『仮面ライダーW』第1クール:子供心を揺さぶる変身ヒーロー♪

 『仮面ライダーW』は、2009年の9月から、TV朝日の系列で放映スタートした、変身ヒーローもののTVドラマ
 キー局や多くの局では、日曜午前中の放映で、前後の番組と共に、小さな子供さんが、パパやママと観て楽しめる番組になってる。

 12月6日放映(キー局)分で1クール(13話)が放映されて。大まかには1年放映予定の1/4は過ぎてるとこ。ますます快調な感じなので、1話~14話までを振り返ってみたい。
 「前後編で1エピソード」が基本なので、13話までだと内容面で切りが悪いし。「だいたい1/4くらい過ぎたとこでの振り返り」ってことで。

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 番組を観てる人はご存知のように、仮面ライダーWは、日本に設定された架空都市「風都」で活躍する都市伝説なヒーロー。

 ハードボイルドに憧れてる、ハーフボイルド(半熟)な、若い私立探偵左翔太郎(演者=桐山漣さん)と、検索マニアで引きこもりな相棒のフィリップ(演者=菅田将暉さん)が「2人で1人」で、Wに変身。
 鳴海探偵事務所で私立探偵をやってる2人が、実はWだってことは、もちろん風都では、一般には知られていない。

 風都では、「ドーパント」って呼ばれる怪人が、怪しげな力をふるう事件がよく起きてる。
 「ビルが溶け、人が死ぬ……。この街では、よくあることだ」、「ま、我々の仕事のせいだがね」と笑いながら語るのは、人をドーパントに変身させる力を秘めたアイテム、ガイアメモリを密売してる“組織”のボス(らしい)、富豪の園咲琉兵衛(演者=寺田農さん)。(第1話「Wの検索/探偵は二人で一人」)

 作中はっきりとは描かれてないけど、ビルを溶かしたり、鉄塔を倒したりと、スーパーな力を振るって犯罪行為をするドーパントに警察も対処しきれてないっぽい雰囲気。
 そこで、どこからとも無くバイクに乗ったWが現れて、はた迷惑なドーパントの事件を解決する。
 これが、第1クールを構成するエピソードの、基本パターン。

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 2人で1人の変身をする翔太郎とフィリップは、それぞれが3本ずつ、都合6本のメモリを持ってる。(第1クールが過ぎたとこで、第7のメモリー、ファングメモリが導入された)

 変身した後でも、メモリを交換して都合9つものモードに変化するのがWの特徴。
 概ねのモードには、アクションを観てるだけでわかり易い特技や、装備がついてて、これがうまく使われてる。

 例えば、戦う相手のタイプや作戦に併せて、Wの側もモードチェンジしてくんだけど。目まぐるしくさえあるアクションと軽快なテンポが楽しい♪

 さらに、Wが乗るスーパーバイク、ハードボイルダーも、補助マシン、リボルギャリーで搬送されるユニットを出先で換装。陸に、空に、水上にと、アクションを広げる。

 CG合成なども巧く使ったアクション・シーンには、例えば、ビルの壁面を垂直に駆け上るモンスターを、飛行タイプのマシン(ハードタービュラー)に換装して追撃するWとか、面白いとこが毎回1シーンは入る。
 こーゆー画面の見世物性(スペクタクル性)は、小さなお子様がいる親御さんが一緒に観てても、つい、楽しくなっちゃうはず、と思える。

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 軽快なテンポの展開にあちこちで編みこまれるコミカルなやりとりや、シュールな感じのギャグも面白い。

 例えば、ハードボイルド気取りの翔太郎が、探偵小説本の領収書を通そうとして、自称、鳴海探偵事務所所長の亜樹子(演者=山本ひかるさん)に「経費で落ちるかぁっ!!」って、ガナリ立てられるとこがある(笑)。(第9話「Sな戦慄/メイド探偵は見た!」)

 こことか、経費がどうとか、領収書がどうとか、お子様に理解されるとは思えない(笑)んだけど。
 ともかく、コント仕立てなやりとりには、お子様も笑うと思う。
 で、もちろん、パパやママにとっては、何がやりとりされてるか、わかった上で笑うとこよね。

