ネタバレ雑記:神野氏ご乱心☆(一条ゆかり著『プライド』,「コーラス」2009年3月号、4月号掲載分)
この雑記では、ベテラン・マンガ家、一条ゆかりさんの最新作『プライド』のネタバレを書いちゃうのだ。
あらかじめ、お断りしておきます。
いちおー、09年4月号が書店店頭から消えるの待ちました。
雑誌まではおっかけてないで、単行本読みしてる人は、この雑記、読まない方がいいかもー。
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マンガ『プライド』(雑誌「コーラス」連載中)で、脇を固める主要キャラの1人、神野氏(神野 隆)ですけど。
4月号掲載分(ACT63)のラストで、およそらしくない振る舞いをしちゃいます。
神野氏、萌(緑川 萌)とおセックスしたことと、萌の子どもの父親が自分である(と思える)ことを史緒(麻見 史緒)に告白して、許しを請おうと、ウィーンにやってきたはずなのですが。
そこで見たのは、深夜のテラスで、ワインを飲みながら談笑してる史緒と蘭丸(池之端 蘭丸)。
カーッとして取り乱した神野氏、史緒の背後から近寄ると、肩越しにワイングラスを取り上げる。
で、その後、史緒をなじるとグラスのワインを頭から史緒にかけちゃう。
読者の目から見ると、神野氏ご乱心としか思えない展開(笑)。
ビックリしたわー。
蘭丸は、ベティのワールド・ツアーの間に、さらに磨きをかけた(笑)女装姿でなくて、素の姿でウィーンに来てた。
3月号掲載分のACT62で、ワールド・ツアー終了後のベティ“一座”の打ち上げパーティーのシーンがあって。そこで、あのベティから1本立ちのお許しを得た蘭丸。史緒の顔を直接みながら“N・Yに来て本当によかったと心から言いたい”と、飛んで来てたのです。
でもまー、そーゆーキャラの本意がわかるのは読者の特権で。
神野氏の立場を擁護する形になるけど、深夜11時頃、ホテルの前のテラスで、以前から懇意だった男女1組(1対1)。これは、勘ぐるなと言っても無理って言えば無理。
もー1つ、神野氏を擁護しといてあげると、カッとして闇雲にあたったわけでもなくて、一応、史緒と蘭丸に弁明の機会を与えてはいる。はじめっから決め付けた上でのふるまいだけど。
神野氏がウィーンの空港についたのは夜の10時頃。
定宿にチェック・インしてから、見知らぬバーで軽く一杯ひっかけようって感じで、街角をふらふらしてたら、偶然、楽しげに歓談してる史緒と蘭丸に出くわしちゃうんだけど。
この、街角をフラついてる時の神野氏、すでに、らしくない様子が描かれてていい。
“何をやってるんだ/俺は…”
“女は飾りじゃなかったのか?/どの女も似たようなもんで”
“適当に都合の良い女とその内に結婚して/ある程度甘やかしてやればたいした問題もないだろうと思っていた”
“いつから/狂ったんだ”
“俺はなぜヘトヘトになるまで仕事を抱えていながら/こんな所でため息をついて/居心地のいいバーでも探そうとフラついているんだ”
神野氏、結構、身勝手なこと考えてますねー(笑)。
アタシ「描写がいい」って言ってるだけで。描かれてる神野氏の方は、自己中で、考えてる事、ワガママ、身勝手と思います。神野氏なりの言い分もあるんでしょうけど。
でも、“いつから/狂ったんだ”って、本人わかってないとこが、おもしろい。
そんなの、「史緒と付き合ってる内に」に決まってて。「いつから」とか、はっきり言えるわけないんだけど。
例えば、最新10巻採録分で“彼女が--神野の家を変えてゆく”とか思ってる時(10巻のP.79)には、すでに史緒のこと“都合の良い女”とは思えないでいる様子が描かれてる。
すでに、期待を抱いちゃってる。
そんなわけで、楽し気にしてる史緒と蘭丸観た時に、カーッと頭に血が上っちゃったのね。
神野さん、それって世間では「嫉妬心」てゆーのよ(笑)。
とゆーわけで“客観的”には、ってゆーか、世間体みたいなとこで、神野氏にも婚約者の史緒にワインぶっかけた振る舞いの言い訳(言い分)いくらでも言えるけど。動機とゆーか、心理の面まで考えると、ご乱心(笑)。
