KannagiCityStory断片001:「買い物」

 ちゃっちゃちゃっかちゃっちゃっちゃっか♪

「わ、新年早々、人多いなあ」
「お、蒼音ちゃん、今日はいい大根が入ったよ!」
「あ、どーもー。わ、すごい新鮮そうですねー」
「だろ、ほら、この歯のぎらつきを見てくれよ」
「うん、すごい、料理してたら指食べられそー」
「……」
「……」
「……普通の野菜、ありますか」
「はあ、蒼音ちゃんもそろそろこの生活慣れたほうがいいって」
「あはは、なかなかそう簡単には。ええと、はい、御代です」
「おう。今年も一年よろしくな」
「はあい」
「イアイア!」
「お、権田のクソじじい、初めやがったな」
「イアイアイア、初売り大奉ォゥ仕! 今朝あがったばかりの大マグロが何と半額!」
「へえ、マグロ……マグロ?」
「ああ、蒼音ちゃんは知らんよな。こっちじゃある程度の大きさの海の魔物は全部マグロって呼ぶんだよ」
「ある程度って、何か、わたしの胴回りの二倍はあるんですけど。しかも蒼い鱗付きのぶつ切り……」
「イアイア、さあ早い者勝ちお雑煮にも最適! 買った買ったあ!」
「いや、買ったって、あんな量食べられないし」
「イア、小分けパック一個三百円あるよ」
「じゃあそれで、て、しまった!」
「イアイア、今年もお得意さんでいてくださいなア!」
「ひゃっはっは、さすがじじい、オレも負けられねえなあ」
「イア、頑張れ頑張れ、野菜屋の若トレント」
「ふん、こちとら寿命には自信あるんだ。ディープワンズには負けねえよ」
「イアイア! 今年も面白くなりそうだ!」
「……ていうか、共食いやなんでもないです、はい」

 ちゃっちゃらちゃんちゃ、ちゃらっちゃんちゃ♪

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