 アタシ(紹介者)が思うには、一言で「子供向け番組」って言っても、「大人がこれはいいものだ、と子供にみせたがる」タイプの番組と、「大人と子供が一緒に観て、それぞれに楽しめる」タイプの番組とでは、実はズレが目立つ。
 この「ズレは目立つ」ってのは、「重なるとこもあるだろうけど、ズレの方が目立つ」ってことね。

 『仮面ライダーW』は、第1クールを観てる限りでは、「小さな子供さんが、パパやママと観て楽しめる番組」になってて、しかも、「大人と子供が一緒に観て、それぞれに楽しめる」ふうにもなってると思える。

 つまり、大人でもたいてーの人は持ってはいる“子供心”を、一時、再活性化してくれるような面白みがある番組。もちろん、お子様にも楽しい。
 そこがいいのだわ。

 「大人と子供が一緒に観て、それぞれに楽しめる」とか言っても、家庭により家族により、許容度にバラつきもあることでしょう。
 例えば、人によっては『クレヨンしんちゃん』とか、「子供と一緒には観たくない」とか、「大人が観るもんじゃない」とか思う、そんな親御さんもいるかもしれない。

 けれど、そんな許容度のバラつきを想定しても、『仮面ライダーW』の、「親御さんが子供さんと一緒に観てる内に、楽しくなる」ような性質は、カバー力が強いと思える。

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 この文章で、アタシが『仮面ライダーW』について言ってるのは、例えばディズニー・アニメの古典的な作品について言われることもあるような「大人でも童心に帰れる」とかのことでもないのよ。領収書の件を思い出して。
 コント仕立てなコミカル・シーンも、変身ヒーローのアクションも、「大人も大人なりに楽しめる子供向け番組」なのだわ『仮面ライダーW』は。
(もちろん、ディズニー・アニメを観て「大人なりに楽しむ」ことができる人もいるでしょう。実は、観る方の構えで左右される面が大きい事柄なのよね)

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 さて、架空都市「風都」で活躍するヒーロー、Wが、都市伝説として有名になる様子は、第4話(「Mに手を出すな/ジョーカーで勝負」)のエピローグにあたる場面で、短く描かれる。

 フィリップも大ファンのアイドル園咲若菜(演者=飛鳥凛さん)がDJやってるラジオ番組内に、「風都ミステリーツアー」ってコーナーがあって。ここに寄せられたリスナーの投稿って形で、「仮面ライダー」って呼称が作中に導入される。
 それまでは、翔太郎もフィリップも、自分たちが変身した姿のことを「俺たちはW(ダブル)だ」って言ってたんだけど。この4話のエピソード以降「仮面ライダーW」って名乗りが生まれたわけ。

 ラジオ番組で呼ばれた「仮面ライダー」って名前を、翔太郎は大喜びで受け入れたんだけど。これには、彼がWをやってる動機も関わってる。

 主人公の片割れ、翔太郎は風都の土地っ子として描かれてて。
 多分、小学生くらいの時、同級生っぽい女の子に「この街はオレのニワ(庭)だ、そこで誰一人泣いててほしかねぇんだ」って言ってた様子が、回想で描かれてる(第2話「Wの検索/街を泣かせるもの」)

 この、ある種子供っぽくもある正義感を、保ったままで大きくなっちゃってるのが翔太郎。
 Wは、警察も、おそらく対処に困ってるだろうドーパント絡みの事件に関わってくけど。年齢不詳の翔太郎は、因縁もあって手に入れたWに変身する力を、泣いてる人を助けようとして使ってく。そんな感じが、翔太郎がWをやってる動機とゆーか、拘りとゆーか。

 こーゆー細かな描写が、実はいいのだわ、『仮面ライダーW』って。
 もしかしたら、お子様はそんな細かなとこは観落とす人も多いかもしれないけど、それはそれでいい。大きくなって、もしDVDとかで観返すことがあれば「あ、こんなとこあったっけー♪」と思うはずだから。
 細かな描写が丁寧な作品の強みって、そーゆー観返しに耐える耐久力。『仮面ライダーW』には、そんな耐久力がある。

