮綾音」という地球名を持つ。その名前は悠人父につけてもらった。
その名前で悠人とメールのやり取りをしていた。(これはいらないかも)
(注:地球とアークシャードはゲートでつながっており、そこに電波などを通すことで通信している。また向こうでは古代の技術として、コンピューターやネットワークが残っている)
地球では自分のことを「綾音」と呼んで欲しいと思っている。
地球に来て以降は、誰かが姫のことを「プリシア」と呼ぶと、「プリシアではありません! 綾音です!」と怒ったりする。
冒険者としてのスキルを持ち、時々、名前と姿を変えて城を抜け出し、冒険者のお仕事をしていた。
男は悠人ひと筋だが、実は両刀使いで、女の子も好き。
(お付きの女の子と一緒に寝ていたら、いつのまにか手を出していた)。
悠人様に近寄る女の子は、すべて自分のものにするというポリシーで行動する。
○サブ主人公:ヤーズ帝国の皇太子
名前:ウィルヘルム・ヤーズ
十七歳。
金髪、碧眼。
顔もよく、文武両道だが、性格はわがままで強引。
両親、特に母親(皇后)から評価されず、認められたいがために、プリシアと結婚し、二国間の条約を結ばせようとした。
マザコン。
努力型のタイプだが、頑張りすぎて自滅したり、裏目に出たりする。
悠人の評価によると、未熟な点は多いものの、将来的には人の上に立つ器(将の上に立つ将)であることは確かなようだ。
プリシアとは、留学先のザウウェンの貴族学校での同級生。
見かけ上の仲としてはまんざらではなかったため、皇太子のほうが誤解して結婚しようとした、という事情もあるようだ。
プリシアを追って地球に来たものの、アストレイアに説教され挫折。
さらに魔王乱入時に犯した、重大な「規約違反」により地球に追放されることに。
しかしあきらめきれずに、プリシアを振り向かせようとして、悠人とくっつきたい幼馴染と利害が一致し、戦線を組むことになるが……。
自らが企んだ拉致(?)でプリシアの評価が最低値。しかし、彼女をあきらめきれず、汚名返上、名誉挽回、振り向いてもらいたいウィルヘルム皇太子。
実は密かに悠人のことが好きだが、ちかぢか告白をしようと思っていたが、プリシアという邪魔が入った幼馴染。
そこで幼馴染は自分への協力を条件に、皇太子に協力すると申し出る。
皇太子は悩んだ末、その条件を受け入れる。
こうして、奇妙な同居が始まり、お互いの願いを達成すべく、二人はあれこれ策を練り、実行しようとする。
○サブヒロイン:香織(仮:名前がまだ思いつかん……)
悠人の幼馴染。16歳。
悠人と同じく地球人と異世界人のハーフ。
両親と兄がいる。
ショート系の髪型。赤毛。
体育会系なので筋肉質な代わりに、やや貧乳。
基本的に赤魔道士、魔法戦士系の能力を持つ。
突っ込み系。男っぽいさばさばした性格。
ハリセンを召喚し、これで突っ込む。(突っ込む時にいつの間にか持っている)
それが王女であろうと皇太子であろうと。
悠人に気があり、悠人とくっつくために、帝国のウィルヘルム皇太子とタッグを組むが……。
○メイドロボ長:アストレイア
悠人の父がオーナーの、グループ会社が作ったメイドロボ(という触れ込み)。
高性能で、現在作られているメイドロボとは一線を画する性能を持つ。
実は悠人の母で、アークシャードの大国、ザウウェン皇国の元皇女。
ある事件により異世界アークシャードの魔法法則などを支配する「コンピューター(神)」となったが、地球側のサーバー群とネットワークをつなぎ、そこを通してメイドロボ型端末を操作し、悠人たちを見守っている。
ちなみに、地球とアークシャード間のゲートの制御なども行なっている。
悠人達に対しては、自らを「アストレイア《至高女神》の代理人」と称し、女神自身ではないと言っている。
「あらあら、うふふ」が口癖。
○なんでも系メイドロボ:ほーこ(仮)
これはスタンドアロン(ネット接続しているが)で動作するメイドロボ。
雑用担当。
見た目は天然系でほわほわした感じ。
「ですよ?」あるいは「ですよー」が口癖。
戦闘能力も一応持つ。
○セキュリティ系メイドロボ:310(サトー)さん
黒髪でちっこい。無表情。一見すると不思議系女の子。
世界中の軍事ネットワークと通じ、機械と心が通じ合う。
無口で、必要なことしか話さない。
○資料系メイドロボ:Hon8(ほんや)ちゃん
図書館やネット書店、古本屋などのネットワークとつながっているメイドロボ。
外見はメガネで大人しそうな女の子。
悠人の様々な調べものの手助けをする。
また戦闘能力も持つ。
○料理系メイドロボ:
○掃除・洗濯系メイドロボ:
○プリシアの従者(護衛)
・戦士
・スカウト(シーフ)
・魔道士
・アコライト
プリシアの従者か、プリシアが通う魔法学園のクラスメイトの女の子たち。
悠人とプリシアたちを護衛するため、女神アストレイアにより召喚される。
プリシアの夜伽の相手。
○皇子の母親(ヤーズ帝国皇妃)
名前:フィリア・ヤーズ
ヤーズ帝国の皇妃。
スパルタママ。
元とある国の王女で、皇室に嫁いできた。
あまりにも、「息子を立派な皇帝にする」という使命感に燃えすぎていたため、厳しすぎる目で息子を見ていた。
そのため、彼が疲れているのに気づかなかった。
○ロリ魔王
見かけはFFXIの闇王みたいな感じだが、実はロリな女の子。
紙の色はピンクブロンド。
強気だが不測の事態になると慌てやすい。
魔法のパワードスーツを装備し、いかにも魔王、という姿をしていた。
魔王というよりは魔族の貴族に近い。
誰かの生き別れの妹とか?(元ネタのラオグリムみたいな感じで)
○デーモン軍団
実はロリ魔王の監視役
アルカナデーモンと呼ばれ、四人(体?)いる。
○悠人父
名前:須賀和馬
日本人。
昔勇者として異世界に召喚され、大活躍し、英雄と呼ばれる。
ゼンガー+メタルウルフカオス大統領みたいな顔立ちと性格。
熱血バカ。
○プリシアパパ(タイクーン王)
名前:ラディンス・メル・タイクーン
プリシアの父親であり、タイクーン国王。
悠人父とはかつての戦友。
