電撃リトルリーグ用投稿作品「夏の終わりに届いたメール」のらねこ版
IRC #もの書き に居たら、文章を書いてみたくなったので、エントリを作成しました。
ここ最近「電撃リトルリーグ用投稿作品」が流行のようだったので乗っかってみました。メールというお題からか、「電撃」の読者ターゲットのせいか、男の子と女の子の作品ばかりだったので、あえてその辺を避けたものを書いてみました。お題に乗っかって書いてしまいましたが、応募する意思がないので、「電撃」の読者を意識した内容にはなっていません。
ネタ元はこの辺の話です。個人情報関連の話も頭に残っていたので、入れてみました。ちなみに、ちゃんと下調べしていないので、嘘がいろいろ混じっていると思います。
面白い文章を書けるようになりたいと思っているので、指摘、批判等いただけるとうれしいです。
# 長い。切ろう。
## 少し切った。
タイトル:宿題代行
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――カチャカチャ
Subject: 【確認事項】単価に関して
いつもお世話になっております。
今月末の契約を確認になりますが、1件あたりの単価はいつもと同じと考えてよろしいでしょうか。
今回はまとまった取引になりますので、再度確認させていただきたく。
――カチャカチャ
Subject: Re: 課題「読書感想文」
こんにちは。大久保です。
一般的に宿題代行というと子供が支払うには割と高額なものですが、私は「算数の宿題」や「読書感想文」などまとまった単位でも小遣い1ヶ月分程度しかもらっていません。より多くの子供たちに私のサービスを使ってもらいたいからです。
そのため、子供たちの間では、手ごろな値段でちゃんとやってくれると、かなりの噂になっています。この噂というのは非常に大事で、莫大な宣伝費をかけなくても、、噂や口コミで広がって、多くの子供たちが依頼をしてきてくれるようになるのです。
ちょうど今頃の時期、長期休みにはたくさんの依頼を受けることになります。ここで注意しなければならないことがあるのです。普通の時期なら集中することは少ないのですが、夏休みの終わるこの時期になると駆け込みの依頼がたくさん来ます。ほとんどの同業者の方は駆け込みの依頼は断っているようです。こなす自信が無ければ、誠意を持ってお断りするのが良いと思います。あなたのように誠実な方なら、依頼者もきっと理解してくるので、勇気を持ってお断りのメールを書いてください。
普通の受講生の方なら、ここで「お断りのメールの書き方」を指導するのですが、あなたには必要ないと判断しました。あなたはいつも真剣に取り組んでくれているので、例外中の例外として、「お断りのメールの書き方」を指導するかわりに、他の受講者には教えていない、私の対応の仕方を紹介しておこうと思います。
実は、私は、この時期の依頼でもお断りすることは少ないのです。それは依頼者の子供たちの集め方、受け付ける宿題の教科・課題から工夫をしてあるから出来ることなんです。
まず、地域を限定し、学校を絞る。こうすると数校分の課題を消化するだけですみますし、毎年同じ学年に同じ宿題を出す先生もいるので、宿題をこなす負担が非常に軽くなります。
そして、自由研究は受けず、読書感想文は受ける。どちらも酷く苦手意識を持つ子供が多い課題で、手間も同じようにかかりそうなのですが、課題図書は毎年どの学校も同じものですし、少し変えておけば似たような文章になってもばれることが少ないのです。それに引き換え、自由研究は使いまわすとばれる率が高いものなのです。
さらに、「お友達紹介割引」で、5% の割引の変わりに、友達を10人ほど紹介してもらいます。紹介といっても、メールアドレスを教えてもらうだけです。「噂」「口コミ」だけに頼らず、紹介で顧客の拡大を行っています。子供達の交友範囲は広くは無いですから、こうすることで効率的に同じ学校の生徒さんを集めることが出来るのです。
昨今は個人情報保護で学級連絡網も作られなくなっているので、こういった地味な営業努力を重ね、同じ年代の子供たちのメールアドレスを集めて、採算性向上に繋げているのです。
今回からはより実践的な依頼の受付など事業の実際について触れてきました。次回も引き続き事業の実際について紹介していきます。
――カチャカチャ
ここまで書いて、俺は一息入れることにした。
宿題代行なんてしょぼしょぼやっていても大して儲かりはしない。そもそも、子供の小遣い1か月分なんて価格設定が安すぎて、採算が合うわけが無い。俺は、宿題代行をしながら、「宿題代行」のノウハウを売る「情報商材」を売っているのだ。さっきまで書いていたのも、そっちの「弟子」に送るためのメールだった。かと言って、「宿題代行」もやっていないわけではない。「宿題代行」という事業の実態があることも「情報商材」のほうには重要なことだからだ。
「情報商材」といっても、まるっきりサポートしないで放り出せば詐欺として訴えられる可能性があるので、ある程度応対しておいて、適当なところで放り出すのがコツなのだが、それがなかなか腕がいる。やる気にさせて、経験を積んだ気にさせるのも重要なことなのだ。俺は、請けるだけ受けたガキの宿題を「弟子」に実習と称して片付けさせている。一石二鳥というやつだ。俺は今のところかなり上手く回転させて利益をあげていた。
ダイアログが新着メールがあることを告げている。鴨は葱を背負ってきたかな、そうつぶやきながら俺は「情報商材」に届いたメールを開いた。
――カチャカチャ
Subject: 緊急
個人情報保護法違反で家宅捜索。証拠になるものを処分してくれ。
今回のメールアドレスの買取は出来なくなった。
外で数台の車が止まる音がした。
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