『仮面ライダーディケイド』印象記:アポロガイストのケレン味も面白かった(第26話「RX!大ショッカー来襲」)
アタシが今年熱心に観てる、『仮面ライダーディケイド』。オフィシャルにリリースされてるパブリシティ的情報を信じるなら、もうそろそろ終盤。8月いっぱいで、終了予定らしくて、仮面ライダーの次タイトルも、事前告知がはじまってる。
アタシ的には、次のライダーへの興味も無くはないけど、「ディケイド」がどんな形で終了してくのか、俄然興味が掻き立てられてる。第26話「RX!大ショッカー来襲」を観たからだ。次回第27話「Black×Black RX」には、期待と不安とがないまぜになってるのだった。
まず、井上正大さん演じる門矢士(仮面ライダーディケイド)と、倉田てつをさん演じる南光太郎(仮面ライダーBlack RX)との対照感が面白かった。この件は、別の雑記記事に書いてる。
こちらの雑記では、第26話で、敵役アポロガイストを演じた川原和久さんの、怪演に焦点をあわせて書いてみたい。
第26話で、敵役アポロガイストを演じた川原和久さんの、ケレン味の濃い怪演がよかった。
印象論として記しておくのだけど、誇大妄想的な野望を得々と語る悪役で。
対面する今風キャラ士の演技に「なんだ、こいつ??」的な戸惑いが感じられて、そこがよかった。
この戸惑いは、アタシの方の妄想的な読み込みかもしれないけど。もし、そうだとしても、アポロガイストの演技がかもし出してたケレン味との対照感から誘導された感知ではある。
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まるで自分探しをするかのように、異世界遍歴を続けてきた門矢士が、第26話で現れたのは、南光太郎が、仮面ライダーBlack RXに変身して、異次元からの侵略者クライシス帝国と戦ってる世界。
Black RXの世界でも、例によって写真を撮ろうとする士。この世界も自分に撮影されたくないようだ……自分にとってよそよそしい(世界だ)、みたいに感じてる士の前に、2体の怪人を従えた白スーツの男が現れる。
「世界の秘密結社が大結集した、大いなる大組織、それが我ら大ショッカーだ」と名乗る白スーツ。これが、川原和久さんの演じるアポロガイスト。
ノリが変なのよ(笑)。いきなりタカビーだし。やたら「大」を使う(笑)。
それから、妙に力んでる(笑)。セリフも「大」のところにアクセントがついてる感じで。
「大ショッカー??……」
士も首を傾げてた(笑)。
これまで、士が、戦ってきた敵に、誇大妄想的な欲望を語る奴がいなかったわけじゃない。
ただ、川原和久さんが演じるアポロガイストは、士が戦ってきた平成ライダー系の敵方幹部級とはノリが違う。
観てると、ノリが違うってことがストレートに感知できて、そこがいい。
アタシは、ヒーローものの敵役とかが、テンション高く見栄をきったりするの、好きなんだけど。
フィクション表現として、それがさまになるには、それなりのセッティングが要る。
例えば、旧世代ライダーの悪役幹部のケレン味って言うのは、ゾル大佐にしろ、死神博士にしろ、ブラック将軍にしろ、ドクトルGや、ヨロイ大元帥にしろ、暗い洞窟の内で、かがり火を炊いているようなアップ・ライトの情景でこそ活きる。
こー言ったらなんだけど、白昼堂々お出ましになられると、チンドン屋さん的にみえちゃう方が少なくない。
それが証拠に、旧世代ライダーの敵幹部のみなさん、止むを得ず、白昼姿を現す時は、たいてい人気の無い山中とか、人気のない磯浜とか、場所を選んでらっしゃる。
さっき、有名どころの幹部キャラを挙げたなかで、わざと地獄大使の名を外したのもそのせいだ。白昼出てらっしゃると、チンドン屋さんぽくみえちゃうNO.1は、なんと言っても地獄大使だろう。
アタシ、好きなんですけどね、地獄大使も、大使が変身したガラガランダも。
ところで、ディケイドの26話に白スーツ姿で登場したアポロガイストですけど、微妙にチンドン屋さんにはなってない(笑)。なんてゆーか、バブリーな成りあがりさん(?)みたいな感じはするけど。
それを言うなら、南光太郎の白の上下、ウィンド・ブレーカーとスラックスも、かなりの若作りだ。
着こなしてみせるのは、役者さんの力だけど。
これも、旧世代ライダー的な、力んで見栄を切るような演技の内での“着こなし”になってる。
この1対の敵役/ヒーロー役は、表現の波長(ファッションや身体性の文化的コード)の同調率が高くて、お約束事的な空間をかもし出してる。
彼らの同調率と比べると、今風な脱力系キャラである士の方は、どうしても違和感をかもし出してる。
士も又、お約束事的なキャラクターではあるんですけど。
士が体現するお約束事と、光太郎&アポロガイストが体現するお約束事は、波長が違ってて。異なる波長が同じ画面の内で起こす干渉みたいなものが、違和感のようにして、感知できた。その違和感が面白い。
ポイントは、これらの表現上の同調や違和が、フィクション内の出来事と、うまくシンクロしてるとこ。
南光太郎が、大ショッカーとやらの組織名をはじめて聞いても、すんなりした感じで対峙できるのは、彼が普段から戦ってるのが「侵略者」の「帝国」だから。
士の方は、それなりに通りすがりの仮面ライダー続けてきても、そんなノリの敵役にお目にかかったのははじめてのはず。だから、士のリアクションに戸惑い感、あるいは違和感のようなものが感じられても当然なのだ。
