吸血鬼ティギーシリーズ(仮題)

こんにちハ

むかし ほんとうにむかしの 厨2びょう絶倫真っ盛りのころのネタの つかいまわしをば
ギャーハズカスィイィ
でもほかに かけるようなしんせんなネタがないのら こまった
そしてひっそりこっそりと載せれるところもないのら こまった

とうじょう人物
盗賊メアリ:本名ファリア・シルフィス。港町「サードリオン」に出来たばかりのシーフギルドのマスター。13~16歳ほどの年齢不詳の小娘。
巨大な幽霊屋敷を占拠改築して、盗賊ギルド(表向きは開けっぴろげな公共レジャー施設?)を建設中。
屋敷の幽霊退治の際には多くのシーフその他を巻き込んで一悶着もふた悶着もあったらしい。
アングラから表社会まで著しく偏りまくった繋がりがあるらしく、人々の本能と理性の狭間に潜む闇に幾度となく翻弄されながらも、似たような運命に翻弄される連中を見て見ぬふりが出来ないタチなのか、数奇な運命に真っ向勝負を仕掛けるこわいもの知らず。
インテリバカが嫌いらしい。

吸血鬼ティギー:推定16歳くらいで死んだものと思われる、辺境の地シルフィス出身のうつ持ち少年吸血鬼。死後何年経過しているかは不明。
メアリ達が根城を構える幽霊屋敷の地下にあった迷宮深部の不死者達の楽園都市「カーディグアン」に、いつしか他のアンデッドと共に強い負のチカラにその魂と肉体を引き寄せられ、非建設的な暮らしを送っていた。
しかしメアリ達が一暴れしたことによって引き起こされた都市の崩壊と共にほぼ強引に地上へと引き戻され、都市の存在によって乱れていた負のチカラのバランスが整ったもののなんらかの原因で昇天すること叶わず、いまだ浮き世をさ迷っている。
生前と死後の記憶にかなりのトラウマがあるらしい。
(追記)
もっと言うと吸血鬼になる直前に暴漢らの暴行を受けて愛する姉を失ってしまったという記憶が、彼の死後の精神をも永く蝕んでいるらしい。
華を知らない、陰気は嫌気を地でいくシスコンアンデッド少年。

の2名のNPCの シーンを切り取って描いたものです。

いにしえの 個人主催リレー小説PBWの
リアクションではない
GMシーンのみバージョン SS みたいな内容になります

前振りも なにもなくはしょり切り取って シーンだけ……
加筆しゅうせいするかどうかも ドコに繋がるやらも つづいてゆくかもフメイです
お目汚しとは思いまするが 載せさせさせていたらきまうす

ペコリン

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はぁ……。

今日何度目になるかわからないような溜息を漏らし、ティギーは俯いていた。

鬱病の吸血鬼なんて僕くらいのものかもしれない……。

そう考えながらゴミを掃き、ザッザッと大きなちり取りに集める。

そもそも、吸血鬼は呼吸はしないんじゃないか?

そんなことはどうでもよくて……。
そう。とにかく何もかもがどうでも良かった。

なんの力も無い。明日も何もない日常。
唯一、心乱されることがあるとすれば、魔物を封じる”本”を抱えている悪魔使いの男、ロキの姿に脅えることくらいだ。

振り返る昨日すら遠く。
生きてさえいないのに、生きる活力など沸いてこよう筈もない。

「もう、死にたい……」

呟くも。否、既に死んでいた。

そして、天に昇ることすら叶わない。

そんなことを望めるご身分ですらない。

ザッ――

ホウキを動かす手を止め、その手のひらを見つめる。
その手はほんとうに、嘘のように白かった。

「(ダメだ……、見ちゃ)」

何もかもが苦しくなる。
生きていたころの血の気は、そこにはもう面影もなくて。

わかりきっている現実。

彩られ続ける、現実という名の悪夢。

もう何も見たくはなかった。

”コノママ、滅ンデシマエレバイイノニ”