ヤーズ帝国との友好条約交渉中に、帝国の皇太子に娘のプリシア王女をさらわれ、政治上、自ら(国)は動けないため、魔王を雇って奪還し、そのあとで魔王を処分しようとするなど、黒い面もある。
しかし娘バカで、娘に逆らわれたりすると慌てる一面も持つ。
○プリシアママ(タイクーン王妃)
名前:カレリア・フィメル・タイクーン
プリシアの母親であり、タイクーン王妃。
こちらも悠人父とはかつての戦友。
少々頭の固い父親と異なり、プリシアを理解している。
◎構成
○第一章:プリシア姫来襲。VS近所の幼馴染。
○第二章:プリシア姫VS幼馴染
○第三章:プリシアの結婚相手の、ヤーズ帝国のウィルヘルム皇太子襲来。
皇太子はそのまま地球に残ることに。
○第四章:皇太子&幼馴染の思い人振り向かせ大作戦。
○第五章:魔王(実はロリ少女)襲来。
○第六章:プリシアの両親(タイクーン王国国王・王妃)襲来。家族会議な。
○エンディング:須賀家の日常。
○第一章:プリシア姫、襲来
「悠人さま、なんですか……!?」
高校生の主人公、須賀悠人の前に、光と共に現れた少女。
彼女は、ウェディングドレスを何故か身にまとっていた。
少女にいきなり抱きついてこられ、悠人は困惑するのであった。
シーンは少し戻って。
春休み中のある日の午後。
悠人は、自分の部屋でパソコンのゲームをしていた。
数台のモニタやキーボード、コントローラーの周りには、ライトノベルや漫画の単行本が無造作に置かれていた。
黒いマントを着込んだ少女が表紙の文庫や、奇妙な杖を持った黒い服の男が表紙の文庫とかが、本の山の上におかれている。
ゲームは、MMORPG。
父親、和馬の持つグループ会社が作ったMMORPG『グランファンタジア』。
世界的に人気のあるゲームだ。
悠人はゲーム内でイベントを開いて、それを終えた後だった。
:イベントお疲れ様でしたー。
:どうもー。
:またこういう楽しいイベント開いてくださいねー。
:あいあいー。
チャットでフレンドたちと会話をしたあと、ログアウトする悠人。
そのゲーム世界のモデルは、実在する世界だった。
悠人の父、和馬は、かつてその「アークシャード」と呼ばれる異世界に召喚された。
父は勇者として大活躍し、その大国のお姫様と結婚した。
そして、悠人ら子供たちをもうけた。
しかし、母親はもうこの世にはいない。
小さい頃にいなくなったため、はっきりとは覚えていない。
でも、彼にとっては、悲しいできごとだった。
色々なことを思い出しながら一息ついた悠人に、メイドロボ、ほーこ(仮)がお茶を入れる。
「お茶をどうぞですよ?」
「ああ」
そんな時、父親の和馬から、携帯にメールが届いた。
着信音はメタリカのリベラのテーマ曲。
「ちょっとそっちにお客様が行く。詳しいことは彼女から聞け。以上」
(お客様!? 彼女!?)
と思う間もなく。
部屋に、輝く文字で形作られた輪がいくつも重なって形作られた光の球が、突如として現れた。
「こ、こいつは……!?」
その中から出てきたのは、ウェディングドレス姿の女の子。
(女の子(プリシア)の描写)
(冒頭のシーンに戻る)
(こっ、こんなかわいい女の子、いるわけがないっ……!)
「ふつつかものですが、これからよろしくお願いいたします」
出てくるなり少女に三つ指つかれて挨拶される悠人。
最初は困惑する悠人だったが、少女のある言葉をきっかけに、彼女のことを思い出す。
小学校に入る頃までにいた、異世界「アークシャード」で一緒にいた女の子の一人の、
「ぷ、プリシア……!? あの、タイクーンの……!?」
「やっぱり……、そうなんですね……、悠人さま!」
彼女はアークシャードのザウウェン連合皇国の一領土、タイクーン王国の王女、プリシア姫であった。
悠人はお互い落ち着かせると、その姿を一目見て、
「むりやり結婚をされそうになって、逃げ出そうとした時に何者かの襲撃があって、その混乱の最中に逃げ出した、ってところだな」
「えっ、どうしてそんなことが分かるんです……?」
「ま、これが俺様の才能だからな」
「詳しく解説するとだ」
悠人が理由(ドレスの汚れなど)を告げると、
プリシアは訳を話し始めた。
「実は、ヤーズ帝国の皇太子ウィルヘルム殿下に、休息日に遊びに行かないかと誘われたんです」
「彼とは同じ貴族学校に通っていて、友達としてはまんざらでもなかったし、今までも他の友達と一緒に色々な場所に遊びに行ったりしていたことも多かったので、つい、はいと言ってしまったんです」
「そうしたら王国の首都の大使館に連れて行かれて、大使館の敷地内の教会で結婚式を挙げようと言われたんです。そのとき気がつきました。わたし、彼に騙されたんだと」
「で、ウェディングドレスを着せられたというわけだな」
「ええ。嫌でしたが、逃げる隙も見当たらなかったので、仕方なく……」
「で、控え室で待っていたら、そこに何故か魔王軍団が襲来して……」
「魔王がタイミングよく?」
「はい」
「外に出てみると、魔王とその手下のデーモンが、ヤーズ大使館を襲っていたんです。上空に黒々として、筋肉が隆々とした、凶悪な顔の巨大な魔王が。
そこで、親衛隊の騎士や、ウィルも魔王たちと戦っていました。……、でも、奇妙だったんです。二つほど」
「奇妙?」
「一つは、魔王だったらヤーズ大使館だけでなく、フィーンの城下町も襲ってよかったはず。しかし、狙っていたのは、わたしがいる大使館だけでした」
「ふうむ。……二つ目は?」
「ウィル……、皇太子の強さでした」
「皇太子の強さ?」
「普通、魔王一人に人間がかなうはずはないのですが、ウィルは魔王と一人で渡り合っていたんです」
「ソロで魔王と?」
「資格はないはずなのに、手には、伝説級の剣《レリック》を持っていて、礼服だったのに魔王の攻撃も受け付けないんです。あと魔法も使わずに空を飛んでいたりして……」
「ふむん」
「学校の体育教練などで、ウィルが剣術の試合をしているところを何度も見ております。
彼はそれなりに技量はあるお方なんですが、あそこまで強いとは、わたしには思えません」
「……それはチートだろうな」
「チート?」
「ずる、の意味だ。こっちのゲーム用語で、プログラムを改変してプレイヤーキャラを無敵にしたりすることさ」
