『仮面ライダーW』第17話-第18話「さらばNよ」:「なんでこうなっちまうんだよっ!!」と、翔太郎は呻くように言った

 『仮面ライダーW』の第17話~第18話、「さらばNよ」前後編が、面白い。
 パワー・アップした敵幹部、ナスカ・ドーパントに挑まれる、仮面ライダーW。
 Wの側では、勝手に動き周るファングメモリに翻弄され、思うようにファング・ジョーカーに変身できない。
 第15話~16話「Fの残光」でダッシュした物語が、そのままコーナーに突っ込むような、スリリングな展開が楽しめます♪
 物語は、第13話-第14話「レディオでQ」から、はっきり描き出された“ミュージアム組織”と、その中核、園崎家の内幕を巡り、意外な展開をみせていく。

 それに、「さらばNよ」は、スリリングな展開の面白さだけでなく、鮮やかな印象が残るエピソードでもある。
 TV朝日系で放映中の変身ヒーロードラマだけど。この前後編は、変身ヒーローとか、そんな熱心に好きでもないけど嫌いでもない、くらいの人にもお勧めです♪

----
 「さらばNよ」のメイン事件は、鳥人間と呼ばれるバード・ドーパントが人を襲う事件。

 2人で1人で、ライダーWに変身する片割れ、左翔太郎(演者=桐山漣さん)は、彼を「翔ちゃん」と呼ぶ理髪店の親父さんから、家出してる15歳の娘の行方を捜すよう頼まれる。
 翔太郎は、自分を昔から「お兄ちゃん」と呼んでいた少女を探し出す。しかし、彼女とつるんでる中学生たちは、人間を変身させるアイテム、ガイアメモリーを持っていた。
 「お前、それがどんな物か知ってるのか」と、翔太郎。
 「俺らはただ、おもしろおかしく、やってるだけだよ」と、中学生の少年。
 もう1人の少年がバード・ドーパントに変身するのをみた翔太郎は、「どうやら、1発お仕置きするしかなさそうだな」と、Wに変身。「さぁ、お尻ぺんぺんだ」。

 もちろん、中学生が変身したドーパントなんか、余裕でねじ伏せるW。
 変身を解いて「ごめんなさい。もうしません」とか言ってる少年から、メモリーをとり上げようとするが。
 意外なことに、少年からメモリをパスされた別の少年も、バード・ドーパントに変身。逃げ去っていく。

 ガイアメモリは、それぞれのメモリに体質が適合する者が、生体コネクタの手術を受けなければ、使えないはず……だったのに!?
 様子を物陰から窺っていたナスカ・ドーパント、こと、園崎霧彦(演者=君沢ユウキさん)は、眉をひそめるようにしながら立ち去るのだった。

 「まだ15歳の子どもたちにメモリーが出回っていた。バード・メモリだ」
 「ガイアメモリ販売の目的は、人間を理想的生命へと進化させるため。薄汚い大人たちを犠牲にするのは、納得できる。だが、このケースはルール違反だ」
 ガイアメモリ密売組織“ミュージアム”の中核、園崎家に婿入りしている霧彦(旧姓須藤)の報告に、「わかったわ、調査する」と応じるのは、妻の冴子(演者=生井亜実さん)。
 ミュージアム“組織”の首魁、園崎琉兵衛(演者=寺田農さん)が「レベル2」と呼ぶ超高速移動で、ライダーWに挑んでいく、ナスカだが……。

----
 もうね、タイトルが「さらばNよ」ですしね。ほとんどの人に、わかっちゃうだろうから、書いちゃうけど。第17話~第18話では、ナスカ死にます。

 かっこいいのよ、この死に様が♪

 よく、「本当に面白い作品は、ネタバレしても、面白さが損なわれない(損なわれるにしても、極わずか)」みたいに言われるんだけど。
 「さらばNよ」はまさにそれ!! 霧彦さんが、最後まで張り通す、やせ我慢がかっこいい♪

 はっきり言って、アタシ(紹介者)は、霧彦ってキャラも、ナスカ・ドーパントもそんな好きではなかった。ちょびっと嫌いだったくらい(笑)。
 そんなアタシが言うんだから、信じてちょーだい。組織に対して、意地を通して死んでいく、霧彦さんの死に様は、かっこいい!!