あの時、生きたいなどと願わなければ良かった。

自分は何故、あの吸血鬼に縋ったりなどしたのだろう。
本当はわかっている。現実から逃げたかったという夢。
あれほどの悪夢は無いと思っていたから。

しかし、もうどんな夢すらも、見たくはなかった。

「(姉さん……)」

会いたいひとの面影。

どんな感情に襲われても、涙が流れることはない。
ただただ、苦しくて、安らげる夜は永遠にこない。

自分の望みはもう、永久に叶わないのだ――

「(ぼくがぼくで在り続けることに、これ以上、意味なんてあるんだろうか……)」

自分の中には、なにも無い。

あるとすれば、ただ、深い闇だけ――。

そう考えると、闇の血族である吸血鬼として、ある意味相応しい存在なのかもしれない。
「(でも、そんなのもうどうでもいいんだ)」

夢も希望も、吸血鬼であろうとなかろうと、はじめから自分には相応しくないもの――

この仮初めの命と同じように、あることすら無意味なものなのだ――

「(終わることすら叶わないから、みんな……)」

ああして、狂った魂になっていったのだろうか。

地底都市で生活を共にしていた、アンデッド達を思い出す。
彼らの嘆き。怨みの念。
やり場の無い、憎しみの力。
悲痛な叫びの数々を、ティギーはあそこでいつも目にしていた。

不死者たちの楽園は、不完全なまま終焉を迎えた。

大勢の不死者たちが天に昇る姿を、ティギーは地底都市で目にしていた。

「(ぼくにも、あんな風に終われる時が、本当に来るのだろうか……)」

望みは、見えない。

ただ、今は暗い闇の淵がそこにあることを感じるだけ――

”このまま、永遠にずっと……こんな思いのままさ迷い続けるんだろうか――”

「うっ……、ううっ……」

暗く、広い回廊に佇んだまま――ティギーは、目の前の闇に引きずり込まれるかのような気持ちでいた。

「(姉さん……)」

「姉さん、助けて……」

箒を抱きかかえるようにして――ある筈の無い救いの手を求める。

誰も応えるわけがない。

ティギーは、もう一人なのだ。

「姉さん……」

彼女のいない世界なんて、何の意味もないのに――

何故、ほんとうに何故ぼくは、吸血鬼になんてなったのだろう?

”ボクハ、何ヲ、望ンデ、イタンダロウ”

「わからない……」

何も見たくなくて、感覚のない手のひらで面を覆った、その時だった。

「まぁーたそんな陰気くさいローブばっか着て。そんなんじゃー気分まで余計にアンデッドっぽくなっちゃうんじゃない?」

「ひッ……!!」

誰もいないと思っていたのに、突如として左斜め後ろからかかった声に心臓が止まりそうな思いで……もう遠い昔に止まっている筈だが……声をあげて、びくっと振り返る。

「ま、マスター……。いたんですか!」

暗い廊下の壁際で、何度見ても見慣れないようなオレンジ頭が揺れていた。

「そんなにびっくりさせちゃった?」
いつもの習性(くせ)で気配無く忍び寄ってしまったことに気付いたのか、ちょっとばつが悪そうにぱちくりと目を丸くするギルドマスター。
こういうところはあの時々連れている仔竜にそっくりかもしれない、とティギーは内心思っていた。

彼女の声を聞いて、急に現実に引き戻される。

そうだ。
自分が、今まで見てきた現実とはまったく別の現実の最中にいること……。
そしてそれは、この少女のせいなのだという事実。

ここ、盗賊ギルドの屋敷で、掃除係として働く……自分自身の現実の姿を、ティギーはやっと思い出したような気がした。

「あんまし人が来ないトコなのに、キレイにしてくれてるじゃない」

見かける度に声をかけられる、この屋敷の主。
本来ならそんなヒマなど無い筈だと思うのが、他の住人達に対するそれと例外無く、アンデッドである筈の自分に対してもいつも気楽に話しかけてくる。

彼女が他の人間達にとって特別な存在であることは、ティギーにもわかっていた。

顔なじみの幽霊であるソフィアーネも、彼女のことをいたく気に入っているようである。

そうだ……悪夢だけじゃ、ない。
自分が今こうしているのは、あの狂気が見せる夢のような出来事があったからだった。

そしてそれはこの娘が引き起こしたことで、それはなお現在も続いているらしい。

今でも信じられないことだが、不死者達の楽園が終わったのは、彼女――メアリがこの屋敷に来たからなのだった。

「やっぱり、ちょっと湿っぽいですか……? その、このかっこう」
青白い肌が目立たないよう、いつも黒のローブのフードを目深にかぶり、屋外に出る時は天気を問わず、サングラスとコウモリ傘は欠かさない。
貫禄のある”高貴なる不死者”である吸血鬼らしい格好とは決して言えない気がするが、確かにアンデッド然とした怪しい姿ではあった。

