タイムパラドックス、パラレルワールドを扱ったお勧めラノベ
先日、#もの書きで、タイムパラドックスとパラレルワールドの扱いについての話題になった。(参考)
そのときに、ライトノベルからいくつか作品名を挙げたんだけど、けっこうな名作ぞろいなわりに知名度がない作品が多かったので、ちょっとまとめてみたいと思う。
ちなみに、今からの入手はちょっと難しい作品も含まれていますのであしからず。
タイム・リープ あしたはきのう(著:高畑京一郎/電撃文庫)
肉体はそのままで精神だけが未来や過去に移動してしまう不思議な現象に見舞われた少女と、その少女に協力してなぞを説く変わり者の天才少年の物語。構成が大変緻密で物語としての完成度も非常に高い名作で、ミステリとしても大変面白い作品です。特に、冒頭とラストシーンのつながりが大変によいです。ボーイミーツガールとしても楽しめるので、SFは苦手な人にもお勧めできます。
物語そのものは誰にでもお勧めできる大変良質な作品なんですが、注意点が二つあります。ひとつは「タイム・リープ」でぐぐると同名のエロゲが引っかかってしまうので検索するときは「タイム・リープ あしたはきのう」と入力すること。もうひとつ、映画化されてますがはっきり言って香港映画版シティーハンター級の黒歴史なので、映画は見つけてもスルーしてください。
幽霊には微笑を、生者には花束を(著:飛田甲/ファミ通文庫)
未来を見ることのできる少女の幽霊がヒロインのお話。少女が見た自分が殺されるという未来を防ぐために主人公と幽霊の少女が謎を解いていくというお話。ボーイミーツガールであり、ミステリである作品なんですが、トリックの肝になる部分はタイムパラドックスそのもの。ライトノベルらしいキャラクター構成ながら、ストーリー構成も巧みで不自然なところを一切感じさせない名作。
ちなみに、この作品は「夏祭りに妖狐は踊れ」というタイトルの続編(というかシリーズ完結編)があります。そちらもお勧めです。
青く澄んでいく、この恋も未来も 1stソーサレス(著:高瀬ユウヤ/富士見ファンタジア文庫)
未来からやってきた少女が、過去を変えようとするお話。上記二作とは違いミステリや謎解き要素はほとんどない、純粋なボーイミーツガールものです。青春ラブストーリーとして非常によくできたお話で、ひと夏の恋とかの話が好きな人にはたまらない名作です。
それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ(著:庄司卓/富士見ファンタジア文庫)
最初の方で説明されてそれ以降スルーされていますが、この作品に登場するクロノスプレインシステムの理論はSF的に大変濃ゆ~い設定です。簡単に説明すると、未来だけでなく過去にも量子確率論を当てはめて過去も確率的に存在する世界であるという理屈。この理屈でパラレルワールドへの移動を時間移動と同一のものとしてるわけですが、物語の中身はあんまりそれとは関係なかったり。
ところで、続きというか完結編はいつ出るんでしょうねぇ。
時空のクロス・ロード(著:鷹見一幸/電撃文庫)
アフターホロコーストなパラレルワールドを舞台にした物語。シリーズは時空のクロス・ロード三部作+新時空のクロス・ロード三部作+完結編という全7巻構成。最初の三部作はパンデミックで崩壊してしまった世界を舞台にしていたりして、今読むと当時とは違った感想が出てきたりするかもしれません。
さり気に知識量が半端なく、いろんな意味でリアルさを感じさせてくれる良作です。
キミを救う最初の呪文(著:須堂項/MF文庫J)
未来からやってきた魔法少女が大暴れするどたばたラブコメディ。タイムパラドックスを扱っていて、歴史が変わるようなストーリー構成になってるんですが、その結果2巻で因果律がねじれてキャラの設定が書き換えられてしまうというメタな荒業を使っています。なんでもありなのでメイド忍者とかステキなキャラが出てきたりと、いろんな意味でライトノベルらしい作品です。結構面白いコメディなんですが、少し癖があるので人を選ぶかもしれません。
憐 Ren(著:水口敬文/角川スニーカー文庫)
第9回スニーカー大賞奨励賞受賞作。「市民、幸福は市民の義務です(意訳)」な未来から過去流しの刑を受けた少女とその少女に出会った少年の物語。断片的に悲劇的な未来がわかってしまうという設定ですがいわゆるタイムパラドックス的な要素はなく、押し付けられら運命に抗うのが物語の主眼。大変面白い作品だと思うんですが、残念ながら知名度はいまいちのようで。
アストロノト!(著:赤松中学/MF文庫J)
3回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作。ヒロインキャラが未来から時空移動してきていたりするお話なんですが、あくまで本筋は宇宙飛行士の少年が冒険するお話。設定がファンタジーなのに、中身はロケットものでSFテイストばりばりという一風変わった設定ですが、物語としては大変良質です。
GURPSドラゴンマーク(著:グループSNE 友野詳/富士見ファンタジア文庫,富士見ドラゴンブック)
リプレイと小説があります。枝分かれする世界に行って他の時空からの干渉を防ぐ能力者がプレイヤーキャラクターという設定のRPGで、立派なパラレルワールドものですね。ちなみに、GURPS完訳版でのサプリ全部を導入可能ってのが目玉なシステムなんですが、その後GURPSの追加サプリがあまり出なかったためあまり流行りませんでした。
……あれ、これ小説最後はどうなったんだっけ?
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