ショートショート「スマイリングムーン」

久しぶりに創作の電波を受信しました。12月1日の月と金星・木星の競演、綺麗でした。写真撮っておけばよかった。
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「あ、三日月。ほら、あそこあそこ」
「ふーん」
「『ふーん』じゃないよ。ちょっと冷たくない?」
「じゃあどういう反応すればいいんだよ」
「綺麗だね、とかそういう」
「別に、いつもの月だろ」
「情緒がないなあ」
「お前の辞書に『情緒』なんて言葉があるとは思わなかった」
「失礼な! あ、一番星」
「金星かな」
「明けの明星だね!」
「あのなあ、明けの明星は明け方見えるものなんだよ。今は宵だから宵の明星」
「……知らなかった」
「常識だろ」
「二番星発見!」
「二番星とか三番星とか数えていくのかよ」
「当たり前でしょ。二番目に見つけたから二番星。あ」
「なんだ」
「月と、一番星と二番星。なんかニコニコマークに見えなくない?」
「……あー、そうだな」
「見えるでしょ、見えるでしょ。可愛いよね!」
「いいから腕をぶんぶん振り回すな。痛い」
「すごいよね。宇宙の神秘だよね」
「あー、すごいすごい」
「もうちょっと感動とかしてくれたっていいのに」
「いちいち感動してられるか」
「うー……くしゅん」
「いいかげんにしてとっとと帰ろうぜ」
「そこは『寒いか。俺が暖めてやろう』とか言わない?」
「言わねーよ! やめろ。寒気してきた」
「うふふ、暖めてあげるね」
「ちょ、おま、それはやめろ」
「なんで?」
「どうしてもだ!」

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