『仮面ライダーW』第19話-第20話「Iが止まらない」:アクセル全開! さぁっ!! 振り切るぜっ!
『仮面ライダーW』の第19話~第20話、「Iが止まらない」前後編が、面白い。
このところ『仮面ライダーW』の紹介文は、毎回「面白い」と書き出してるけど。ほんとに面白いんだから、しょーがない♪ 是非、観てみてちょーだい☆
TV朝日系で放映中の変身ヒーロードラマです。(キー局では日曜日の午前中に放映中)
第19話では、主人公と別の仮面ライダーが登場。「奴の名はアクセル」!!
「仮面ライダーアクセル」ね。
この仮面ライダーは……、変身する時に、効果音でエンジンを噴かす音がしたり(ブロォン、ブロロロロォーッ)。ご本人がバイク(?)だかなんだか、よくわかんない形態(笑)に変形したり。いろんな意味で、ぶっ飛んでる(笑)けど。強い。むちゃくちゃ強い。
それに、ただ、パワー的に強いだけでなくて、面白いドラマを引き寄せてくれそうなポテンシャルを、ビンビン感じさせる♪
変身する人はエリート警察官なのに、復讐者。しかも、物語の舞台になってる風都出身らしいけど、街を嫌ってる。
主人公(の片割れ)、ハードボイルドを気取ってるけど人情派で、仲間にも「ハーフボイルド(半熟)」と呼ばれ、風都を愛してる左翔太郎(演者=桐山漣さん)とは、ことごとくぶつかり合う感じのキャラで。そこが面白い♪
仮面ライダーアクセルは、多分、仮面ライダーWのライバルとゆー以上に、アンチになって、ガッツリと組み合ってくれそうな、よ・か・ん♪ 楽しみです☆
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◎照井竜登場、そして、変身
風都の都市伝説、仮面ライダーWは、私立探偵の左翔太郎と、相棒のフィリップ(演者=菅田将暉さん)が、2人で1人に変身するヒーロー。このことは、作中では、極ごく1部の人しか知らない。
けれど、ある日、探偵事務所にやって来た見知らぬ刑事、照井竜(演者=木ノ本嶺浩さん)は、鳴海探偵事務所の細かな内情まで知っていた。
照井は、前金をポーンと渡すと、翔太郎を「最近風都で頻発する奇怪な連続凍結事件」、明らかにドーパントの仕業と思える連続事件の捜査現場に連れ出す。
(「ドーパント」ってゆーのは、『仮面ライダーW』に出てくる変身怪人の総称ね)
照井竜は、風都署に、新しく「超常犯罪捜査課」を設立するためにやってきた、エリートって話だ。
「超常犯罪捜査課」は、今回の凍結事件みたいな常識外の事件を担当する、対ドーパント班、らしい。
捜査に出た先でドーパントに遭遇すると、照井は「何をしてる、左っ! 変身して戦えッ!!」と翔太郎に命じる。
彼は、カブトムシ型の小形メカ(ガジェット)を送り込んで、探偵事務所の内偵を重ね、大方の事情を把握した上で、事務所にやって来ていたのだった。
翔太郎が変身に手間取ると、照井は自分のバイクから、異様な両手剣を持ち出して、急場を凌ぐ。この時は、変身したWが参戦し、凍結ドーパントを退散させるんだけど。
照井が持ち出す両手剣(設定上の名前は、エンジンブレード)は、むちゃくちゃ重いらしくて、照井も両手で辛うじて振り回せるくらい。
重い剣を引きずったり、振り回したりする照井の様子は、どっちかって言うと、かっこよくはないんだけど。「何か、重いものを引きずって闘ってる」照井のキャラ描写になってる。
その照井の思いとは……。
出先で得た手がかりを持ち、鳴海探偵事務所に戻った後、照井は、翔太郎とフィリップに、「俺はいずれ、仮面ライダーになる男だ」と、変身アイテム、“A”と記されたメモリーをかざしてみせる。
「俺はいずれ……、仮面ライダーになる男だ」
「この街の連中は、ドーパントを倒す超人を『仮面ライダー』と、呼ぶんだろう。
ならば、俺が代わる。Wでは力不足だ」
ドラマの少し先で、照井は、サングラスとマスクで顔を隠した怪しい女から、変身用のドライバを受け取る。
照井が「シュラウド」と呼ぶ女は、無言で立ち去るが……。
そして、氷結能力を操るドーパント相手に苦戦するWの前に現れる照井は、仮面ライダーアクセルに変身。
「この日を……待っていた。
最強の力を得て、こいつを倒す日をっ!
