一条ゆかり、著、『プライド』11,毒気の飛んだ萌(!)と、恋愛に目覚めつつある史緒(!?)
ベテラン・マンガ家、一条ゆかりさんの最新作『プライド』。11巻です♪
オペラ歌手の一流を目指す美女2人、史緒(麻見史緒)と萌(緑川萌)の、プライドを巡るラブ&バトル--のはずなのですが……。
11巻では、オペラ歌手の玉子として、史緒が、萌を大きく引き離す感があります。萌の方は、出産を控えて、穏やかな日々を送ってる。蘭ちゃんは、又も(!)2人より1歩先に、ピアニストとして独り立ちのお許しを、師匠のベティから得ますけど。
うーん、萌と史緒とのいがみ合い、『プライド』のツボだったんですけど。どうなることでしょう?
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プライドと正論の女、史緒と、ダーティー&ハングリーだった萌とのいがみ合いが描かれてない(!)11巻は、これまでと、かなりの雰囲気が変わった感じ。
ずっと読んできてる人は、皆、感じるはずだけど、出産を控えた萌からダーティーな毒気が飛んでる! それはもう、驚くくらい!!
萌の出産、史緒と神野氏との結婚って2大イベントに向けて、展開ペースも変わってて。
主要キャラたちの周囲にも、カメラが振り向けられてるのも、これまでと違う雰囲気を強めてる11巻です。
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萌のお腹の子の父親を、神野氏とにらんだ萌ママ。慰謝料タカろうと、意気揚々と神野家に乗り込みますけど。これは、神野ママが撃退。
実はアタシ(紹介者)は、萌対史緒に負けない“怪獣大決戦”を期待してた(笑)けど。神野ママ、あっさり貫録勝ち(笑)。
やるわね、神野ママって感じですけど。萌ママ追い払った後で、赤ちゃんのこと、結婚式の「前に」自分の口から史緒に告げて詫になさい、って神野氏にきつく言うって展開に。
ここの母子のやりとり、あー、神野ママって、そんなこと考えてたんだー、みたいな納得感がいい。
一方、萌ママの周囲では、若い頃からの腐れ縁ぽい、ふみよおばさんが急病で入院。検査したら、拡張性心筋症で、要手術。
この手術、萌の出産、史緒と神野氏の結婚に劣らない、3つめの事件です。
ふみよおばさんって、これまでも何かと萌の面倒みる感じでチラ出してきたキャラ。小太り気味な、場末っぽいバーのママさんね。
これまでは、さり気にいい立ち位置で萌を支えて、目立たないけど渋いバイ・プレーヤーでしたけど。
入院と聞いて、大きなお腹を抱えて日本に駆けつける萌。
萌の2面性の内、人情がある方は、このふみよおばさんのお陰って話になってる。
それはいいんですけど。注目は、倒れて病院に運び込まれたふみよおばさんに、すがるようにして萌ママが、廊下で泣き喚く場面。ここがいい♪
11巻で、初登場のふみよおばさんの夫の人が、泣き喚く萌ママみながら、ポツリと思うのね。
“いいなあ/
多美ちゃんは”
“あんな事が/
できて……”
そっか、萌ママ、緑川多美て名前なのね、てのは置いといて。
ふみよおばさなんみたいな人が、いくら腐れ縁でも、なんでずっと萌ママと、つるんでるのか、一瞬にして納得できちゃう。
萌ママに言わせると、「ふみちゃんだけなんだよ/裏切らないのは」「娘でさえ/あたしから/逃げたのに」「弁天様/みたいな人/なんだよぉ」だって。
相変わらず、わがままで自己中な言い草ですけど。萌の激情と人情、やっぱり萌ママ譲りなのよね。これも納得。
萌の方が、ふみよさんを慕う心情もわかる気がします。
あれこれが、1度に腑に落ちる名場面♪
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史緒の方は、と言うと、萌の赤ちゃんのこと告白して許しを請いに、ウィーンまで飛んで来た神野氏が、およそらしくない、ご乱心な取り乱しをやらかします。
身にやましいところがあるもんだから、思わず高飛車に出ちゃう神野氏。やーね、男のヒステリーって。史緒は、って言うと、ぽっかーんと、戸惑う感じ。神野氏のご乱心、恋愛経験値低い史緒には、かなり難解な応用問題なのよね(笑)。
ここの神野氏、ママに言われて、“やっぱり結婚式の前に告白しないとまずいかな”って感じで、腹が据わらない内に動いてて。そんなふうだから、ちょっとしたことで取り乱しちゃう。
で、史緒が何か、神野氏が言い出せないでいることがありそうとか、勘ぐるかとゆーと、もちろん気づきません(笑)。
“やっぱり私が/
悪いの?”
“いつも穏やかな/
神野さんを/
あそこまで/
怒らせるような”
“そんなに/
ひどいことを/
私はしたの?”
--とか思ってる。まー、史緒だからしょーがない(笑)。
そうこうしてる内に、史緒は、「ばらの騎士」の舞台稽古に、オクタヴィアン役のカバー(代役)で参加することに。神野氏取り乱し事件は、2人の間では、うやむやな感じになっちゃいます。
と、ゆーわけで、史緒と神野氏の結婚式、萌の出産、ふみよおばさんの手術と、大きなイベントが秒読みなまま、次の12巻に続くって印象が強い11巻なのでした。
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出産を控えた萌の穏やかな様子は、胎教のこととか考えると、物語の内のキャラにとってはいいことだけど。物語にとっては、ラブ&バトルから、萌がリタイアしたような気さえしちゃって。次の巻から、何がどうなってっちゃうのか、正直、不安感も無くはない。
ただ、出産を控えた萌、11巻で、日系イタリア移民のお金持ちを後援者に得てます。ここ注目よ♪
果たして、萌、毒気と共に、音楽への野望も抜けるのか?
萌にとって、歌手になるって夢は、ここまでのものだったのか??
それとも、出産を機に、新境地で史緒に新たなバトルを挑むのか?
かなり雰囲気が変わった感じの11巻。読み返してみると、10巻からもう、物語の雰囲気は変わりだしてることに気づくけど。次の巻からは、どうなっていくことでしょうか?
後、史緒の方は、少しは恋愛経験値あがってきてるみたいだから、これまで気づかずにいたあれこれ、少しは、気づいてほしいなー。
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書誌情報:
一条ゆかり,『プライド』11(クイーンズコミックス コーラス),集英社,Tokyo,2009.
ISBN 978-4-08-865546-8
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ベテラン・マンガ家、一条ゆかりさんの『プライド』が、全12巻で完結。著者の最長長編となりました。
オペラ歌手の一流を目指す美女2人、史緒(麻見史緒)と萌(緑川萌)、生まれ
11巻に至って、「これは『オペラ』的展開なんだ」とようやく気づかされました。ルディ先生とマレーネの台詞があまりにもストレートでしたよ(笑) 作者もここらで明確にアピールしてお...
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