----
 ナスカ・ドーパントは、第3話「Mに手を出すな/天国への行き方」から、“ミュージアム組織”の幹部ってことで登場してきたキャラ。(霧彦さんはもっと前から出てますけど)
 幹部ってことになってるけど、要は、密売組織の方から、逆玉で園崎家に食い込んだ色男でさー。
 冴子の引きがなかったら、今ごろマスカレイド(密売組織の下っ端ね)の1人ですよ(笑)。

 で、やたらスカしてるとこが、いかにも成り上がりのチンピラ風で。そこが、アタシは好きでなかった。
 えーっと……、こーゆーのが、ライバル格だと、ヒーローの株も下がるわよね、くらいに思ってて、チョビっと嫌ってたのだ。

 ところで、ただのカッコつけは、スカしだけど、意地があって張り通す、やせ我慢は、かっこいいのよ♪

 翔太郎なんか、思考回路がシンプルだから、わかり易くて(笑)。
 ろくに出来もしないビリヤードが出来るような振りするのは「スカし」で「ただのカッコつけ」ね(笑)。
 でも、仲間の身を案じて「逃げろ、助けに来たら絶交だ」とか言っちゃうのは……、スマートじゃぁないけど「やせ我慢」で、かっこいい。
 多分、翔太郎本人も、自分の内で整理ついてない感じで、そこも魅力になってるけど(笑)。
 霧彦さんの方は、アタシ、スカし野郎だと思ってた。だけど「Nよさらば」でみせるやせ我慢は、ビックリするくらいかっこいいのだー(♪)。

 キャラも幸せなら、役者さんもいい役とったと思います。
 「Nよさらば」の観どころの1つは、このナスカ=霧彦さんのやせ我慢のかっこよさ。

----
 さて、「Nよさらば」の前後編は、敵組織内の霧彦さん=ナスカのプロット(筋)と、主人公サイドのプロット(筋)とが、組紐のように編まれたエピソードになってます。

 主人公サイドのプロットでは、あり得ないはずの「ガイアメモリ使い回し」をしてく中学生たちを、真剣に追うヒーローがいい。
 終盤、翔太郎が「なんでこうなっちまうんだよっ!!」って、呻くように言う。言いながらも、中学生が変身したバード・ドーパントを止めようとするところは、凄くいい。

「これで、また、飛べるわ♪」
「やめろ……」
“バードッ!!”
「あーっ、さいっこぉに、いい気分♪」
「なんだよ。なんでこうなっちまうんだよっ!!」
「翔太郎。バード・メモリの支配力は未知数だ……。
 下手に闘えば、彼女は死ぬかもしれない……」
「でも、止められるのは俺たちしかいねんだよ!!」
“ジョーカァッ!”
“サイクロンッ!!”
「変身っ!」「変身っ!」

 翔太郎の、呻くようなセリフは、切羽詰まってても中学生をなんとか助けようと、何かをこらえてるような感じがいい。
 これも1種の「やせ我慢」だと思うな。かっこいいです。

 これ、呻くだけで何もしなかったら、ボヤきか、愚痴ですよね。
 力任せに「下手に闘えば、彼女は死ぬかもしれない」。これは、正義の味方としては、避けないと。

 翔太郎が、ヒーローをやってる動機は「自分の街(自分が住む街=風都)で誰も泣いててほしくない」だし。ポリシーは、「罪を憎んで人を憎まず」だから。
 ヒーローは、つらいのだわ。

----
 バード・ドーパントもいい。
 『仮面ライダーW』では、いわゆる怪人の類、ドーパントに変身して、スーパーな力に溺れてくようなキャラクターが、繰り返し描かれてきてますけど。「レディオでQ」(第13話-第14話)バイオレンス・ドーパント「残光のF」(第15話-第16話)アームズ・ドーパントと、暴力に溺れるドーパントを続けて出してきて。
 直後に、「鳥のように空を飛べる」力に溺れる子どもを描いてきた。
 このセンスは、鋭い♪

 そりゃ「鳥のように空を飛べたら」気持ちよさそうよね。
 アタシだってそう思うもん。
 考えてみれば、「空を飛べたら」は、典型的、原型的な変身願望の1つ。それなのに、変身ヒーローものドラマで、「Nよさらば」のように直球ストレートに描かれた例が珍しいのも、妙な話だけど。

 前後の描写も、鮮やかです。この辺も観どころ☆

----
 他にも、やっぱりただの密売組織ではなかった“ミュージアム”、とか。
 生体コネクタ手術って、ポータブル・マシンで簡単に出来るらしい、凄いぞ、“ミュージアム”の技術力、とか。
 それでも、未知の領域がいろいろあるらしい、不思議だねガイアメモリーとか。
 いろいろ観どころはある「Nよさらば」ですけれど。
 この辺は、みんな、シリーズを長い目で観てくときの観どころ。

