映画版『プライド』は、マンガ版ファンのアタシも楽しかった♪

 金子修介さんの監督作『プライド』(一条ゆかりさんのマンガが原作)を、観に行ってきた。
 普段、映画やアニメは、CSやレンタルで済ませちゃってるアタシ。劇場まで出かけるのはホントに久しぶり。どうにか時間をやりくりしたの(笑)。
 もちろん、アタシが一条マンガのファンだからだし。特に『ブライド』には入れ込んでるからなんですけど。

 金子監督版『プライド』は、楽しめました♪
 あたりまえだけど、自宅の小さなモニターで観てたら気づかないようなとこが観れて、楽しかったです。
 パンフレットで金子監督「原作の愛読者にも満足してもらえるかどうか、ちょっとドキドキしています」って書いてるけど。アタシは、逆に、原作マンガ未読の方で、俳優さんのファンの人なり、金子映画のファンの人なりがどう思うのか、知りたい。

映画『プライド』の公式サイトはこちら。⇒ 映画『プライド公式サイト』

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 『プライド』で描かれる話を、むちゃくちゃ乱暴に要約すると、世界レベルの1流歌手を目指して頑張る2人の女が、いがみ合いを重ねながら、そのまま戦友みたい(笑)になってくような粗筋で。そこにそれぞれの女性の恋愛関係も絡む。
 2人の女性は、どっちも歌手の卵なんだけど。ともかくいがみあってる2人の間に、音楽会社社長令息の若き副社長と、ピアニストやってるけど、やっぱり作曲で1流を目指してる男性が絡むのね。

 2時間ちょいのこの映画。
 原作の物語の複雑に絡み合った図柄を、金子監督が一回ほどいて、ちゃんと金子オリジナル作品に編みなおして観せてくれた、ってのがアタシの感想。
 それで楽しめました。

 原作マンガの方は、マンガ家一条ゆかりの最長長編になるはずなので、映画よりややこしいイロイロがたくさん編みこまれてて、それはそれは楽しいんですけど。
 『ブライド』に限らず、文字通りの映画版作られても、原作より面白くなるとはアタシには思えなくて。
 おまけに、マンガ作品て、アニメならまだしも、実写化って、いろいろ面白かったり、ムチャクチャになっちゃたりするものじゃん。
 アタシの体験論だと、原作を大胆にアレンジしてある方が面白くなること多い気がする。
 例えば「スケバン刑事」のシリーズとか『未満都市』とか。ヘタにマンガっぽくしようとして、アタシ的に嫌だなって思ったのは例えば、最近だと、ドラマ版の『のだめカンタービレ』とか。

 で、金子監督の『プライド』だけど。
 作中に何度か描かれる歌唱のシーンは、みんな面白かった。
 金子監督のミュージカル映画『恋に唄えば♪』って、アタシ未見なんだけど。『プライド』の歌唱シーンは、みんなハイライト・シーンになってて、さすがって感じ。
 「歌手ってのは、ステージとかで歌ってる時とかが最高の存在で、普段はほとんど別人28号」みたいなふうに、ちゃんと描かれてて。そこがよかった。
 後、劇中に小道具で出てくる花や花束はよかったわー。少女マンガぽいし。やっぱり、お金と手間のかかった本物ってゴージャスよね。
 一条ワールドでは、ゴージャスさ、大事♪

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 元、貿易会社のお嬢様で、父の会社が倒産してからクラブ・シンガーになる麻見史緒は、ステファニーさんて歌手の人が演じてて。歌は巧い。ちょっと巧すぎるくらい。
 歌手としてでなくて、史緒として巧すぎる。史緒って、もっとメトロノームみたいな上手さの方がよかった。

 この史緒といがみ合うのが、どうしようもない母親と貧乏暮らしをしてたけど、史緒と出会って発奮する緑川萌。史緒を引きずりおろして海外留学のチャンスを得る萌は、女優メインだけど歌手の経験もある満島ひかりさんが演じてて。本当に楽しそうに演じて、歌ってた。

 例えば実写ドラマ版の『ガラスの仮面』だと、天才少女役の役者さん、可哀想だけど、主人公より達者な天才って視えないと思う。
 『プライド』では、上手くは歌える史緒と、ムラッ気はあるけど表現力豊かな萌って対比が見所の1つなんだけど。
 満島版萌は、観てて楽しかった。
 特に、史緒を引きずりおろすコンクールで『魔笛』のアリアを歌うとこ。目がいっちゃってる感じ(笑)がよかったー。すごく萌っぽい♪