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東映の、オフィシャルなディケイドのサイトで、第26話のあらすじを、予告記事として読んだときは、悪いけど、アタシ、吹いちゃった。
川原和久さんの「CAST INFORMATION」のとこに、アポロガイストのこと「放送当時、かなり人気のあった敵キャラクターですが」と書いてある。これを、26話のオンエア前に読んだとき、正直、アタシは首をかしげたですよ。
……ウソではない。ウソではないけど、ブッチャケ、針小棒大ではあります。
アポロガイストは、『仮面ライダーX』なんて、地味な番組をみてた、一部の熱心なファンの間では、確かに人気があった。アタシも特撮スキーの悪役スキーだから、アポロガイスト好きだった♪
Xライダーって番組は、『仮面ライダーV3』(1973年~1974年)と、『仮面ライダーアマゾン』(1974年~1975年)の間の4月~10月に、半年だけ放映された番組なのね。半年しか放映されなかったのは、1974年が第1次オイルショックの年だった関係のはずなんだけど。
ライダーマンが4人めのライダーだって覚えてる人でも、Xが何人めのライダーか知らないことは多い。
ちなみに、これを覚えるには、主題歌を唄うといい。歌詞の1部に「XライダーにはVのマークが輝いてる」みたいな意味のくだりがあるから、V=5番めと覚えられる。
「Xが5人め」と覚えとけば、アマゾンが6人めで、ストロンガーが7人めってのは、比較的覚え易いのだ♪
……えーっと、それくらい忘れられ易いライダーが、Xライダーで、その敵役組織の幹部がアポロガイストだったのよ。
で、オフィシャル・サイトで予告記事読んだときは「なじぇ? アポロガイスト??」って思ちゃったわよ、正直。
これが、第26話を観たら、まさにハマってる。
アポロガイストは幹部級の悪役なのに余命が短い。この設定は、1度Xライダーに倒されて、再生手術で再生アポロガイストとして蘇った、ってXライダーの作中展開が、踏襲されてて。この件は、ディケド第26話でもディエンドこと、海東大樹(戸谷公人さん)が語ってくれた。
で、自分の余命を伸ばすために、他人の生命エネルギーみたいのを奪う。この設定は、ディケイドの追加設定かな(?)。多分、Xライダーではなかったように思うんですけど。記憶が曖昧。
予告記事時点では、「なじぇ? アポロガイスト??」って思っちゃったアタシだけど、26話観たら、舌を巻きました。この使い方は、うまいっ♪
マニア向けのお楽しみではあるんですけど。マニアな人でなくても楽しめるはず。
アタシが思うには、26話は、作中で海東大樹が語ってくれたあたりを除けば、アタシがこのマニアックな雑考に書いてるみたいな、かつてのライダー作品についての細かなウンチクなんか、別に知らなくても楽しめる。
でも、知ってると、さらに楽しめる。
楽しみ方は人それぞれなんだけど。マニアにもそうでない人にもそれぞれに楽しめる作品ってのは、悪くない。
マニアにとっては得した気分(笑)だし、そうでない人にとっても、キャラや世界の厚みみたいな感知ができるはずだから。
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マニアックな補足(笑)を追加すると、アポロガイストは、Xライダーの敵組織内で秘密警察の長だった幹部で、怪人にも恐れられ嫌われてた。変身前の白いスーツもX同様。
アタシは、こうしたXライダーで表現されてたキャラ・イメージが、ディケイドの26話で巧く活かされたのを観て嬉しかった。
「巧く活かされた」のがいいって言うのは、「昔のまま」なのが嬉しい的な懐古趣味ではない。
白昼堂々、公衆の面前に、怪人を引き連れて現れ、誇大妄想的な野望を力んだ大見得で語るような、クソリアリズムではない演技が、世界の内で浮いてるようで、そこがいい♪
いかにも「異世界からの乱入者」って感じがする。
川原和久さんの怪演が、画面の内で浮いてて、同様に世界から“浮いてる”はずの士ですら、アポロガイストと対面すると戸惑ってる感じがよかった。
誤解されたくないから、強調しとくけど。アポロガイストが浮いてみえる、ってのは、この場合は、川原和久さんの演技方針が正しいってことなのだ。
今時、帰属組織の「大きさ」を誇るような悪役が、時代がかっていないはずがないではないですか。
テロリストだって、ネットワークの時代です。ネットワークでは、組織体としての大きさよりも、分散した様態や、潜伏しつつの浸透度の方が、優先的に重視される。あるいは、同時多発性とかね。大きさなんかは2の次です。
集中した大きさよりも、分散した広さの方が重視されるってこと。
「大ショッカー」なんて組織名は、時代錯誤な響きとして面白い。その時代錯誤を演じてみせた川原和久さんの演技もいい。だいたい、「大ショッカー」だなんて、虚勢を張ってるように聞こえるじゃーないですか。
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平成ライダー10周年記念番組『仮面ライダーディケイド』の第27話「Black×Black RX」を観た。
いいとこは、結構ある。
ありすぎて、駆け足になってしまってるのが、とても残念。
も
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