OtND 0x05 無視できない効果
行動の結果が厳密にルールで規定されたことで、明らかになった問題もある。
ひとつは、ルールが現実を浸食することである。
ルールを厳密に適用した結果、ゲーム内の「現実」とルール上の効果が不整合を起こすことがある。中でもよく起こるのは時間や空間に関する不整合である。たとえば、空間をマス目上に区切って戦闘を行うタイプのゲームでは、狭い空間に押し込められる人数に限界が設定されていることが多い。
この結果、「エレベーターの中には二人までしか入れない」「エレベーターに乗った二人のうち、ボタンを押せるのはどちらか片方だけである」「どの階に移動する場合でも同じ時間しかかからない」といったことが起こる。
結果として、そのゲームが得意とする場面はかなり限定的なものになる。GMは、シナリオごとにルールが有効に機能する限定的な場面、いわばボードゲームでいう「ゲーム盤」に相当する枠組みを設定する必要がある。プレーヤーは、このゲーム盤の中で動き回る限りにおいて、ルールが有効に機能することを保証されるため、ゲームの進行やリソース管理の面において多大な恩恵を受けることができる。
しかし、逆に言えばゲーム盤の外にある事象については、おおむね有効に関与することができないし、GMの負担も大きい。
もうひとつの問題は、ルールがゲームを浸食することである。
GMは、ルールが保証する結果を無視できない。疑わしい人物の中から犯人を捜し当てるようなタイプのシナリオにおいて、「犯人が分かる」という効果が発生したならば犯人を教えなければならない。「対象は死ぬ」という効果を受けたNPCは死亡させなければならない。もちろん、たいていのゲームではGMにある程度の裁量権があり、そうした効果をコントロールしてもよいことにはなっている。
しかし、プレーヤーの意思決定の主要な部分を「リソース管理」が締めるゲームにおいて、GMが裁量権を発揮することは、GMとプレーヤー間の信頼を損なう危険がある。
消費したリソースを差し戻したり、あるいは別のボーナスを与えることでバランスを取ろうとしているゲームもあるが、たとえば「GMが死なせたくないと思っているNPCを殺すために、プレーヤーがリソースをつぎ込んでしまう」といった齟齬自体が解決する訳ではないし、リソースをつぎ込む前であろうと後であろうと、目の前の敵が殺せないと分かった時の、プレーヤーのモチベーション低下を防げる訳ではない(この辺の話はまた後日)。
最近のコメント
6日 16時間前
1週 1日前
1週 3日前
1週 4日前
3週 1時間前
3週 4時間前
3週 3日前
3週 3日前
3週 3日前
3週 3日前