 「さらばNよ」前後編エピソードの観どころは、組織に対して意地を張ってやせ我慢を通してみせる霧彦さん=ナスカの物語と、中学生を止められるのは俺たちしかいない、と身体を張る翔太郎&フィリップ=2人で1人で変身する仮面ライダーWの物語との、対照と綾なしです。

 死んで行く霧彦さんの最後のセリフは「風都……。やっぱりいい風が吹くな」。
 霧彦の死を知った翔太郎は「俺が依頼された事件は終わった。でも……この街を愛した人間が、また1人……消えた」。
 そんな翔太郎にフィリップは「すごくたいせつなもの、託されちゃったみたいだね」。

 展開はスリリングだし、鮮やかな描写が、印象深い♪
 ことに、流れるいわし雲や、きらめく海面をロングに収めた情景に、ハッとするような画像がいくつもあって、印象に残ります。

====
【おまけ】『仮面ライダーW』資料メモ
第17話「さらばNよ/メモリキッズ」
監督=諸田敏、脚本=長谷川圭一、キー局オンエア=2010年1月10日
第18話「さらばNよ/友は風と共に」
監督=諸田敏、脚本=長谷川圭一、キー局オンエア=2010年1月17日

この記事へのトラックバックURL:

http://drupal.cre.jp/trackback/3008
Drupal.cre.jp から 火, 2010-02-16 00:13 受信

 『仮面ライダーW』の第19話~第20話、「Iが止まらない」前後編が、面白い。
 このところ『仮面ライダーW』の紹介文は、毎回「面白い」と書き出してるけど。ほんとに面白いんだか

覚書:園崎家の陰謀と妄想2(『仮面ライダーW』のネタバレ注意)

 『仮面ライダーW』は、放映が第2クール(第13話~26話)に入ってから、園崎ファミリーの描写が面白くなってきてる♪
 ヒーローと敵対するはずの陰謀集団としての性格が、少しずつ描かれだしてるのね。

 「敵対するはず」ってのも、もって回った言い方だけど(苦笑)。
 園崎ファミリーにしてみれば、「運命の子、来人(フィリップ)」は欲しいけど、今のとこライダーW自体はアウト・オブ眼中って感じ(笑)もあるし。ヒーローの側は、Wにしろアクセルにしろ、まだガイアメモリ密売組織(ミュージアム)と、園崎家の関係に気づいていないウカツさ(笑)。
(ちなみに、このコメントを書いてるのは、第24話「唇にLを/嘘つきはおまえだ」の、キー局オン・エアが終わった時点)

 そりゃ、TVでやるヒーローものドラマですから。その内Wも頑張って、園崎家に肉薄してくとは思いますけれど。今のとこ、余裕しゃくしゃくの園崎ファミリーの様子は、寺田農さん演じる園崎琉兵衛の存在感もあって、見応えがある♪

 やっぱり、“ミュージアム”の組織は、ただの密売ギャング団ではなかったのだ。
(以前、別の覚書メモに書いた時は、「多分」つきの推測だったのね)

 ただ、組織の--とゆーか、園崎家の陰謀には、まだ不明瞭なとこもある。
 先々のドラマ展開をお楽しみに、ってとこだと思うな。
 寺田農さん演じる園崎琉兵衛がともかく楽しみで♪ 園崎冴子(演者=生井亜実さん)や園崎若菜(演者=飛鳥凛さん)も頑張ってます。

 とりあえず、【以下、ネタバレ注意】なのだ。

----
【以下、ネタバレ注意】
 「ガイアメモリ販売の目的は、人間を理想的生命へと進化させるため」。親記事で紹介してる第17話「さらばNよ/メモリキッズ」で、園崎霧彦(縁者=君沢ユウキさん)はこう語ってる。

 語る相手は、妻の園崎冴子。場所は「DC(ディガル・コーポレーション)」のオフィスらしい。
 ここで霧彦が2人の間で周知(と、思ってる)事柄を語ってる感じは、かなりはっきりしてる。つまり、霧彦側のセリフについては、裏読みをする必要は乏しい。
 でも、冴子の方には、いろいろ含みがあって。「真実の一面」だけで、霧彦と会話してる感じ。
 霧彦は続ける「薄汚い大人たちを犠牲にするのは納得できる、だが、このケースはルール違反だ」。「わかったわ。調査する」と、冴子。