「……ちょっとよくわかりませんが、ウィルはずるをしていたというわけなんですね?」
「そうだ」
「……ウィルがそんなことをする人だったなんて! 本当に最低です!」
「おいおい。そこまで怒るなよ? 皇太子はお前を守ろうと、チートしたかもしれないんだぜ?」
「そうですが、そうならばずるをせずに、正々堂々と戦ってもらいたかったです! そもそも、魔王の来襲自体がやらせという可能性があるじゃないですか!」
「た、たしかにな……」
「そうだとしたらますますゆる……うぐっ!」
「お、おい!? どうした!?」
口を手で押さえるプリシア。
どうやら、興奮しすぎて吐きそうになったらしい。
悠人はあわてて彼女を洗面所に連れてゆき、吐かせる。
「……落ち着いたか」
「……は、はい」
「まったく。お姫様なんだから、そんなに興奮するもんじゃないぞ」
「申し訳ありません……」
「で、話の続きなんだが。それからどうやってこっちに来たんだ?」
「ええ、そうでした」
「その混乱の最中、わたしが逃げ回っているところに、女神アストレイアさまから問いかけがあったのです。
『プリシア、あなたの行きたい場所へ連れて行ってあげます』と。
そう、おっしゃられるなり、目の前に『門』が開いたので、私が飛び込んでみたら、そうしたら、ここに……」
「それで、こっちに来たのか……」
「はい」
(しかし、女神の一言って……)
「そしてこうおっしゃられました、勇者である悠人様を手助けして欲しい、と」
そして自分をかくまってほしい、そのかわり、勇者さまの手助けをなんでもいたします、とプリシアに頼まれる。
「やれやれ、俺が勇者だから、か……」
そう言うと悠人はいきなり黙り込んでしまう。
「……」
「どう、なされました……?」
母親を、向こうの世界の責任で「亡くした」(と悠人自身は思っている)といった過去の辛い思い出を思い出し、迷う悠人。
だが。そのとき。
父親から、突然電話が来た。
携帯に出ると、
「プリシア姫はそちらにいるな? なら、彼女をそっちで預かってほしい。というか預かれ」
と、短く用件を伝えた。
「ちょ、ちょっと待てよ……!」
「分・か・っ・た・な・?」
「お、おいっ……!」
「問答無用!」
ぷつり。
ぷーっ。ぷーっ。ぷーっ……。
悠人の反論も聞かず、電話は一方的に切れた。
「……(ちっ)」
(……選択肢は残ってねー、というか、一つだけじゃねーか)
考えた末悠人は、こう言う。
「……分かった。ここにいてもいい。兄貴たちも今はいないしな。ま、迷惑はかけるなよ?」
「は……、はいっ!」
「だがな、守ってもらうばかりではすまんぞ。お前はさっき、自分でこう言ったな? 『勇者さまの手助けをなんでもいたします』と」
「はい」
「でだ。俺からは三つある。一つは、俺が手伝ったり、教えて欲しいと言ったら、そうして欲しい」
「無理とは言わない。できる範囲でやってくれ。お前がまだ地球に不慣れなのはわかっているからな」
「二つ目に、自分がやれることは自分でしろよ? どうやらお前は見かけ以上に、色々なことができそうだからな。自分のできることは自分でしてくれ」
「で、三つ目だが、できないことは素直にできないと言えよ?」
「できないことを無理にしようとしても迷惑なだけだし、それに、うちにはメイドロボが何体もいるからな。たいていのことは彼女らに任せておけばいい。だからといって、自分でできることを彼女らに頼るなよ? ま、そこらへんは、自分で考えろ」
結局プリシアはここでしばらく暮らす事になる。
「うれしい……!」
「うわっ……! なっ……!?」
いきなり悠人がプリシアに抱きつかれ、ふらついて押し倒してしまった瞬間、
ばたん、とドアが開き、
「ゆう、と、くん……?」
「かお、り……?」
ってな感じで次に続く。
◎第二章:姫VS幼馴染のクラスメイト。
「なんで女の子があんたの家にいるのよ! しかも抱き合ったりしてて! ……あんた、本当にムッツリスケベなのね! この浮気者!」
「ちょっと待て! 大体お前が恋人だと思ったことは一度もねーっつうの! ただの幼馴染だろ!?」
「な、なっっ!?」
「……まあ落ち着け。第一この女の子はだな、アークシャードという異世界のお姫様だ。ちょっと、とある事情があってこっちに来たんだ」
「異世界!? んなわけあるの!?」
「本当だ! 信じろよ! というかお前も知ってるだろ!?」
「……ええい問答無用! 殴らせろ!」
「ままま待ってください!」
「ちょ、ちちちょっと、抱きついて押し倒さないで! わかったから! わかったから!」
「わたくしは本当にザウウェンから来たんです! 信じてください!」
「あ、ああんっ! 信じるから、あちこち撫でるのやめてよ! やめてったら! ああんっ!」
「は、はい……」
(感じたな、こりゃ……)
はぁ、はぁ、はぁ……。
「落ち着いたか?」
「う、うん……」
「で、ザウウェンから……。あ。もしかして……、貴女はプリシア姫様?」
「……ええ、そうでございますけど」
「ウェディングドレスなんかお召しになって、訳ありな様子ね?」
「……え、ええ」
「そこらへんは俺から説明する」
悠人がかいつまんで説明してやると、
「へー、なるほど。それでこんな姿で、地球にやってきたと言うわけね」
「 」
「……そう言えば、この人、何故わたくしの話をあっさり受け入れているんですか? 地球の人なのに?」
「あー、それはな」
続けようとした悠人の言葉を、香織は遮り、
「こー見えても、あたし、アークシャード人なのよ。……ただし、ハーフだけどね。母親が向こうの人なのよ」
と胸を張った。
「無い胸をえらそうに張るな」
「こらー! そんなこと言わないのっ!!」
「悠人のお父さんの仲間の一人が、あたしの母親だったのよねー」
「そうなんですか……」
さらに胸を張る香織。
ここでメイド長のアストレイアが部屋に入ってくる。
「ようこそ、地球へ。プリシア姫様」
「あらあら、早速仲の良いことで」
「そう言えば、お前の方も、言葉が普通にわかるみたいだし、こっちの常識も普通にあるみたいだが?」
「はい、私もよくわからないんですが……」
