『ベン・トー4 花火ちらし寿司305円』アサウラ 半額弁当を目指す狼たちの肉弾小説! 夏休みということで変態度アップ、露出度アップの第四巻は箸休めのつなぎの回

 その昔、火浦功さんの小説に『スターライト☆だんでぃ』というコバルト文庫から出ている、ゆうきまさみさんがイラストの名作シリーズがありまして。今アマゾンで確認したら……出たの1984年かっ! 懐かしいと思ったよ!
 それはさておき、『スターライト☆ぱにっく』という作品で、常人の二倍だか三倍だかの戦闘力を持つ人民服を着た悪の組織の戦闘員がいるのだが、戦闘力を維持するために常人の二倍だか三倍だかの勢いで腹が減るので、悪の組織のエンゲル係数がすごいことになっているという描写があったのを記憶している。
 そして、主人公のボギー(笑)が、この戦闘員ふたりに挟まれたとき、懐から中華饅頭を引っ張り出して、そいつを餌にふたりを戦わせる場面がある。

「歴史上、まれにみる素晴らしい戦いだった。
 歴史上、まれにみることもない、なさけねー動機による戦いだった」

 みたいな描写があったのを、げらげら笑いながら読んだことを記憶している。(描写の細部は不正確。本も埋もれていて行方不明)
 『ベン・トー』の狼たちの戦いを読むたびに、私の脳裏に浮かぶのが、この戦闘員の戦いである。
 どこかでこの本を見つけた人は、ぜひお読みになることをオススメする。あなたがアサウラさんの『ベン・トー』が好きなら、間違いなく面白いと思う。特に最初の『スターライト☆ぱにっく』はエンディングのスタッフロール演出も含めて、素晴らしい出来だ。

 閑話休題。

 さて、シリーズ第4巻の『ベン・トー』であるが、どちらかといえば番外編的な内容である。番外編といっても、相変わらず白粉と佐藤の掛け合い部分がシャレにならないレベルで面白い。
 なお、読む時は必ずプライベートを確保でき、ついでに防音も確認しておいた方がいい。
 私のように間違ってフィットネスプラザで自転車漕ぎながら「インモッインモッインモッ!」の場面(p93)を読むと、トレーナーのお姉ちゃんに「大丈夫ですか? 肉離れですか?」などといらぬ心配をかけることになる。――大丈夫です。笑いを我慢して横隔膜が痙攣を起こしただけです。

 さておき。

 番外編、あるいはつなぎの回ということもあって、たとえば魔術師は登場せず、槍水先輩の過去話もあまり出てこない。3巻のオルトロス同様に、ストーリー部分はゲストキャラがメインの話となっている。
 そのかわり、サブのキャラクターたちは魅力たっぷり。顔見せに出ただけであまり本格的には戦っていない狼たちも含め、どのキャラも素晴らしく……変である。
 特に、1章に出た『企業戦士サラリーマン』のレッドたち四人との戦いときたら、これだけで退場させるのが惜しいほどだ。
 HP同好会とレッドたちが競い合ったのは、おそらくJR高崎駅の『上州の朝がゆ』弁当だろう。栗とエビも入ってるし。毎日100食のみの限定販売ということもあり、手に入らないことも多いそうな。機会があれば食べてみたいと思わせる、しつこく大仰なほどの弁当の描写は今作も健在だ。

 ところで、レッドのあの後だが、私が思うに、あちこちに電話かけて頭さげまくったあとに二時間か三時間遅れで会社に到着したレッドは、自分の荷物と書類がきちんと会社まで届けられていることに気がつくのだ。
 きっと、ブルーかグリーンあたりが会社まで届けてくれて。イエローあたりが「彼は駅で困っている少年を助けるために~」とか説明してくれていたのだ。
 でも、得意先も含めた大事な会議には間に合わなかったと意気消沈するレッドに、上司が、「急げ、もうすぐ先方が来られる」とせかす。何でも、得意先から連絡があって、どうしても会議の時間をずらしてくれと頼まれたらしい。

「運が良かったな。お前はまだ会ってないだろうが、あちらの担当者というのが、会長の孫娘という女性でな。まだ若いが、海外留学の経験もある才女だ。怒らせたら、とんでもないことになることだった」

 そして、会議室に駆けつけたレッドが会った得意先の担当者は――ピンク!

 とゆー展開に違いないと思っているのである。

Cover image

※おかゆ弁当:高松駅>高崎駅に修正090729

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椎出日記 から 水, 2009-07-29 21:05 受信

ベン・トー 4 (4) (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9?6) 作者: アサウラ 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2009/07 メディア: 文庫 1巻『サバの味噌煮290円』にて、スーパーの半額弁当を奪...


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