「我らが愛した戦場ヶ原ひたぎは死んだ。何故だっ!」「(普通に)デレたからさ」―『偽物語 下』最終話 つきひフェニックス

『化物語』に始まった怪異話もこれが最後。ファイヤーシスターズの過激な参謀役、阿良々木月火の物語……なんだが、本人はあまり出てこない。むしろ彼女を巡って、我らが主人公阿良々木暦くんがいかに暴走するか、の物語かもしれない。

さて、『化物語』において、登場するなりステップラーで主人公を串刺しにし、その後も過激に歌劇な語りと行動で魅了してきたのが、メインヒロインであろう戦場ヶ原ひたぎ嬢である。前巻『偽物語 上』でも、気がついたら主人公を拉致監禁するという見事なヤンデレぶりを見せてくれた彼女、今話でもその過激なデレぶりを発揮するか、と思いきや全く出てこない。暦くん曰く、

  そういえば、いいニュースがある。
  喜んで欲しい。
  (中略)
  このたび、見事天晴れな更正を果たしたという、そんなめでたきお知らせである。

めでたくないっ!

前話のラストの台詞から、いやな予感はあった。だが、会えば、悪態から入り、毒舌とそれ以上に過激な行動の中にデレを秘めた彼女が、

 毒舌を吐かず
 攻撃もせず
 文房具を、本来の正しい用途で使用する

……ああ、我らが愛したひたぎさんは何処へ行ってしまったのか。普通にデレてしまっては、もはやこの世界にいられないではないか。その過激さ故に彼女はこの物語世界でひときわ輝いていたのだから。

その他の話は、またいずれ。

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