へんっしんっ!!」
“アクセルッ!”
「さぁっ!! 振り切るぜっ!」
剣を片手で軽々と扱い、ドーパントに挑む仮面ライダーアクセルは、すさまじい戦闘力を示すのだった。
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◎復讐心の内実
多少ネタバレもさせるけど、肝心のとこは外して、照井竜と仮面ライダーアクセルのキャラクター描写を、「Iが止まらない」で描かれたポイントから観ていきたい。
後編の「Iが止まらない/仮面ライダーの流儀」で、本人の口からはっきり語られるけど、照井竜は、刑事のくせに復讐者だ。
照井の家族は、“1年前に風都を震撼させた連続凍結事件”の被害者に含まれていた。
そして、去年の8月、照井本人の眼前で父親が死んだ後、照井の前に姿を現したのがシュラウドだった。
「誰だ貴様はっ!?」
“私は、シュラウド。あなたと同じ苦しみを味わった者”
「……シュラウド」
“犯人が憎いのだろ。力を与えよう……。
私は、あなたの復讐を支える。”--その女が誰かは知らない……。だが、誰でも構わんっ!
「俺から家族を奪った悪魔に、復讐できるならなっ!!」
照井竜は、一言で要約するなら、「憎しみと怒りに掴まれた復讐者」として、物語に導入されたキャラクター。
「憎しみと怒りを主成分にした復讐心」が、照井の引きずっている「重い思い」。
変身前の照井が、超重量級の両手剣を引きずっていくところは、そうした「重い思い」を表象する表現になってる。
これからの物語展開で、照井のキャラクター性が変わっていくのか、いかないのか、それはわからない。楽しみに観ていけばいいことだけど。
「Iが止まらない」で描かれる照井は、「憎しみと怒りに掴まれた復讐者」として、くっきり描写されてる。
例えば、鳴海亜樹子(演者=山本ひかるさん)が、照井を「別人みたいだった」って、言うとこがある。
亜樹子の第一印象では、照井は「クールで切れ者、翔太郎君とは真逆」だったんだけど。
「竜君、別人みたいだったね。あんな乱暴な面があるなんて……。あの怒り、どっから来るんだろう……」
これは、亜樹子が、照井から復讐の動機を聞くより前、はじめてアクセルに変身した照井が、怒りを顕にしてWと闘うのをみた直後、口にしたセリフ。
あるいは、アクセルに変身した照井を止めようとするファング・ジョーカーのフィリップも、「冷静さを欠いているから、本来の力を出し切れないみたいだね」と、こっちは冷静に分析してるとこもある。
こーゆーポイントに注目していくと、照井がアクセルに変身した直後に言うセリフ「さぁっ!! 振り切るぜっ!」も、例えば「普段の抑制をかなぐり捨てるぜっ!」って含意に思えてくる。
照井は、去年の8月、ドーパントに家族を殺されて以来、憎しみと怒りを主成分にした復讐心に掴まれてる。けれど、普段はそれを統御して、表には出さないようにしてるんだろうと、思える。
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照井が滾らせる復讐心は、物語内で、かなり説得的に描かれる。
特に、回想映像で、父親が死ぬシーンの描写がいい。
凍結した父親は、死の間際、照井に「氷、……氷の怪人だ……、Wのガイアメモリーを……」と、語りかけた。
