「寝込んでいるところに彼女がおかゆを作りに」のお題に投稿して見る

 玄関のチャイムが鳴るや、ガチャガチャと鍵を開ける音がしたかと思うと、高行の家のドアが開き、女の子が飛び込んできた。
 彼女は靴を脱いで階段を駆け上がると、高行の部屋の扉をノックもせずに開け放す。
「高行! 大丈夫!?」
 ベッドのこんもりと膨らんだふとんが、のそっと動くと、その奥の方から擦れるような声が聞こえてきた。
「ああ、由美か。大丈夫、ただの風邪だから」
「……うん、ほんとに?」
そういって、由美は高行の目の前に座るとすまなそうに彼を見た。
「ほんと」
 高行がその顔を見て微笑む。
「ごめんね。今朝はクラブの朝錬で先に出ちゃったから、学校で休みって知って。ケータイ、電話しても高行でないから…」
「気にするなよ。母さんたちとは家の電話で話したんだろ?」
「うん。今日は家族全員で払っちゃうから帰るまでよろしくって」
「そっか……」
 高行はけだるそうに返事をすると、目を瞑る。
「ちょっと、寝てていいかな? 頭がまだ重くて……」
「うん。起きたら教えて。側にいるから」
「それより……なんか作っておいてよ。こっち、朝から何も食べてなくて……たぶん一眠りすれば大丈夫だから」
「じゃ。おかゆ作っておくから。ゆっくり眠ってて」
「ああ。由美も来てくれたから、もう大丈夫だよ」
そう言われて由美は、急に顔が真っ赤になるのがわかった。
「はは……。熱があるとロクなこと言わねえな、俺」
「……ばか」
「痛てて。病人なんだから労われって」
「高行が悪いのよ」
その言葉に高行はちょっと苦笑いすると
「それじゃ頼むよ…」
そう言うと、高行はすぐに寝息を立て始めた。
そんな高行をしばらく見つめていた由美は、突然立ち上がると
「さあて。リクエストに応えなくっちゃね~」
そうして意気揚揚と高行の部屋を出るが突然立ち止まって、つぶやいた。
「えーと……おかゆって、どう作るんだっけ?」

おしまい

……小説って言うより、プロットだよなあ、これ。

お題「寝込んでいるところに彼女がおかゆを作りに」

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