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 翔太郎がWをやってる動機とか拘りとかの辺りを、よく描き出したエピソードに、第11話~第12話の「復讐のV」がある。
 このエピソードでは、証拠不十分で平然としてるただの犯罪者に、ドーパントの力を使って復讐しようとする相手のことを、翔太郎は「あのドーパントは泣いてる」とか言ったりする。

 それ以前に、ドーパントの力を宿した幽霊自動車と遭遇した時点から、翔太郎は「あの自動車は泣いてた」とか言うんだけど。
 自称、事務所所長の亜樹子に「自動車が泣くわけないじゃん」と笑われても、自分の直勘を放棄しないで、事件を探っていくし、ドーパントに復讐を止めさせようとする。

 こんな翔太郎のキャラクターも、お子様にはちょとピンとこもあるかもしれない。けれどやっぱり、それもそれでいい。大きくなって、DVDとかで観返すことがあればいいと思うし。
 それに、もし、お子様の方から聞かれたら、パパやママが「あれはね」って話題にしやすいドラマになってると思うから。

 アタシがこの文章で「W」について言ってる「大人と子供が一緒に観て、それぞれに楽しめる」ってのは、そーゆーこと。

 W以外にも、大人も楽しめる子供向け番組はあるはずですけど、今の子供とまったく同じようなノリで楽しめる大人は、実はかなりレアでしょう。
 もちろん「子供だけど大人と同じように楽しめる」ような人は、もっと激レアだと思う。

 例えば、仮に、今10歳くらいのお子様のパパやママが、概ね30過ぎだと想定してみます。このパパやママが10歳くらいだったのは、だいたい1990年の前後って見当になります。
 この20年、世の中かなり変わったし、子供を囲んでる状況も大きく変わってるはず。子供の人口比率自体減ってるんだし。
年齢3区分別人口の推移社会実情データ図録:2010年1月現在に、左記のコンテンツを参照すると、15歳未満の児童の人口比率は、1990年~2005年に18.2%から13.7%と、4.5%減少してなお減少傾向)

 これが例えば、『ONE PIECE』だったら、今ハイティーンのお兄いちゃん、お姉ちゃんにも、今のお子様と同じようなノリの楽しみを共有できる人は、めちゃくちゃ多そうに思える。(比率的に高そうってことね)
 だいたい、原作マンガは1997年から雑誌連載開始だから、今ハイティーンだったら「ジャンプ」読み始めたお子様時代には、もう連載途中だった、ってことになる世代よね。

 『仮面ライダーW』の方は、と言うと、「親御さん世代の大人と、お子様が一緒に観て、『それぞれに楽しめる』」楽しみ易く作れてるのが強み、と思えるのだわ。

 キー局のTV朝日では、「日朝キッズ」と称されてる時間帯に放映中の『仮面ライダーW』。
 アタシが観てる感じでは、直前に放映されてきた『侍戦隊 シンケンジャー』よりも、直後に放映されてきた『フレッシュプリキュア!』よりも、この「それぞれに楽しめる」感じが色濃いのが「W」と思うな。
(前後の番組は、どちらも2010年1月中には終了予定)

 「シンケンジャー」や、「プリキュア!」は、「W」と比較すると、むしろ、「童心に帰れる大人にも楽しめる路線」のような気がアタシにはする。
 もちろん、それはそれで、別路線として、ありなのですけれど。

 『仮面ライダーW』は、関連玩具が、昨年のクリスマス商戦で売り切れ店も出るくらい大人気だったようだけど。「大人と子供が一緒に観て、それぞれに楽しめる」基本形を余裕でクリアしてる番組だから、それで人気爆発状況になってるんだろう、と思うのだわ。

 「親御さん世代の大人と子供が一緒に観て、それぞれに楽しめる」そして話題にし易いのが、『仮面ライダーW』の強みだし、面白みになってる。第1クールのエピソードを観返してみて、そんなふうに思えるのでした。

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