夜も昼もなく黒ずくめ。
ある意味、つねに自分で自分の喪服を纏っているようなものかも知れない。

吸血鬼といえばこれに赤がつきものなわけだが、気弱で薄弱な少年のまま吸血鬼になったティギーにとって、血の色はまさに恐怖の色に等しいものだった。

どん暗いティギーの格好とは対照的に、メアリはお天道様のような格好をしている。
格好というか、お天道様のようなのはその突然変異的な髪の色で、染めてもいないのに蛍光オレンジ色の頭をしていた。
盗賊たちの頭領としてはいささかド目立ち過ぎる頭である。
しかし何故か周りも本人もあまりたいして気にしていないようだった。

どうやら彼女は闇の世界でも表の世界でも既に隠しようのないような存在であるらしかった。
いまさら黒く染めたりしたところでどうにもならないらしい。

幸い今時は奇抜な色に頭を染める若者もさほど珍しくは無いとはいえ、それにしても隠密行動には不向きなのではないか。

常識破りの一歩先をゆくような存在に突拍子もなく話しかけられ、ティギーは先ほど浸っていた感傷を忘れ、ただただ呆然としていた。

自分の格好のことを気に掛けたことなど、もちろん無い。

ただ、支給してもらった太陽光線遮断スーツのほかは、屋敷の敷地内で売られている黒魔術用ローブしか持っていないこともまた事実だった。

「湿っぽい」という言葉に、「そりゃーそーよ」と今にも言い出しそうな顔をしていたメアリだったが、なにやらにんまりとしてティギーを見つめる。

「まぁね。一応お給金もらってるんだし、少しはなんかそーゆーよーなのに使ってみたらどう?」

無邪気に、なにかを企んだかのような……だが暖かさをはらんだ微笑みを洩らすメアリの姿に――ティギーは生前の姉の姿を見たような錯覚がした。

否、錯覚というよりも。

”求めているから……?”

ただの「居場所」だけではない何か。

無意識のうちに、いつの間にか、そういうものがここにはあるような錯覚を、ティギーは感じていた。

こんな身体でどこにも行き場が無いのも確かだが、昇天出来なかったアンデッドである自分を、何のメリットがあるわけでもないのに何も言わずここに置いてくれるマスターと――この館の存在は、ティギーにとって決して小さなものではないのは明らかだった。

特に何かがしたい訳でもなく、特に何かができる訳でもない自分を、ティギーは決して好きではない。

しかし彼女にとってはそんなティギーの意識さえも、アンデッドという非常識な身分すらも、たいした問題ではないようだった。

『吸血鬼っていったって五体満足なんだから、掃除くらいなら出来るんじゃない?』
そう言いながら魔女が使うような竹箒を渡されたあの日のことを、ティギーはよく覚えている。
冷蔵庫の中から助け出して貰った、翌日のこと。

住まわせて貰う以上、少しでも役に立つなら……と、おどおどしながらも、そのまま下働きをはじめたこと。

吸血鬼の掃除夫。

世間広しといえども、そんなものがいるのは、よくよく考えなくてもここぐらいのものかもしれない。

広大な屋敷での掃除夫の仕事は、なかなかに重労働なものだった。
肉体の疲れを感じないこの身体でも、やはり一日働けばそれに見合うぶんだけ、精神力を使う。
そんな日々の中で――時折、ほんとうに束の間だが――吸血鬼という自分自身の忌まわしい立場すら忘れられる時があることを、いつしかティギーは身に覚えるようになっていた。

「(マスターは……、もしかして、そのために?)」

単に人手不足であるのも知っている。
しかし、掃除というのは意外と人と関わる仕事である。
ましてやここはギルドに関わる人達の交流所兼住居でもあるのだから、尚更のことだった。

「(ただでさえ吸血鬼で目立つ僕が、こんなに大勢人が集まるところにいたりして……いいのだろうか?)」

その疑問に答えは無い。
あるのは、不安かもしれない。

けれども……ティギーは今も、ここに居た。

”ここにいる理由が無くても。ここに居ていい理由ぐらいならあるよ”

そんな声が聞こえたような気がして。

ティギーはびくっとして、目の前の少女に向き直る。

「どうしたの?」
そこには先ほどと変わらない様子でぱちくりと目を瞬かせるメアリの表情(かお)があった。

「あのっ、でもあの……吸血鬼が買い物とかって……あんまり、ちょっと」
慌てて我に返り、先ほどの話題を思い出す。

確か、服が陰気だとかいう話だった。
さらに、金があるなら少しはなにかそういうのに使え、と言われた。
つまりは、ひらたく手短に「着替えを買え」ということなのだろう。

「大手を振って出られないって?」

「はい……」

俯くティギーに、ひらひらと利き手のひらを振って、

「なぁーに。テッキトーに誤魔化しとけばだぁいじょーぶよ♪」

きわめて軽くあしらうメアリの様子に、思わずぽかんと口が開く。

そもそも生きてさえいない日陰者のアンデッドが、働いて金を貰うことほどナンセンスなことがあるだろうか。
更にそれを、見た目の改善の為に使え、と言う。

それだけでも、ティギーの今までの意識に存在しえない概念には違いなかったが。

この少女の底抜け感は、一体、どこから来るのだろう?