最近、神野氏“らしくない”振る舞い目だってきてますねー。どこまで壊れてくか、見所って言えば見所(笑)。
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だいたい神野氏、萌とのこと結婚式の前に史緒に告白して、許しを請おうとか思ったのはいいけど。実は、母上に説得されて、そうしなきゃいけないのかな、くらいのとこでウィーンに来たのが敗因。
腹の底の底まで自分で整理した上での、自己選択ではないので。ご乱心のような振る舞いに及んじゃうのも、説得力あります。
まー、結婚式、もうカウント・ダウン状態に入ってるので、無理ないっちゃ、無理ないですけど。
神野氏に、式前に史緒に告白するよう母上が説得するシーンは、2月号掲載分のACT61。この回の母上いいんですよ。
「隆! 史緒さんを失いたくないのなら結婚前に話しなさい/
いつも誠実でありたいと願う史緒さんには/誠実で答えるしかないのよ」
「いや… それは確かに正論ですが/
今 その話をするのはリスクが高すぎる」
「頭を冷やしなさい/
史緒さんはあなたが適当に遊んだ女とは違うのがわからないの?
彼女には正論しか通じないのよ!」
……確かに(笑)。
10巻読んでる人なら知ってるはずですけど。神野ママ、史緒の評価すっごく高いんです。
何しろ、史緒ってば、神野ママがずっと家の敷居をまたがせないできてたeiko(神野氏の異母妹)を結婚式の招待客にするって、神野ママを説得しちゃうんです。
さっき書いた、“彼女が--神野の家を変えてゆく”って期待を、神野氏が史緒に抱くようになったのは、この出来事をきっかけにしてのこと。
で、神野ママ、神野氏を説得するためにこんなことも言ってます(ACT61)。
「人様の口から英子の話を聞いた時は/もう情けなくて腹立たしくて/
せめて本人の口から もっと前にわびて欲しかった/
だから解るのよ/
史緒さんは許さない」
“あの誇り高い女性が/
そんな屈辱を許すはずがない”
これは、説得力あるよねー。
とゆーわけで、神野氏、腹が座らない内に、闇雲に、ウィーンに向かったのでした。ってゆーのが、ACT62で描かれる神野氏周りの出来事。なーんか闇雲に焦ってる感じもしてて。
で、ACT63のラストで、ご乱心としか思えない振る舞いに出ちゃったのでしたー。
神野氏ってさー、心の隅っこの方では、史緒と蘭丸とが惹かれあうのを止めれない、みたいにも思ってるのよね。
もう随分前になっちゃってるけど、7巻で女装のピアニスト、ランがワールド・デビューを果たした時の事。
“今まで さんざん見てきたが/ミュージシャン同士はたいてい才能に惚れる/
男と女なら恋愛になるし/同性なら親友か天敵だ/
才能に惹かれるのを止めるのは無理だ”
(7巻P.141)
それやこれやで、ご乱心のような振る舞いに出ちゃったのが、ACT63での神野氏でしたー。
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ACT61~63には、他にも幾つも見所が描かれてたけど。
神野氏周りでは、萌ママVS神野ママの対決。
萌を妊娠させたって言って、養育費をせびりに神野家に乗り込んだ萌ママだけど、神野ママ、これをあしらって撃退しちゃうの。
ある意味、史緒VS萌に負けない頂上対決だったわ(笑)。
ちなみに、神野ママは、萌ママ経由で萌妊娠の一件を聞いて、それで、史緒に挙式前に詫びるよう神野氏を説得する、ってプロットなのでした。
神野氏と史緒との結婚式って、ちゃんと挙式されるのかしらねー(笑)。
その頃、出産予定日も真近に迫ったイタリアの萌の元に、日本から、ある、急報が伝えられていた。……このプロットは、今のとこ直接には神野氏周りに絡んできてないけど。ゆくゆくどうなるか目が離せません☆
ところで、史緒はとゆーと、「ばらの騎士」のオクタヴィアン役のカバーに専念してる日々だった。あいかわらず、優等生(笑)。
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