「ゲートを通るときに、ゲートを管理されている至高女神のアストレイア様が、こちらの言葉や知識などを、脳に直接授けてくれましたので……」
「なるほどな……」
(つまり『条件付け』って奴だな……)
「って、そう言えばアストレイア。お前も『アストレイア』だな。もしかして、お前は『至高女神』なのか?」
「いいえ。わたくしはアストレイアの代理人のマトンにすぎません。わたしはアストレイア地震ではありませんわ」
メイドマトンのアストレイアはそう言ってにこっ、と微笑んだ。
「ふーん……」
(母さんじゃ、ないのか……)
(第一の着替えタイミング)
「ま、その格好のままでいるのもなんだろうし、着替えて来い」
「え……。マトンのほかは、悠人様お一人のようですが?」
「東京の大学に行っている姉貴の部屋に、女物の服や下着がいっぱいある。見たところ姉貴と体格が似ているようだから、着ても大丈夫だろう。しばらくはそれで過ごせ」
「姉貴の部屋に行こう。アストレイアも手伝え」
「はい、悠人様」
「了承」
二階に上がって姉の部屋に来るなり、おもむろにウェディングドレスを脱ごうとするプリシア。
「えーと、これはどうやって脱ぐんでしたっけ……?」
「おおい、ちょっと待て! 男が部屋にいるのに服を脱ごうとしていいのか!?」
「私、冒険者のふりをして冒険とかしていましたけど、殿方のそばで着替えたり着替えるのはしょっちゅうでしたので……」
「ここ《地球》とそこ《タイクーン》とでは常識が違うっつーの! ……アストレイア、後は頼んだぞ!」
そう言うなり、悠人は部屋を飛び出して、ドアを慌てて閉じた。
(やれやれ……。天然はこれだから、困るっつーの)
先が思いやられるな、と思いつつ悠人は、白い廊下の壁にもたれかかるなり、天井を見上げ、大きく溜息をつき、それから頭を下げた。
数分後。
奈津美の部屋のドアが開いた。
中から、奈津美の私服に着替え終えたプリシアが、アストレイアを連れて部屋を出てきた。
悠人は再び顔を上げると、プリシアを一目見た。
(プリシアの服の描写)
「ああ、似合ってるじゃねーか。今度外に出かけたときに、こういうの買いに行こうぜ」
「は、はい! ありがとうございます。悠人さま」
リビングに戻ると、
「……」
「なんだ? 香織? プリシアの胸をじろじろ見て?」
「……ははーん。さては『あたしより、胸が大きいなんて! く、くやしいけど、認めちゃう! ビクンビクン』とか思ってんだな!?」
「前半は認めるけど後半部分は思ってなーい!!」
「プリシアの胸が大きいことは認めるんだな」
「……ほ、ほら、姫様が真っ赤になっているじゃないの! セクハラ発言もそれくらいにしなさいっ!」
「話をそらすな。ま、そもそも胸が大きいと思っていたのはお前だがな」
「あ、あんたねぇ……。ま、まあいいわ」
いろいろあって、ほっと一息ついた、そのときだった。
○第三章:VS大国の皇子戦
突如として家の中でまた、光球が輝き、ゲートが開いた。
そこから現れたのは、金髪の、高貴そうな顔立ちをした男の子。
その男子はあたりをきょろきょろ。
彼を見たプリシアは、顔をこわばらせ、悠人の後ろに隠れる。
「ウィル、なんであなたが……!?」
そしてメイドロボ長のアストレイアは、かれの前に立つなり満面の笑みでこう言った。
「どうしてここに来た(あるいは「呼ばれた」)かわかりますね?」
(あるいは「何故ここに転送されたかおわかりになりますでしょうか?」とか)
「え……?」
メイドの言葉に、悠人は内心突っ込んだ。
(FFXIのGMかよ!? しかも説教部屋!?)
二人で会話を続けようとするが、悠人はそれをさえぎる。
「ちょっと待て。お前は誰だ?」
彼はどうやら、プリシアと結婚するはずだった、ヤーズ帝国のウィルヘルム皇太子らしい。
皇太子とプリシアの二人に話を聞いてみると……。
基本的にはプリシアの話と一緒で、プリシアを騙して大使館に連れて行き、結婚式を挙げさせようとしたらしい。
しかし、その寸前に大使館に魔王軍団が襲来。
その混乱の最中、プリシアが消え、皇太子が探していた最中に、この世界に飛ばされてきた、ということらしい。
プリシアと一緒に帰ろうとするウィルヘルム。嫌がるプリシア。
「プリシア、君はギアスにかかっている! 自分自身でそいつを好きだと呪いをかけているんだ!」
「そんなはずはないです! わたくしは心から悠人様を愛しているんです!」
そんな皇太子に、メイド長のアストレイアが大説教開始。
「ウィルヘルム皇太子殿下、そもそもこの世界へ殿下がいらっしゃった理由は」
「殿下が神(神々)のお怒りに触れ、この世界へ殿下を追放したためです」
「えっ……!?」
「なっ、何故……!?」
「第一に、お相手の意に沿わぬ結婚を、強引にお進めになったからです」
もう一つ大きな理由を告げるアストレイア。
それは、アークシャードの世界の「規約」に触れるようなことをしたことだった。
殺人など、人間の法に触れるわけではないが、「世界」の法である「規約」に触れる大きな違反をした。
(例えば、
封印魔法を解いてしまった。
レリック武器をRMT(違法取引)で購入した。しかもレベルが足りていないのに。
世界のプログラム(魔法など)を改変した。
自分をチートした。
規約に違反する強力な魔法などを作ってしまった。
情報を改変するツールを使った。
など)
魔王が結婚式に襲来した際、プリシアにいいところを見せようと、それらの合わせ技を使い、魔王らを撃退したはいいが、重大な規約違反とみなされて地球に飛ばされたのだ。
「な、なんだって……!?」
(やれやれ、やっぱりチートが理由だったんだな……)
悠人は一人、溜息をついた。
「ウィルヘルム殿下、あなたはご両親、とくに皇后様から愛されていないと感じておられるのではないですか?」
「なっ、何を……!?」
実は皇帝になるためのスパルタ式の教育を受けていた皇太子。
それでも母親の皇后に認めてもらえず、功をあせった皇太子は、当時難航していたヤーズ帝国とタイクーン王国との友好条約を進めるためプリシアと強引に結婚し、友好条約を成立させようとしたのだ。
皇太子の母親(皇后)を「神(アストレイア)」が召喚。