「生身の人間(ヤツ)らでも、他に陰気な連中はいくらでもいるって」

にまっとして、実に面白そうにギルドマスターは言う。

「そう、なんでしょうか……」
なおもおどおどと問い返すティギーに、「いつまでも煮え切らないコト言ってんじゃないの」と指を突きつけ、少しむすっとしながら「いーい? 屋敷の入り口んトコにタウンガイドが置いてあるから。それ見ながら買いに行けばいーわ」ある程度の店の情報を寄越してくれた。
「わかんなかったら受け付けんトコにいるミルクに訊けば教えてくれるから。街の商店街にも案内所があるし」
「あんたがゲンエキの頃とはだいぶ違うんだろーけど」と付け足しながらも、「生きた街の姿を見るってのも、ジンセーには必要だよ」言うメアリ。

「ジンセイ……」

なんとアンデッドに不釣り合いな言葉なのだろうか。
だが、このギルドマスターと話していると、なんだかそういうことさえもアリかのような気がしてしまうのも事実であり、不思議なことだった。

生きた、街の姿……。
確かに、そういうものを、もう長い間、見たことがない。

自分が死んでから、一体どれほどの時が経ったのだろう。
正確にはもう、わからないほどだった。
時が完全に止まっているかのようにさえ思っていた。

生身だった頃の、生きた感覚。
自分の記憶……。

「(思い出そうとすると……、苦しく、なる)」
断片的な映像が舞い込む。
遠い、遠い思い出の姿が。

ほんとうに思い出そうとすれば、それはまるで昨日のことのように蘇るのだろう。

だが……その日々はもう、いくら望んでも還ってこないもの。

愛する姉にも、二度と会うことは出来ないのだ――

「(死んでからも、こんな苦しみが続くだなんて……)」

生きている時には、思いもしていなかった。

これは――罰。

きっと、なにか取り返しをつかないことをしたことに対する罰なのだと、ティギーはいつしか思うようになった。

そもそも、死んでいた筈の自分がここにいることさえ、本来なら罪深いことなのだ。

闇の時に還るべき、自然ならざる存在。

そんな自分が……こんな風に、生きている人々の間で日々を過ごしていて、本当にいいのだろうか。
生命の流れを正常なバランスへと戻す力を司る、地竜神族たち――アルビレオらの清浄の力が一気に解放されたあの時ですら、自分が土に還ることはできなかった。

『還るべき魂』の枠から外れて、生けるものたちの中で過ごす、毎日。

不死者であることを、忘れるような日々を送る……。

”ソレハ罪カラ、逃レテイルコトナノデハナイカ?”

「ちょっと! 聞いてる?」
はっと我に返ると、目の前で手を振ってるマスターの姿があった。
「あっ……。すっ、スイマセン……!!」
青白い顔をこれ以上青ざめることは出来なかったが、申し訳なさそうに謝る。

上の空だか下の空だかわからない様子のティギーに、嘆息しながら頭をかくと、
「とーにーかーくー、これからの時代はイメチェンよ! 次会う時までに、お色直ししとくこと」
上下別で三~四着ぐらいはね、と言い張るメアリ。

「それは、あの……ええと?」
ジョーシ命令ですか、と言いたくてももちろん言えず、掃除道具を持ったまましどろもどろになる。

「明日会うかもしんないでしょ」
「は、はい」
にこっと笑い、しかし目は笑っていないメアリに、血の気が無いにも関わらずますます血を吸い取られるかのような思いになった。
「わかったら、さっさと行った!」
ドカッ!!
とカベを蹴りつけられ、
「はッ、はい!!」
半ば脅されるような形で掃除用具を片付けに行くティギー。

ローブの裾が長いので、まともに走れない。

「あんた、ガタイのわりに結構逃げ足早そうだから、秋の徒競走なんかにも出とくといーよー♪」

背後から愉快げな声が聞こえ、

「え、遠慮させてもらいます……!」

慌ててそれだけ返事をして、屋外の用具入れに向かった。

「(後であのカベの足跡拭いておかないと……)」
などと、現実的な考えを巡らせながら――

ティギーは生まれて初めて――死んでからも初めて――現代の人々が生きる、街。
港町サードリオンへと、降り立つことになるのだった。

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