だんじょんと、どらごん。 ~らいふいんざだんじょん。ケースその1.('A`)編~
また短編小説を書いてしまいました。
今度もダンジョンとドラゴンもの。
今回はちょ~っと反則気味ですが、そこはまあ、見逃してくりゃれ?(何故ホロ語)
というわけで、それでは、どうぞー。
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だんじょんと、どらごん。 ~らいふいんざだんじょん。ケースその1.('A`)編~
あなたは不思議に思ったことはないでしょうか?
ファンタジー世界のモンスターの王。ドラゴン。
それが、どうやって自分の住処であるダンジョンで暮らしているのか。
あなたは不思議に思ったことはないでしょうか?
……思いましたよね? 思いましたよね?
……では、その一例を覗いてみましょう。
ほおら、あなたの意識は、遠い異世界に飛んでいきますよぉ……。
*
季節は年の終わり。
もうそろそろ、この異世界のクリスマスに相当する行事、冬至祭の前日でございます。
とある国の、とある山の中腹にあるダンジョン。
その薄暗い洞窟の中を見てみると。
妙齢のベテランスカウト(ニンゲン・男・独身)が一人忍び歩きをしています。
彼はパーティから先行して洞窟の中に侵入し、ダンジョンの構造を調べたり、途中出会った敵を睡眠薬入りの矢弾で銃や弓を使って撃って眠らせたり、トラップを解除したりしていきながら、ダンジョンの奥深くへと進んでいっています。
ここのダンジョン。
若いながらも力のあるオスのドラゴンが住んでいて、金銀財宝も結構溜め込んでいるとか。
それに最近は、このあたりを雌のドラゴンと一緒に飛んでいるのを見かけたという目撃談も多く、結構なリア充なようでございます。
ちなみに、ドラゴンの繁殖期は、ニンゲンと同じく、いつでも、でございます。
ええ、いつでも、ですよぉ。
というわけで、それなりにニンゲンの街や村に被害が出ているということで、有力者から依頼を受けた冒険者の一団がドラゴンを退治するべく、このダンジョンにやってきたと言うわけでございます。
ちなみに被害は金銀財宝を奪われたり、家畜を食べられたりしただけでなく、ドラゴンが住む山を中心にして小さく連続した地震が何度もおき、それにニンゲンたちが困り果ててると言う被害もあるようですよぉ。
……。
さて、話をダンジョンの中に戻しましょう。
「こちら、<蛇>。ただいま獣人をまた眠らせた。恐らくはこれで最後だ。しばらく行けばドラゴンのねぐらにたどり着くと思う」
銃をしまいながら、音をたてる金属製の装備を身につけていない、スカウトが、小さな二枚貝のような「通信機」でパーティのリーダー(ウォーロード・毒男)に向けて報告しました。
「……了解。……揺れはまだ続いているか?」
「貝」の向こうから、ノイズの入った声が聞こえてきました。
その問いに、<蛇>(独身)は天井を見上げて答えます。
「ああ。さっきから細かいながらずっと続いている」
見上げれば、天井だけでなく、ダンジョンの通路全体が、細かく、どんどんどんどん揺れているというか、震えている様子。
そのリズムは一定で、ときどき休みが入りながら、また細かく震える様子。
「それに……」
<蛇>は声をひそめて続けました。
「どうした?」
「さっきからドラゴンの鳴き声らしき声が、向こうから聞こえて来るんだが……」
「どんなだ?」
スピーカーの向こうから、リーダー(毒男)が興味深そうな声で訊ねます。
<蛇>(独身)はやや首をかしげながら、
「……こう、戦って傷ついた時のような、苦しそうな声なんだが……。時々ドラゴン語で、『気持ちいい』とか『もっとして……』とか言っているようにも思えるんだが……」
「……」
通信機の向こうのリーダー(毒男)は何故か黙ってしまいました。
が、気を取り直したらしく、
「……分かった。もう少しでドラゴンのねぐらだ。気をつけていけよ」
と声を掛けてきました。
「了解した。では、いったん通信を切る」
そう言って<蛇>(独身)は「貝」を閉じました。
そして、注意深くあたりを警戒しながら、そろり、そろりを前へと進んでいきます。
次第に、震動も大きくなっていきます。
そして。
<蛇>(独身)は、ニンゲンよりも遥かに大きな、鉄製の扉の前にたどり着きました。
どうやらこの奥が、ドラゴンのねぐらのようです。
震動も、ここから来ているようです。
観音開きのその扉は、少しだけ空いています。
不用心だな。
そう思いながら、<蛇>(独身)が隙間から部屋を覗いてみますと……!