「こ、ここは……」
「ここは地球でございます。皇后陛下」
皇后と皇太子はアストレイアに説教されて、皇后は帰っていたのだが。
「神々」は皇太子を、相手(プリシア)が望まぬ結婚を強引に推し進めようとした罪と、アークシャードにおける「規約」違反の罰として、皇太子を地球に追放することを決定した。
しかし、ウィルヘルムが地球にいることをプリシアは嫌がる。
「なんで『この人』と一緒にいなければならないんですか!?」
「こっ、『この人』!?」
彼女を説得する、メイド長で至高女神の代理人、アストレイア。
「しかし、ほかに地球で暮らせるところもありませんが故、姫様には我慢してもらわないと……」
「せめて、この人と一緒に暮らさなければいいのですが……」
その現状を見かねて、ウィルヘルムを香織が預かると言い出し、彼女の家にホームステイ(居候)することになる。
「……わかったわ。皇太子は、私が預かる」
「香織!?」
「えっ、ええっ!?」
「わたしもあんたと同じで、親はいないことが多いし、兄貴は東京でアパート暮らしだし、現状、あたし一人で暮らしてるようなものだもの。ちょうどよかったわ」
それにね。もう一つ、理由があるんだけどね。というような言いたげな顔を彼女はしていた。 が、悠人には、その内容は読み取れず、内心首をひねる。
「姫、必ず君の呪いを解いてあげるよ~」
「じゃ、お邪魔しました~」
幼馴染に引きずられて家を去るウィルヘルム皇太子。
「……」
「……」
ウィルヘルム皇太子を家に連れてきた香織は、ある告白をする。
「実はね、殿下を預かったのは、理由がありまして……」
「なんだ?」
「実は私、前々から好きな人がいるの」
「誰じゃ?」
「いいから話をお聞きになって」
無礼な奴だな、とウィルは思ったが、彼女のなんとも言いえぬ迫力に、今は黙ることにした。
「
実は自分は悠人のことが好きで、ちかぢか告白をしようと思っていたのだが、プリシアの出現により邪魔が入った。
そこで自分への協力を交換条件に、皇太子に協力すると申し出る。
「朕《ボク》にそれを協力しろと?」
皇太子は悩んだ末、その条件をしぶしぶ(あるいは、香織におだてられて嬉々として)受け入れる。
こうして、奇妙な同居が始まった。
「あたしのことは、これから『隊長(あるいは師匠)』と呼びなさい! いいわね!?」
ウィルをべしべしハリセンで叩きまくる香織。
初めは抵抗していたが、ハリセンで叩かれまくるうちにMモードに突入。受け入れてしまう。
一方、悠人の家では。
(第二の着替えタイミング)
「もう、最低です! やっぱりウィルがひどい人だったなんて!」
「まあ、あいつをそう悪く言うな」
「あいつは……、ちょっと一生懸命頑張りすぎただけだ」
「悠人様はひどいと思わないんですか!? 無理やり政略結婚しようとするなんて! しかも世界規約の重大な違反を犯したんですよ!」
「……まあな。もちろんひどいとは思ってる。だがな」
「あっちにはあっちの正義《言い訳》があって、こっちにはこっちの正義《言い訳》があるつーの。
それがぶつかり合うから、争いが起こるんだよ。お姫様のお前にも、いや、お前だからそれくらい解るよな?」
「ですけど……!」
「そんなに興奮すると、また吐くぞ?」
「吐きませんっ!」
「ちょっと気分直してきます!」
「おい、ちょっと!」
「……なんだ、ありゃ」
興奮しすぎて、トイレに行くなりプリシアはまた吐いてしまう。
「でも……、私は……」
そして勇人のところに帰ってくるなり、
「その調子だと、また吐いてきたな?」
そう、切り込まれた。
「……」
「だからあまり興奮するな。気持ちは分かるがな」
「わたくしは、ウィルの言うとおり、呪いにかけられているのでしょうか……?」
「それが呪いかどうかはともかくとして、今感じているものが、今のお前の気持ちさ。それに素直に従えばいーんだよ」
「はい……」
(だが、実際気になるがな……。プリシアが自分で言っている通り、誰かに、俺を好きになる呪いをかけられてるんじゃねーのか?)
「ところで気になることが、一つあるんだが、」
「はい?」
「ご両親は結婚式にご出席されていなかったのか?」
「ええ……。もちろん新婦の両親ですから、招待状は送ったと皇太子はおっしゃってたのですが……。もしかして」
「……もしかしてお父様は、魔王の襲撃を予測してた、とか?」
「……それだったらいーんだが、な」
「あと、もう一つ質問がある」
「なんでございましょうか? 悠人様」
「『女神』がお前をこっちに飛ばしたといっていたな。誰がそれを依頼した? お前の親父か?」
「いえ、どうやらアストレイア様自身の御意思で、私をあそこから飛ばしたのだと思いますが……」
「そうか……」
「何をお考えになられているのですか?」
「いや、こっちの話だ。それよりも、」
「……はい、なんでございましょうか? 悠人様」
「俺のことは『悠人様』じゃなく『悠人さん』、もしくは『悠人』と呼び捨てでいい。俺は『様』なんてがらじゃねぇ」
「はい、わかりました。悠人さま《・・》」
「……」
「……」
「わたくしからも一つよろしいですか? 悠人さ……、さん」
「なんだ?」
「わたくしのことを、これからはプリシアではなく、綾音とお呼びください」
「なんだその名前は?」
「はい、わたくしが生まれたときに、和馬さまがお付けになった地球名だそうです。フルネームは『天宮綾音』と申します」
「……親父が名付け親か。……まー、いい名前だと思うぞ」
「はい、ありがとうございます」
「さて飯にするか。家に飯のストックはいっぱいあるから、買い物しなくても大丈夫だろ」
こうして二人の最初の夜は過ぎていくのであった。
悠人は自分の部屋で、MMORPGのフレンドやリアルの友人たちとチャット。
Trsix:実は……、家で女の子を預かることになってな
:な、なんだってーーーーー!!?
:なにぃ!?
:Ω ΩΩΩ<な、なんだってーーーーー!!?
:
Trsix:おいおい、そんなに驚くことか?
女のフレンドから、
:……悠人、あんたは私の殺したいリスト第三位に入ったわ。
(第一位と第二位は一体誰だよ!?)