 史緒の方は、アタシの原作イメージとかなり違ってて。これが金子版プライドの、ステファニー版史緒なのね、って思ったけど。
 どうなんだろう、正直書くと不満もなくはなく。まだ、アタシの内で評価がおちついてません
 アタシのイメージでは、史緒ってもっと周囲から超然として見えちゃうとことか、周囲の人間と歯車かみ合わないとこがある女性と思ってるんだけど。
 ステファニー版史緒は、よく言えば人間味がにじみ出てる。悪く言えば、張り詰めてるような感じが乏しかったのは残念。
 それでも、電話で契約結婚風のプロポーズ受諾を伝えるシーンとか、凛と張り詰めた感じがあって、「あぁ、史緒だ」って思った♪
 「女優さんを魅力的に撮る」って言われる金子監督なので、人間味豊かな史緒も、きっと金子版『プライド』の計算なのかな、って気はしてます。

 ただ、パンフレットの内に“過激なふたり、歌劇なバトル”ってコピーがあって。
 これ、『プライド』って物語のコピーとしてはイケてるんだけど。
 ステファニー版史緒には、アタシは過激な感じは受けなかった。
 アタシに言わせれば、一条ゆかりさんって「メロドラマの達人」で。『プライド』って、徹底的なメロドラマで、登場人物の感情の振幅幅の大きさが楽しいの。
 満島版萌は、イケてるんだけど。ステファニー版史緒は、おっとりしすぎてはいた。

 後、不満までは行って無いんだけど。
 クライマックスのライブ・コンサートで2人が蘭丸の作った歌をデュエットするシーン。金子監督が書いたって歌詞は、わかり易い。わかり易いのは悪いことでは無いけど。ちょっと綺麗に纏めすぎかなー、って気もしました。

【注意】ここにはネタバレ書くけど。
 えーっと、映画版のラストでは、ウィーンに行く史緒、ニューヨークに行く予定の蘭丸、ミラノに行く萌が空港ですれ違うみたいなふうになって。(原作では、5巻の半ばあたりね)
 そこで、「もうあなたの顔を観なくて、せいせいする」みたく言う萌に、史緒が「はじめて意見があったわね」って笑って応えて別れる。そんな終わり方するんですね。
 この史緒のセリフ、マンガ版では別なとこで使われてるんだけど。
 これをラストに転用したってのは、センスいいと思う。気が利いたセリフになって光ってる。
 コンサート・シーンの歌詞も、センスはいいと思うんだけど、綺麗に纏めすぎってのも同じような感じで。ラストの方の纏め方はアタシは気に入ったけど。クライマックスの方では、纏めずに、もっと「プライドってなーに?なんだろう?」とか、「人は何故歌を歌うんだろう?」とか、そんなふうに盛り上げてくれたら、もっとよかった気がします。
(マンガ版では、蘭丸が作る歌は、“INVOCATION”、つまり「祈り」ってタイトルなのよね)

《ネタバレはここまで》

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 結局、映画版『プライド』について、アタシなりのちゃんとした評価は、後、2、3回、観ないと下せない感じで。
 その内、レンタルとかでもなんとか。

 頑張って2回は観ようとか思って出かけたんだけど、総入れ替え制だったのだ。それはそっか(笑)。
 とゆーわけで、今回書いてるのは、みんなアタシの印象記。
 印象としては楽しかったし。劇場に出かけたかいはありました。

 及川光博さんが演じた、クイーン・レコード副社長の神野隆は、安心して観れました。重要脇役に徹してたと思う。
 渡辺大さんが演じた、営業女装もするピアニスト、池之端蘭丸は、頑張ってたと思います。最後の方で、マンガ版よりも史緒との恋愛関係に踏み込もうとするとこの演技とか。気合入ってた。
 でも、あんなふうにオトコらしい役柄振るんなら、女装のシーン、もうちょっとユニセックスな妖しさのある衣装にすればよかったと思うな。もしくは、ドラァグ・クイーン調のメケメケで、超ゴージャス女装に(笑)。
 クライマックスのコンサートでは女装ではなくて。かっこよかったし。

 金子版の映画『プライド』は、萌と史緒のバトルに焦点絞り込んであって。神野や蘭丸も主要脇役級。2時間ちょいだから、当然と思うし。
 マンガ版のような、登場人物のメイン4人のメロドラマって感じでは無いけど(萌はメロドラマしてた)。この点は、あまり不満でもなく。
 総じて、マンガ版ファンのアタシは楽しかったです♪

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