*
ここから場面は変わって、ダンジョンの入り口付近。
ドラゴン討伐の依頼を受けた冒険者の一団が、ダンジョンに侵入してきたところでございます。
ドラゴンの手下の獣人はすべて眠っていて、トラップもすべて解除済みなので、二十人以上の集団でも、さほど警戒することなく、ダンジョンの中へ進んでいきます。
「ここまでやると、やることがなくて気楽だなぁ。これも<蛇>さまさまだな」
冒険者たちのリーダー(毒男)はにこやかな笑顔でつぶやきました。
<蛇>は元々彼らの仲間ではなく、依頼者が用意した助っ人の一人なのです。
その分、報酬も高め。
ですか、これほどの活躍を見れば、その報酬も安かったことが証明され、冒険者たちはほくほくです。
でも、冒険はこれからが本番。
ドラゴンと戦わなければいけません。
そう思って心を引き締め、先行している<蛇>にドラゴンのねぐらがどんな様子かを聞こうと、貝型通信機を開いた時でした。
「こっ、これは……!」
そう<蛇>から、叫び声に近い通信が入ってきたのです。
「どうした? <蛇>」
そのシリアスな声に、リーダー(毒男)は顔をこわばらせます。
「こ、この状況は……、せ、性欲をもてあます」
そう言ったきり、<蛇>(独身)からの通信は途絶えました。
「どうした、<蛇>、いったい何があった!?」
リーダー(毒男)はそう呼びかけましたが、返事は聞こえません。
「<蛇>、応答せよ! いったい何があったんだ!? 生きているなら返事をしろ!? ……スネーク!? すぅぅぅねぇぇぇぇぇぇく!!」
ノーリアクションでございます。
「リーダー、<蛇>に何かあったんでしょうか!?」
クレリックのニンゲンの男(独身)がリーダーの様子を見るなり、緊張した面持ちでリーダーの顔を見ます。
「これはもしかして……」
「どうしましたリーダー?」
通信機を握り締めながらうつむいたリーダー(毒男)は、きっ、と顔を上げ、
「ぐあああってでででででっむっ!!!! あのリア充ドラゴンめぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
と絶叫。
「「「リリリリーダー!?」」」
驚く周囲の冒険者。
それにかまわず、リーダー(毒男)は、
「ダンジョンの最深部へ向かうぞ! あのリア充ドラゴンに、思い知らせてやるっ!!!!」
そう叫ぶなり、突然走り出しました。
「「「ちちちちょっとリーダー!?」」」
突然のリーダー(毒男)の豹変振りに慌てつつ、パーティメンバーたちもリーダーの後を追うのでした。
*
そして、冒険者パーティたちはダンジョンの最深部、ドラゴンのねぐらにたどり着きました。
冒険者のリーダー(ウォーロード・毒男)が先頭を切ってその人よりも大きな鉄扉の前に駆け寄ると。
その通路の隅で、<蛇>(スカウト・男・独身)が、
|
| ('A`)
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄
こんな格好と表情で、丸くなっていました。
その視線の先、扉の向こうから伝わってくる、
どすん! どすん!
という連続した震動と轟音。
そして、時おり聞こえてくる、
「ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉ……、ぐぉおぉぉぉぉぉぉぉ……」
というドラゴンの叫び声。
「いったい何が……」
息を切らして走ってきたクレリックの男(独身)が、リーダーに尋ねますと、
「……見てみろ。気づかれないから」
扉の隙間を視線で指して溜息をつきました。
「……?」
と思いながら、恐る恐る扉の隙間から覗いてみると……。
光溢れる室内。
その奥で。
二匹のドラゴンが重なっていました。
体と翼の大きな赤いドラゴンが上になり、体の小さな青いドラゴンが下になっています。
そして、お互いの前足と長い尻尾、それぞれを絡め、大きなドラゴンが小さなドラゴンに腰を重ね、激しく振っていました。
それにあわせ、下のドラゴンが体を震わせ、首を左右に振ります。
そう、震動と声の原因。
それは、ドラゴンがお楽しみ中だったからなのです。
ドラゴン二匹のお楽しみを見てしまったクレリック(男・独身)は、黙って扉から離れ、<蛇>(スカウト・独身)の隣に来ると、
\ ......|
ドンドン ......| ('A`)('A`)
グオグオ/...../ ̄ノ( ヘヘノ( ヘヘ ̄ ̄
という、何もかもが嫌になった表情で座り込んでしまいました。
その様子を不思議に思った冒険者たち(主に男・独身)が次々と扉の隙間から覗いてみると、一様に黙って<蛇>たちの隣に行き、
\ ...|
ドンドン ...| ('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)
グオグオ/../ ̄ノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘノ( ヘヘ ̄ ̄
と、なんとも物悲しい表情で一列に座り込んでしまいしました。
毒男たちの列が増えていくのを悔しそうな表情で見つめていたリーダーのウォーロード(毒男)は、
「くそっ……、冬至祭が嫌でこの依頼を受けたのに、何が悲しゅうてこんなダンジョンにまで来て、毒男の物悲しさを味わななければいかんのだ……! リア充めっ……!」
そうつぶやくと、毒男たちの列に加わるのでした。
どっとはらい。
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