プリシアは、客用の寝室(ゲストルーム)で、リンクシェルか携帯のようなもので、アークシャード(ザウウェン)にいる友人・侍女たちと会話(チャット)。
(シャドウロード(魔王・魔神)の存在と、正体についての伏線を出しておく)
「父上は何故、こちらに迎えにこられないの?」
「実は……、魔王の追跡の陣頭指揮に、ヤーズ帝国の皇妃や、皇王様との会談などがたてづづけに入られておりまして、すぐにはお動きになられる状態ではないそうです」
「それに今回の件で周辺国家の動きも急になりましたし……」
「陛下はプリシア様が、大勇者さまとアストレイアさまの保護下におられると聞いて、安心しておられるようではありますが……」
「そう、ですか……」
○第四章:皇太子と幼馴染のとらドラ大作戦!(仮)
次の日の朝。
悠人はプリシア(綾音)に起こされる。
「起きてください、悠人さま……、さん」
まだ呼び名には慣れないようだ。
メイドたちの手伝いもあって、色々な家事をこなしていく。
朝起こしたり、ご飯を作ったり。
「意外と……、と言ってはいけないと思うが、お前、料理作れるんだな」
「ええ、こういった家事に慣れておりますので。見かけによらないでしょ?」
「どこで覚えた? 城の厨房とかか?」
「じつは、こう見えても冒険者家業もしているんです。ほとんどのお城の方には秘密にしていますけど。名前を変えたり、見かけを変えたりして」
「へー」
「その関係で、よく野外で食事を作っていたので……」
「なるほどな」
「でも、そのおかげで宮廷料理よりも冒険者料理とか家庭料理の方に、舌が慣れてしまって……。ああいう仰仰とした料理、苦手なんです」
そういって綾音は小さく舌を出した。
「いいことじゃねぇのか? 色んな味を知っているというのは、悪いことじゃねーと思うぞ」
その一生懸命さに、悠人はプリシアにじょじょに惹かれていく。
(思い出すな、五歳の頃を……。あの時も……)
フラッシュバック。
母親のことも思い出してしまい、少し暗い顔になる悠人。
一方ウィルヘルム皇太子と香織は、香織の家で朝食を食べつつ、作戦会議。
自らが企んだ政略結婚で、プリシアの評価が最低値。
しかし、彼女をあきらめきれず、汚名返上、名誉挽回して一緒になりたいウィルヘルム。
実は密かに悠人のことが好きだが、告白直前、プリシアという邪魔が入った香織。
お互いの願いを達成すべく、二人はあれこれ策を練り、実行しようとする。
「で、どうするんですか隊長?」
「……まずは、この作戦よ! 題して『自分の得意なことで差を見せ付けちゃおう大作戦』!」
「な、長いっすね……」
作戦を練り終わり、ウィルと香織が悠人の家に遊びに来た。
そして作戦を実行する。
しかし策を実行するごとに、悠人と綾音(プリシア)の仲は深まっていく。
皇太子たちが予想した展開と、逆になるパターン。
それにあせる二人。
悠人が地下のジムで(地下にはこのほかに、リビングや予備の寝室、宝物庫(倉庫)やサーバールーム、発電機などがあり、シェルターとしても使用できる。という説明を悠人と綾音の会話でする)トレーニングをしているところに、ウィルヘルムが剣術の試合とかを悠人に申し込んで、対戦し勝つものの、逆に綾音にひいきされ、今度は綾音に試合を申し込まれてコテンパンに負けるといった展開。
ウィルヘルムのやることなすことが裏目に出る展開。
「プリシア、それは……」
「プリシアではありません! 綾音です! あ・や・ね!」
どこか別の部屋に行って作戦を練り直す二人。
「やっぱりインパクト強い作戦は無理だったか……。こうなったら地道にいくわよ! 部下一号!」
「はい! たいちょー! ……で、次はどうするんですか?」
すっかり自分の地位に慣れてしまっているウィルヘルムであった。
今度は地道にプリシアや悠人の手伝いとかをして、一つずつ好印象を積み重ねていこうという作戦。
しかしこれもうまくいかず。
そんなウィルヘルムと香織を見て、悠人が不思議そうに、
「あいつらなにやってんだ?」
と首をかしげ、綾音も、
「さあ?」
同じ角度で同じように首をかしげた。
部屋に綾音を誘い、MMORPGをプレイする悠人。
悠人のプレイに興味を持つ綾音。
MMORPGの説明などをする悠人。
肩を並べてMMORPGをプレイする二人。
「こ、こう……?」
「うん、いい感じだ」
:
それに割って入って、いいところを見せようとするウィルヘルム&香織。
しかし、結局二人の邪魔になってしまう。
いろいろあって、どの作戦も結局逆効果に終わり、疲労困憊して家路に着くウィルヘルム皇太子と香織。
二人は気づかなかったが、その上空に、怪しい影が浮かんでいた。
その影は、誰かと連絡を取る。
夕食の後、再びチャット(MMORPG)をする悠人。
チャットの内容は今日あった出来事が主。
それで男性陣、女性陣両方からの嫉妬度がアップ。
:……悠人、あんたは私の殺したいリストで二位タイになったわ。
(だから、一位と他の二位は誰だよ!?)
軽くプレイした後、風呂に入るが、何故か綾音も一緒に入ってくる。
キャハハウフフな展開。
(このシーンなし? あるいは変える)
(寝るときのエピソードが欲しい)
(ここではないかもしれないけど、こういうエピソードが欲しい)
悠人に自分の国、タイクーンと、タイクーンが属する、ザウウェン連合皇国の話をする綾音。
そこでは差別が厳しく、種族や階級が細かく定められているのだという。
下の階級の人間は、上の階級からは「モノ」や「違う生き物」として扱われ、また、王族や貴族の女性は、閨閥のための「道具」として扱われるのだという。
それでも悠人の父和馬が活躍してからは、差別もかなりゆるくなったのだという。
また、基本的に男より女の方が魔法、あるいは特殊能力に優れている。
「間違っているのは、わたくしでしょうか、それとも、世界なのでしょうか……?」
「それを決めるのは、お前や周りの人たち次第だな。俺からは、どうにも言えんが……」
「だが一つだけ言えるな。お前が正しいと思うとおりにやればよいさ」
○第五章:勇者軍団VS魔王戦
その次の日。
再び悠人・プリシア振り向かせ作戦(地道モード)を実行中の、ウィルヘルム&香織コンビ。
しかしいつもの通り裏目に出る。
悠人と綾音の仲は、ますます仲良くなっていく。
綾音に魔法とかアビリティを教えてもらう悠人。
アークシャード世界の説明。
「アークシャードというのは、一つの世界だけでは成り立っているわけではないんです。様々な『世界』の集合体。それが、アークシャードなんです。だから、アークシャードは『シャーズ』とも呼ばれるんです。世界のかけらの、集まり」
「それがアークシャードというわけか」
家の中にアストレイア、あるいは他の神の力により作り出された、仮想空間(エミュレーション領域)の中で魔法の練習をする二人。
「これは……」
「『領域』。神様がお作りになった、もう一つの世界。現実と架空の間に存在する空間です」
この空間の中では、魔法の力や法則が働き、架空のものが現実化することが可能なのだという。
また、この領域と現実世界、あるいは他の世界とつなげたり、融合することもできるという。
(実際に架空の存在(ゲーム内のキャラとか)を出してもらったり)
魔法の練習として簡単な錬金術を。
色々作る中、一組の指輪を作る。
練習中に、悠人が近くにいる他人のアビリティや魔法を使えることが発覚する。
魔法を使うと、ちょっと具合が悪くなる悠人。
その様子を心配する綾音。
(伏線)
「むつまじい感じですよー」
「そうですねー」
そんなことを言い合うメイドロボたち。
「あたしたち……、負けっぱなしだね……」
「そうっすね……、隊長……」
一方で、ぐてーとしてリビングのテーブルに突っ伏す、ウィルヘルム皇太子&幼馴染。
こちらはこちらで、連帯感が生まれているようだ。
「こっちも仲いいですよー」
「そうですねー」
そんな時。
悠人の家の上空に、今までとは違った黒いゲートが現れる。
家から悠人達が飛び出すと、そこに現れたのは、人の形をした異形の怪物。
その姿は、魔神そのものだった。
「あんた……、まさか『魔神』ってやつ!?」
『その通りよ』
『大人しくプリシア姫を渡しなさい。そうすれば、何も危害は加えないわ』
(……? この口調?)