わけもわからず「なんだよ、それ」と、照井が父親の肩に手を差し伸べた時、触れたところから、父親のからだにひび割れが走り、父親は無数の氷塊に砕け散ってしまった。
「それがすべての始まりだった!!」
ドラマでは、照井が、翔太郎、フィリップ、亜樹子の3人に語って聞かせる物語は、「そして彼女が現れた」と、シュラウドとの出会いに進んでいくんだけど。
自分が手を差し伸べたことがきっかけになって、目の前で砕け散ってしまった父親。
この画像描写は、変身ヒーローのドラマならではと言っていいようなもので。
照井が、長い間復讐心を滾らせている心理が、とてもよくわかる。
日曜日の午前中に、幼いお子様を中心にした家族での視聴って、視聴者メイン・ターゲットとの関連でも、考えに考えられた、残酷な出来事の描写だと思える。
つまり、いわゆる残虐描写ではないんだけど。照井の心で滾る憤りが、よくわかる描写になってる。
多分、照井が手を差し伸べなくても、父親は助からなかっただろうけど。人間の心理って、そんな風に納得できるようには動いていかないものよね。
それに、事件があった去年の8月の回想画像が、家に帰った照井が、氷結した屋内をみて、呆然としてる表情から入ってるとこもいい。
この「呆然とした表情」は、もちろん「とても現実とは思えない、信じられない出来事」を目の前にして、呆気にとられている人の描写なんだけど。
その直後に父親が目の前で砕け散って、おそらく、呆気にとられて不安定になっていた、照井の内面的秩序感覚も、同時に砕けたと思う。
アタシ(紹介者)が思うには、それ以来、照井が周囲と結べる現実感覚は、「復讐」を軸にしなければ現実感を感じられないようなものに変調されてしまったのだろう。それが、憎しみと、怒りに彩られた世界の成り立ちだ。
そう思った方が、例えば「その女が誰かは知らない……。だが、誰でも構わんっ! 俺から家族を奪った、悪魔に復讐できるならなっ!!」って照井のセリフや、「この街は悪魔の巣だ」って照井の断定が、わかり易くなる。
あるいは、「この街は腐っている、だから人も腐るんだ」って照井の断定も、わかり易くなる。
「俺はこの街が大っ嫌いだ」と、照井竜が翔太郎に言い放つのは、照井がはじめてアクセルに変身した直後の場面でのこと。翔太郎たちが、照井の復讐の事情を聞くよりも、前に遡ったシークエンスでのことになる。
おそらく、照井が言おうとしてるのは、「ガイアメモリーなんて悪魔の道具を使う奴は、腐った人間だし悪魔だ」「この街は悪魔の巣だし、腐ってる」だから「街の人間も腐る」んだ、ってことだと思える。
怒りと憎しみに彩られた世界を生きている復讐者の感知として、とても説得力がある。
理不尽な暴力を被った照井は、そんなふうに思うことしかできなくなってる、ってことなのでしょう。
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◎キャラクター造形の妙味♪
けれど、そんな照井が「その女が誰かは知らない……。だが、誰でも構わんっ!」「俺から家族を奪った、悪魔に復讐できるならなっ!!」としてる。
ここが、物語的なキャラ造形の妙味♪
もし、シュラウドも、別の「悪魔」だったら、照井はどうするつもりだろう??