 「このケース」と、霧彦が言ってるのは、バード・メモリが、風都の街で中学生の手に渡ってる事態のこと。
 霧彦も、ガイアメモリ販売の目的がフィールド・テストの類だと知ってはいる感じ。

 生体コネクタでメモリを使った人間が、一部の例外を除いて身を滅ぼしてくだろうことも、わかってて密売してたふう。
 こっちの件が、確定的に視聴者に明かされるのは、第22話「還ってきたT/死なない男」でのことになる。
 第22話では、園崎冴子が、妹の若菜にこんなふうに話してる。
「ガイアメモリの強力な毒素は、怒りや憎しみといった、マイナス感情と反応し、使用した人間を暴走させる。心まで完全な化け物に変貌させてしまう」。冴子は「心まで完全な化け物に変貌」した状態を指して「混ざり」みたいに呼んでるっぽい。

 つまり、園崎ファミリーやミュージアム組織は、ガイアメモリの有毒性を知った上で、風都にメモリをばら撒いてる。
(多分、だけど、園崎家式のにしろ、Wにしろ、アクセルにしろ、ドライバーシステムには、メモリ由来の毒素との「混じりあい」を防ぐ機能があるか、あるいは防ぐと期待されてるか、多分、そんな感じなのでしょう、きっと)

 で、まあ、有毒性のあるメモリを密売してるってだけなら、実在の麻薬密売組織とかと大差ない感じの悪さと思えたんだけど。
 決定的だったのは、第18話「さらばNよ/友は風と共に」で、園崎邸地下にある「はじまりの場所」にたどり着いた霧彦に、琉兵衛が語った言葉。
「この場所で、我々は地球の記憶を手にし、ガイアメモリは生まれた。
 霧彦くん。ようこそ、ミュージアムへ。
 地球の記憶は、未だ多くの謎に満ちている。だから実験が必要なのだ。故に、我々ミュージアムは、ガイアメモリを風都に流通させているのだ」

 この後、琉兵衛は、中でも興味をそそられる物としてバード・メモリの名を挙げると、「大人になりきらない年代の子供ほど、より精度の高いデータが得られる」ので、意図的にティーンズにバード・メモリを流したことを語る。

 バード・メモリは進化し、使用した人間はやがて限界を迎えると、語る琉兵衛に、「死ぬということですか!?」と霧彦。
 「無駄な死ではない。それによって得られたデータは、我ミュージアムの目的に大いに貢献するだろう」と、琉兵衛。
 ここで、琉兵衛が口にした「我ミュージアムの目的」が何なのか、それはまだはっきりとしない。(第4話で「すべての人類の統率者」とかチラっと言ってるとこはあるんだけどね
 それでも、霧彦が言ってた「人間を理想的生命へと進化させるため」は、「やっぱり真の目的の一部」でしかないと思える。

 とゆーのも、ここの会話で、霧彦はかなり取り乱しているから。「相手はまだ子供ですよ」と、琉兵衛に詰め寄るけれど、琉兵衛の方は平然と霧彦をいなしていく。

 このやりとりで演出される琉兵衛の大物さ加減が、悪役の描写としていい♪
 「人間を理想的生命へと進化させるため」とか、「私たちは、地球に選ばれた家族」(第15話「Fの残光/強盗ライダー」)とかの、イッちゃってる感じの主張は、変身ヒーローの敵役に相応しい感じ。
 敵役が、色んなリスクやコストを払って、常識外の陰謀を巡らせてくるから、超人的パワーの変身ヒーローもそれらしい活躍が出来るってものだし。
 悪役の方に、悪のポリシーのようなものが確固としてあると、単に力任せ倒せばいいってお話にならないものだから。そこら辺がこれからの『仮面ライダーW』のお楽しみの1つになってる♪

----
 第17話で霧彦が言ってた「薄汚い大人たちを犠牲にするのは納得できる」とかって歪んだ理屈も、イッちゃってる主張を信じてる敵役っぽいとは思う。
 でも、園崎ファミリー頭首、琉兵衛の動じなさは、悪のポリシーが、霧彦の上を言ってる貫禄感があるのだわ。