違和感を感じる悠人。
男を上げようとウィルが突撃するが、返り討ちに。
「チートもないのに突っ込むから……」
いったんは、アストレイアが追い払う。
「なんでメイドロボにこんな能力があるのよ!?」
「俺に聞くな!」
「あのオートマトンの方、『アストレイア《至高女神》様の代理人』と、おっしゃっておられましたし……」
(名前が同じなのが、あれだがな……)
何か対策をと悩む悠人たち。
そこでメイドロボ長のアストレイアは、一同を家の地下室の一角へと案内する。
そこには……。
「これ……、レリック武器(あるいは魔法の武器)やアーティファクト防具じゃない!?」
「親父のコレクションだ」
「こ、コレクション……」
「子会社でネトゲを作る際の、資料にしたとか言ってたな」
「そう言えば、大勇者さまは、いくつもの伝説級の武器を使いこなしていたという逸話がありましたね……」
「魔法の武器(レリック)といっても、本物じゃないんですの。でも、性能は一部を除けば本物とほぼ同じ。誰にでも使えるというのが、最大の特徴ですの」
そのとき、悠人か綾音が、あることを思い出してもう一方にひそひそ話しをする。
ある可能性に気がついた二人は、ちょっと待っててくれ、と言って、部屋に戻っていく。
自室のパソコンで、グランファンタジア(MMORPG)のクライアントを起動させた悠人は仲間を非常招集させると、こう言った。
(悠人):突然なんだが、イベントを開きたいと思う。
:面白いのか?
(悠人):ああ、面白いと思うぜ。なんせ魔王との戦いだからな。
:なんですと!? 魔王だとっ!?
戻ってきた(あるいは自室で)綾音は、「女神のアストレイア(あるいは神々)」に「あるお願い」をする。
しばらくして、悠人の家の上空に再び現れたシャドウロード。
『期限は過ぎたわ……。さあ、姫を引き渡しなさい!』
しかし、何かがおかしい。
『ん……?』
何故か家の周りに、次々と冒険者姿の男女が現れてくるではないか!?
そして、世界が変わった。
魔王を中心に、高い崖が取り囲む(あるいは平原とかに変わる)
その崖の上に立つ、勇者たち。
『ななななによこれ!?』
実はアストレイアが持つ、地球と他の世界をつなげるゲート制御能力と、魔法を制御する能力、それに、仮想空間創造・実体化・融合能力を使用し、地球(の悠人の家周辺)とグランファンタジア(MMORPG)のサーバー内世界、それにアークシャード世界をつなげ、悠人のフレンドたちが持つゲームのキャラクターを現実化させると同時に、プリシアらの友人・侍女たちを地球に召喚したのだ!
「今回のイベントの敵はこいつらだ」
と悠人は魔王を指差す。
「ほう、魔王とデーモンか」
「なっ、どういうこと!?」
『ふ、ふぇぇえぇぇぇえぇぇぇ~!?』
「今や、あなたは僕らの敵だ──」
『ち、ちちちちょっと待ちなさいよ!!』
「問答無用!!」
「今だ──仏締《ぶっち》めろ!!」
魔王&その手下、フルボッコモード。
その姿はまるで、太平洋戦争のレイテ沖海戦でアメリカ軍の航空機の群れの前に、次々と沈没していく、日本帝国海軍の艦艇のようであった……。
悠人とその仲間たちは、シャドウロード(魔王)とその護衛を撃破する。
そして、シャドウロードの正体は……、
「えーん! えーん! バカ、バカ!」
「魔神の正体が、こんなかわいい少女だったなんて……」
「魔王が、こんなかわいい女の子のはずがないじゃないか……」
「だが、これは誰かが望んだ結果だ。誰かが、彼女が魔王であって欲しい。そう思ったから、彼女はいるんだ」
「誰が?」
「わかんね。ま、それはここで語られることではない事だな」
「そ、そうなのか……」
力を使い果たしたらしい魔神少女は、バタンキュウ。
「おい、大丈夫か!?」
「ちょっと、やりすぎたか?」
「大丈夫。魔力を使いすぎただけよ。怪我とかはしていないわ」
「よかった……」
帰る所のなくなった魔神少女を、悠人たちは家に置くことになる。
「イベントお疲れ様でしたー」
「おつー」
そう言いあいながら、悠人が呼んだMMORPGの「キャラクター」の姿は消える。
「彼女を家に置いといた方が、いーんじゃねぇのか……?」
「こいつは魔神だぞ!? そんな危険な存在を家に置くなんて!?」
「ウィル、お言葉だけど、どうせこの地球では、魔力がなければ魔法は使えないの。この子、今はただの女の子よ」
「……」
「……でも、悠人。なんでこの子を家に置く気になったの?」
「……」
「悠人さん、いったい何をお考えで……」
「ちょっと、気になることがあってな……」
そんなとき、魔王少女の足元に落ちていた、あるスクロールを拾いあげたメイドロボ長。
「これは……」
しかし慣れない魔法やアビリティを使ったせいか、悠人も倒れてしまう。
「悠人、さま……っ!」
「悠人っ……!?」
プリシアの侍女やメイドロボたちが悠人を部屋まで担ぎ込む。
メイド長が魔王少女を看病し、プリシアと幼馴染達が悠人を看病することに。
( 悠人を看病する綾音(プリシア)の姿を見て、考え込むウィル。
「朕(ボク)に足りないもの、か……」)
迷うプリシアは、ウィルに訊ねる。
「この症状は、どうすればよろしいのでしょうか……」
「君も分かっているだろう? 単純だよ。彼の体から魔力を逃すか、別なところに移せばいい」
「はい……」
「具体的に言えば、身体的に接触して、精神をシンクロさせればいいって……、まさか、プリシア姫!?」
「はい、やります。悠人様の体が癒されるなら」
「それはしかし……!」
