『斬魔大戦デモンベイン ド・マリニーの時計』鋼屋ジン+古橋秀之
■本日の読書:『斬魔大戦デモンベイン ド・マリニーの時計』鋼屋ジン+古橋秀之
ドクター・ウェストはたいへん魅力的なキャラクターである。
デモンベインに出てくるキャラの中で誰が好きかと問われれば、答えは人によって異なるだろう。だが、面白いキャラは誰かと問われれば、おそらく最初の三人のうちに確実にドクター・ウェストが出てくるだろう。
九郎がデモンベインの物語に絡むようになったのは。
アルと出会うことになったのは。
アルを失ったときに立ち上がることができたのは。
そしてひとつの結末で――
すべてが『なかった』事にされた時に、
すべてのキャラがそれぞれ『別の役柄』を演じる事になった時に、
それでも彼の前に現れたのは。
そう。そこにいたのは常にドクター・ウェストなのである。
『斬魔大戦デモンベイン ド・マリニーの時計』は、3編の短編が収録されているが、そのいずれもドクター・ウェストが登場する『ドクター・ウェスト祭り』な本である。それだけでも十分に読む価値があるのだが、ついでに『遺跡破壊者』にはシュリュズベリイ博士が登場する。
「――では諸君、これより講義を始める!」p93,p124,p157
すげえよ、シュリュズベリイ博士。きちんと3回連続で繰り返しギャグを真面目にやってくれたその姿勢には感服するしかない。(3回目は言い終える前に中断となったが)しかも私は最後にはシュリュズベリイ博士は教え子と鬼械神アンブロシウスもろとも死ぬに違いないと予想していたのであるが――それゆえにドクター・ウェストは道を踏み外すのではないか――ちゃんと生き残るし。
しかしこの予想はドクター・ウェストに対して失礼であったと今なら思う。彼は道を踏み外すも何もなく、何がどうであっても ああなる のだ。ブラックロッジがあろうがなかろうが、九郎の前に巨大ロボを操って出現したように。
時空がどうなろうとも我が道をばく進する男、ドクター・ウェスト。
いろいろな意味で他人とは思えぬのである。

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