 何を目指して「人間を理想的生命へと進化させる」なんて、キチガイじみたことを追求してる(らしい)のか、その辺の全容はまだわかんないわけだけど。
 琉兵衛の貫禄感や、にこやかな笑みを絶やさない様子が、敵役キャラとしての魅力になってて。「陰謀の全容」が、少しずつ描かれてく(だろう)って期待感を楽しみなものにしてくれてる。
 ほんとに悪い奴って、もっともらしいことをにこやかに言いながら、とんでもないことをしてくわけじゃん。

 例えば「さらばNよ」で、琉兵衛の貫禄が発揮されてるのは、バード・ドーパントに変身した子供を救う方法を、問いただす霧彦に、あっさりと教えるあたりからのシーン。

 霧彦は、自分のポリシーで、バード・メモリの力に溺れる子供を助けたいわけだけれど。
「霧彦くん。体調が優れないようだね。超高速の力、レベル2まで達しはしたが、どうやらそれが限界のようだなぁ……」と、膝をついたナスカ(霧彦)に琉兵衛。自分の不調を予想してたかのような琉兵衛の様子に「まさか……」と呻く霧彦。
「そう。君も実験体だったのだよ。ナスカ・メモリの謎を解明するためのな。
 もうすぐ、君は死ぬ。……苦しいかね。でも今、すぐに楽にしてあげよう。
 残念だよ、家族が減るのは」

 この「残念だよ、家族が減るのは」って笑みを絶やさず言っちゃうとこが、悪役のセリフとしてすごい重み。

 それに、霧彦にしてみれば琉兵衛に騙されてた、的な思いがあるんだけど。琉兵衛の方にはそんなことはないよ、って、言い分がたたなくはなくて、実はそこもいい。

 なんの話かと言うと、第2話(「Wの検索/街を泣かせるもの」)に遡る。
 ガイアメモリ密売で好成績をあげた霧彦(旧姓須藤)は、園崎家の長女、冴子の引き立ててで婿入りするんだけど、ちゃんとした(?)結婚式の前に、ミュージアム組織の中核に受け入れられる儀式めいた行事を内内でやってた。
 その時、琉兵衛が霧彦にナスカ・メモリを差し出して言うのね「園崎の家の者にのみ与えられるガイアメモリだ。これで死ぬ場合もある……。言い残すことはあるかね?」
 霧彦はにんまり笑うと「自慢の婿の誕生です。お義父さん」と、歩み寄って、ナスカ・メモリを受け取る。

 つまり、琉兵衛にしてみれば「これ(ナスカ・メモリ)で死ぬこともある」と、ちゃんと最初に言ってて、霧彦も覚悟があってメモリを受け取った、形。
 もちろん「真実の一面」しか告げずに、霧彦が勝手に勘違いするに任せた詐欺まがいの論法になるけど。
 悪役として、琉兵衛の方が霧彦よりも数枚上手な感じはする。

----
 このコメントを書いてるのは、第24話「唇にLを/嘘つきはおまえだ」の、キー局オン・エアが終わった時点なんだけど。
 第24話で、冴子はWのメモリの男こと、井坂医師に、心に秘めてた野望を言い当てられて、しかも続くシーンでは、モノローグで自己追認してる。どんな野望かって言うと、父、琉兵衛に下克上してもミュージアムの支配権を握りたい、みたいな野望らしい。
 実は、この冴子の野望については、第18話の終盤でチラっとほのめかされてた。

 ここで、アタシの予想なんだけど。
 第2クールの終盤~第3クール序盤あたりで、10中8、9、冴子の琉兵衛に対する造反が、敵役サイドのドラマの焦点になりそうな気がする。
(不確定要素としては、井坂の動向や、若菜の身の振り方、あるいは、シュラウドの素性が絡んできそうですけれど)
 さらに予想を重ねると、10中8、9、冴子の造反はうまく行かないだろうと思う。描写されてきてる敵役としての重みが違うもんね。

 「第2クールの終盤~第3クール序盤あたりで冴子の造反がきそう」自体、単なる予想だから、予想に予想を重ねる方の「冴子が造反してかつ失敗」な展開は、単純計算のザル勘定で、6割~8割くらいの見当になる(笑)。
 
 このコメント書いてる時点で、そう精度が高い予想ではないわけだけど。
 なんにしても、園崎琉兵衛の野望の全容がはっきりしていくのは、第24話で確定的になった「冴子の野望」の落ち着き方が描かれた後、か、そっちの描写と絡めて少しズレるようなタイミングで、だろうと思うなー。


この記事をブックマーク

人気コンテンツ