「やるしかないのでしょう!? 誰かが、やらなくては……!」
「……分かったよ。プリシア。君にその覚悟があるというのなら」
「皇太子さま……」
「いいんだ、香織。彼女が決めたことだ。朕≪ボク≫がどうこう言えることじゃない」
ウィルたちが去った後、しばらく綾音は立っていたが、意を決した表情をすると、眠っている悠人のそばに行く。
悠人が目を覚ます。
「あや、ね……?」
「ゆうと、さま……!」
綾音が悠人の顔に自分の顔を寄せ、唇を、重ねた……。
○第六章:VSプリシアの両親(……家族会議な)
翌日。
綾音が作ったおかゆを食べる悠人。
味はまずまずのようだ。
ふと目が合うと、昨夜のことを思い出してお互い顔を赤らめる二人。
「も、もう、悠人さまってば」
そして相手の指に視線を移し、また頬を赤らめる。
目覚めた少女魔神との会話。
「なんでわたしを助けたの?」
「助けてもらいたいような顔をしていたからさ」
「それに……、助けなきゃ、飯がまずくなると思ったからな」
その会話中、ある疑惑について確信する悠人。
「あんたはその人に指示をされて動いていたんだな?」
「……うん。その」
「それ以上は言わなくていい。『その人』が誰かわかってるからな」
「え……!?」
「あんたが言われた『プリシアは殺すな』。その一言だけで、真の黒幕が誰か、簡単にわかるからな」
「それだけでわかるの!?」
「ああ、それが俺の才能だからな 」
そのときだった。
ゲートが開き、突然現れた一組の男女と数名の護衛。
その姿に、プリシアは慄然とする。
「お父様、お母様……!」
タイクーン国王のラディンスと、王妃のカレリア。
プリシアの、両親だった。
急遽開かれた家族会議。
全ては解決したのだから、プリシアを連れて帰るという国王と王妃。
そこで悠人は、プリシアが現れたときに話を聞いたときから抱いていた、ある疑惑を問いただす。
「ラディンス陛下、何故あなたは結婚式の時、姫のところに行かなかったんだ?」
「……」
「陛下、魔神を結婚式の時に乱入させたのは、あんたなんだな?」
「……」
悠人や幼馴染は、プリシアや皇太子から聞いた話などを元に推測した結果、帝国との友好関係を考慮して、連れ去られたプリシアをおおっぴらには奪還できないラディンス国王が、少女魔王を召喚、身を保障する代わりにプリシアの奪還を依頼したのだ。
だが、プリシアはアストレイアによって姿を消した。
そこで魔神に追跡させていたと言うわけなのだ。
「ほほう、どんな証拠があるというのかね?」
「わたしがいるわ」
そこに現れたのは、寝ていた魔王少女。
「……!」
そしてメイド長が契約書を見せる。
「こんなものをこの子がもっていらしたんですけど……(にこっ)」
「さらに言うとだ」
「ラディンス陛下、あんたは魔王《この子》を消すつもりで、ここに来ましたね?」
ここで国王が、実は魔王を消そうとした事が発覚する。
護衛の騎士が魔王に切りかかる寸前、冒険者たち(プリシアの友人)が召喚されて(あるいはステルス系の魔法をかけられて部屋で待機していた)割って入る。
「この話はばっちり録音させてもらったわ」
にんまりとした顔で携帯を手にして見せる幼馴染。
「俺もな」
「私も録音させていただきましたわ。コマンド一つで、あちらにお流しいたしますわ(さらににこっ)」
「き、貴様ら……!」
誰がどう見ても脅迫です。本当にありがとうございました。
「お父上『も』、そういう人だったなんて!」
プリシアは明かされた事実に大激怒。
憤激しすぎて、今にも吐かんばかりの勢いです。
「『も』って……、朕(ボク)のことなんだろうな……」
それを聞いたウィルヘルムはションボリした顔を見せました。
彼の姿を見て、香織が軽く肩を叩きました。
「隊長……」
一方、親子喧嘩は最高潮を迎えようとしていました。
「ち、ちょっと待て、プリシア! これはお前のことを思ってだな……」
「いいえ、許しませんっ!! 正々堂々と話し合いに行けばよかったのに、自分の面子をつぶしたくがないために、闇のものと手を結んで、さらに用済みになったら彼女を消そうとするなんて、最低ですっ!!」
「自分じゃない、国とお前のためだ!」
「いいえ! 自分のためですっ!! お父様は自分がかわいいから、逃げたんですっ!!」
「お父様とはもう、絶交ですっ!!」
綾音の怒りが最高潮に達した時、
「うぐっ!」
また吐きそうになる。
「ほら綾音、また無理するから……」
「悠人とプリシアの言うとおりだ。ラディンス」
そこに現れた男が一人。
「親父……っ!」
悠人の父にして大勇者、須賀和馬だった。
「おいしいところを持ってゆくというのかね、君は!」
何故か悠人は某カントク口調で突っ込んだ。
両家家族会議の結果、プリシアはこのまま悠人の家で暮らすことに。
悠人達に有利な条件で、綾音は家に残る事になった。
(どっかで魔法の勉強の時に作った一組の指輪を二人ではめるシーンが欲しいです)
ひとまず丸く収まったに見えたが。
「その前に、だ」
べしっ!
タイクーン国王の頬を、悠人はぶん殴った。
「なっ、何を……!」
「こうしとかないと、後の飯がまずくなるんでな!」
「アストレイアは、悠人の行動を是、とみなします」
「なっ……!」
「まあ、この程度で済んでよかったな。ラディンス」
ぽん、とラディンスの肩を軽く叩く、和馬。
○エンディング
須賀家の日常。
その一方での、悠人父和馬と、母親のアストレイア(女神)の会話で締め。
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