「悪魔に復讐するために、別の悪魔の支援を受け入れる復讐者」。
これは面白いドラマ・ポテンシャルを担ったキャラよね。
照井のドラマが、そういう方向に転じていくとは限らないけれど。そうはなっていかない、って兆候も観えない。この辺は、シュラウドの素性や目論見次第。
ただ、照井竜や、仮面ライダーアクセルが、左翔太郎や仮面ライダーWとは、根本的に異なった信条(ポリシー)や、心情を行動原理にしてるキャラだってことは「Iが止まらない」の前後編で、くっきりと印象づけられた。
こ・れ・は、楽しみ♪
仮面ライダーWは、物語内で「仮面ライダー」と呼ばれ、自称し、しかも「正義の味方」とまで呼ばれてる。正義の味方なキャラクターは、一体どんな「正義」を体現して行動するのか、はっきり、くっきり描かれた方が面白いんだけど。
それには、正義の味方ヒーローとは、別種の信条や心情を体現するキャラとガッツリ組み合ったドラマが演じられるといい。そうすると、正義の味方ヒーローのドラマは、すごく面白くなっていく。
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実は、照井竜が、『仮面ライダーW』のTVドラマに初登場するのは、第17話-第18話「さらばNよ」の、エピローグ相当パートだった。
鳴海探偵事務所に、スパイ用(?)に送り込んでいたカブトムシ型ガジェットを回収して--
「嫌な風だ。……だから、嫌いなんだよ、この街は」
--と、つぶやく独り言が、照井竜の最初のセリフ。
(それ以前に、劇場版の「ビギンズナイト」にもチラ出してるんだけど、ここでは置いときます)
製作陣が、はっきりした狙いと、見通しをもって、照井竜=仮面ライダーアクセルを、物語に投入してきた感じが、すごくするじゃぁ、ありませんか♪
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木ノ本嶺浩さん演じる照井竜は、「Iが止まらない」までだと、まだ少しわかりづらいとこもある、とは思います。細かいとこには、まだちょっとわかりづらい点もある。
例えば、照井がよく口にする「俺に質問をするな」ってセリフ。
アタシが思うには、あれは、対ドーパント事件の捜査に関わる時に、出されるセリフな感じなので、やっぱり「滾る復讐心」から出てるセリフなんだろうと思うんですけど。
まだ、ちょーっと、セリフの含意や、セリフの背後にある心理は、掴みづらいかな(??)。
でも、復讐心の内実を、ここまでくっきり描いてくれたWの製作陣。きっと、回を重ねていくにつれて、そーゆー細かいところも、なるほど、と腑に落ちるように描いてくれるだろう、と、これは信頼感をもって予測しているアタシなのでした。
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◎「Iが止まらない」は面白い☆
「Iが止まらない」のエピソードは、この前後編だけに限って言えば、多分、「変身ヒーローものドラマが好きな人」向けだろうと思います。ことに、仮面ライダー、それも、いわゆる平成ライダーが好きな方には是非、お勧め☆
だいたい、「へんっしんっ」とか、暑苦しく力んだ変身(笑)、実に久しぶりよねー。
翔太郎の「さあ、お前の罪を数えろ」とかは、なんか、スカシてるってゆーか、チャラ男風(笑)で、この辺も好対照♪
ただ、多分、全体の流れの中では、このエピソードは、太いプロット(筋)の要になる前後編の1つになってくと思うんですね。
1つ前のエピソード、「さらばNよ」では、ナスカが死んじゃったので、どうしてもお話の上辺では区切りがついて、新展開とかに見えるでしょうけど。
それも間違いではないんだけど、実は、“ミュージアム組織”との戦いって、1段深いプロットで言えば、実は「レディオでQ」から、物語は大きく加速してる。
「超常犯罪捜査課」を風都署に設立した照井も、これから重要な役どころ担っていくに決まってるのだわ♪
なので……、この前後編、変身ヒーローとか好きな人向けだとは思うけど。そんな熱心に好きでもない(嫌いでもない)くらいの人にも、お勧めしちゃえ♪
面白いです☆
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【おまけ】『仮面ライダーW』資料メモ
第19話「Iが止まらない/奴の名はアクセル」
監督=石田秀範、脚本=三条陸、キー局オンエア=2010年1月24日
第20話「Iが止まらない/仮面ライダーの流儀」
監督=石田秀範、脚本=三条陸、キー局オンエア=2010年1月31日
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『仮面ライダーW』の第21話~第22話、「還ってきたT」前後編が、面白い。
第19話-第20話「Iが止まらない」で、仮面ライダーに変身する能力を得た照井竜(演者=木ノ本嶺浩さん)。
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