OtND 0x0a TRPGと即興性

 TRPGにはルールを浸食する即興性がある。

 D&D3eをプレイしている時、「床に伏せた姿勢で、ドワーフの足の間からクロスボウを撃てるか?」という疑問が生まれたことがある。
 少なくとも、プレイ時点でこの行動を解決するルールおよび公式回答はなかった。ルール上は「できない」とするのが正しい。しかし僕らはこの行動を許可した。「なぜか?」と聞かれれば、「その場のノリ」としか答えられない。その時は、そうするのが正しいと思ったのだ。
 これが、「即興」(インプロヴィゼーション)である。

 TRPGよりも長い歴史を持つ即興演劇の世界では、「即興」を維持するためにたくさんの知識と技術が蓄積されているのだが、それをTRPGにそのまま当てはめるようなことは、ここではしない。

 明かなことは、TRPGにおいて、ルールにないことや、ルールを杓子定規に当てはめると不自然な状態になる(ストーリーの整合性が維持できなくなる)場合、「即興」で決めるとよい、ということだ。

「即興」のポイントは2つある。
 ひとつは、全員の整合性を維持するように裁定すること。つまり、ルールにないことや、ルールで扱いきれないことを処理した結果、ストーリーやキャラクターの行動が不可解なことになってはいけない。
 もうひとつは、「その場のノリ」を重視すること。有利不利を気にしても仕方がない。「常識」も「リアリティ」も持ち出す必要はない。そもそも僕らは現実には起こりえないことを遊んでいるのだ。流れに身を任せるべし。
 最後に、「即興」で決めたことは、「即興」で覆してよい。GMは裁定の一貫性を求められることが多いが、そもそもルールで扱いきれないことを、「同じように一貫して裁定する」と、却って不自然になる。だから、前に同じことがあったからと言って、同じ「即興」を繰り返さなくても良い。

参考リンク:「創意工夫はゲームバランスの夢を見るか」

 失礼、3つだった。いや、即興で決めたもので。

Open the Next Door 目次

この記事へのトラックバックURL:

http://drupal.cre.jp/trackback/3015

ルール解釈が導く風景

 主張なさることの本筋からやや離れた指摘となりますが、少々コメントさせてください。
#即興で対応し、楽しいセッションが行なえたこと自体について異議を唱えるものではありません。

>床に伏せた姿勢で、ドワーフの足の間からクロスボウを撃てるか?
>少なくとも、プレイ時点でこの行動を解決するルールおよび公式回答はなかった。

 伏せ状態の行動については日本語版PHB、P.283に。脚の間からの射撃についてはP.132の遮蔽のルールが適用できます。いずれも基本的な記述であり、「ない」と仰るのには不適ではないでしょうか。
 その上で、セッションの際にそうしたルールを見つけられないことはよくありますし、その際に即興で対応することは、ゲームのテンポを維持する点で有効であります。

 僕が言いたいのは、幾つかのルールでゲーム内の現象が記述されているとき、そのルールから考えた行動、が時に大変ドラマチックになると言うことにも是非言及いただけたらということです。

 上記の伏せ状態の時にはクロスボウ以外の射撃武器は使えませんが、射撃者本人は遠隔攻撃に対しACにボーナスを得られます。ドワーフ自体の遮蔽も相まって非常に有効な狙撃態勢になります(笑)

 即興のポイントとして、全員の整合性を維持することと仰るのは頷けます。プレイグループによって既存ルールからの準用をよしとするところもあり、GM判断に一任するところもあるでしょう。どちらが絶対的に正しいわけでなく、どちらが適切か。ということですね。

ごめんなさい

実は――そんな風には読み取れないと思いますが――「足の間から」というのは「射手の胴体が」ドワーフの足の間にあることを意味しています。つまり、正確には「味方の占有するマスに上半身だけ侵入させて射撃することは可能か?」という問題でした。

いずれにせよ記述が不正確なので、このエントリは後々(といってもいつになるか分かりませんが)清書する時に直しておきます。ご指摘ありがとうございました。


この記事をブックマーク

人気コンテンツ