『仮面ライダーW』第21話-第22話「還ってきたT」:復讐者の覚悟

 『仮面ライダーW』の第21話~第22話、「還ってきたT」前後編が、面白い。
 第19話-第20話「Iが止まらない」で、仮面ライダーに変身する能力を得た照井竜(演者=木ノ本嶺浩さん)。Wのメモリを持つ怪人を、家族の仇と追い求める照井=仮面ライダーアクセルが、「還ってきたT」では、さらにパワーアップ!!

 パワーアップとか以外の、普通のドラマ展開も面白いです。
 警察官なのに、殺された家族の復讐心に掴まれて動いてく、照井の描写がいい。

 でも、多分、普通ドラマの面は「Iが止まらない」と併せて観たほうが、楽しみ易いでしょう。
 もっと言えば、「さらばNよ」(第17話-第18話)から通して観れば、さらに楽しめる♪

 前後編(「還ってきたT」)だけに限定しちゃうと、多分、「変身ヒーローもののドラマが好きな人」の方が入り易そうな気はします。
 変身ヒーローものがさほど好きでもない(嫌いでもない)感じの方は、「Iが止まらない」と併せて観るか、「さらばNよ」から通して観るかがお勧めです。そうすれば、きっと面白さ倍増☆

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 風都の警察署に、超常犯罪捜査課を新設するためやって来た照井竜。「Iが止まらない」では初仕事として、連続凍結事件を、ライダーWの力を借りて解決。「還ってきたT」導入部では、ガイアメモリ密売組織に内通してる警察関係者を洗い出していく。
 「ガイアメモリ」とは、使った人間を超人的能力の怪人(ドーパント)に変身させる、変身用アイテムだ。

 そして警察内部の内通者たちに復讐していく2本角の怪人、トライセラトップス・ドーパントが現れ、仮面ライダーW仮面ライダーアクセルが立ち向かうことになっていく。

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 前編(第21話)「女には向かないメロディ」冒頭で、照井は、部下になった真倉刑事(演者=中川真吾さん)を伴い、内通者ヒムロ刑事が警察情報を“組織(ミュージアム)”の下っ端に手渡してる現場を押さえる。
 照井らは“組織”の下級怪人、マスカレイド・ドーパントたちに囲まれちゃうけど、乱闘になる直前、真倉刑事はドジから気絶。「これで心置きなく暴れられる」と、アクセルに変身する照井は、マスカレイドたちを蹴散らしていく。

 照井らから逃げたヒムロ刑事の方は、口笛と共に闇の中から姿を現した2本角の怪人を前に立ちすくむ。
「この口笛……まさか」「久しぶりだな。ヒムロ」「ミゾグチか……。いや、お前……お前死んだはずじゃ!?」
 ライダーアクセルに変身した照井が駆けつけるのは、内通者ヒムロ刑事が、2本角のドーパントに殺される、まさにその瞬間だった。

 前編のアーバンパート(OP前)では、シリーズの主人公、仮面ライダーWは完璧に置いてけぼりにされちゃってる(笑)。
 前後編を通じる物語でも、自身が復讐者である照井が、もう1人の復讐者、トライセラトップス・ドーパントの復讐行と交差。後編終盤では、結局、照井が相手を倒すことで暴走を止め、お前の復讐心は俺が継ぐと、自分の覚悟を告げることに。
 ここでは、直前、ライダーWで参戦しようとするフィリップを翔太郎が止めるのね。「これは照井の闘いだ」って言って。

 もちろん、主役ヒーローの仮面ライダーWや、2人で1人でWに変身する翔太郎(演者=桐山漣さん)もフィリップ(演者=菅田将暉さん)も、ちゃんと物語に絡んでいくんですけど。
 いろいろあって、復讐には否定的な翔太郎が、最後の決着を、アクセル=照井に委ねるのが物語の中身。
 その「いろいろあって」のとこが面白い前後編です♪

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 紹介の都合で、少しハショってくけど。
 今回の紹介文は、割りとネタバレ多めです。お断りしておきます。

 前編(第21話)アーバンパートで殺されるヒムロ刑事は、実は風都署の内通者の内でも“組織”との窓口に過ぎなかった。照井や翔太郎は、もう1人の内通者、アクツ刑事をそれぞれに追うことになる。

 今回、翔太郎は、真倉刑事からの個人的な捜査協力の依頼を受け、事件に関わりはじめる。
 いったんは「警察みたいな権力にはなびかねぇ。それが、ハードボイルド探偵の鉄則」と、断る翔太郎だけど。真倉の協力要請の動機を聞くと積極的に。
 真倉刑事の動機とは、ロス市警での研修から帰日し、超常犯罪捜査課に加わった美人女刑事、九条綾(演者=木下あゆ美さん)に、いいとこ見せたいってスケベ心だった(笑)。
「照井には1度、ガツンと思い知らせておく必要が、ある」と、翔太郎。
 どうも、美人刑事が照井と親密だと真倉に聞いて、やる気(?)を出したらしい。了見狭いぞ、翔太郎(笑)。

 それはともかく。内通の首謀者アクツ刑事を、それぞれに追う照井と九条、翔太郎と真倉は、アクツを狙って姿を現すトライセラトップス・ドーパントに遭遇。殺されたヒムロ同様、ドーパントを「ミゾグチ」と呼ぶアクツ。ライダーとトライセラトップスとの戦闘に乗じてアクツは逃走。ドーパントも姿を消す。

 ミゾグチは、物語内の今から半年ほど前、汚職が発覚し懲戒免職になった風都署の刑事だった、と真倉。「世間やマスコミに追い詰められ、最後は崖から跳び下りた。もう最低の刑事ですよ」。
 しかし、汚職は濡れ衣に違いない、と確信をもって断言する九条綾。ミゾグチ自殺事件があった頃、研修でロスにいた九条だが、渡米前はミゾグチとコンビだったと言う。

 ミゾグチ刑事は無実の罪を着せられ消された、と推測する照井。おそらくその犯人は、ヒムロ、アクツの2人だ、と九条。殺されたはずのミゾグチは生きていて、ドーパントになり復讐をはじめた、ってことか、と翔太郎。
 ここで「やっぱり、最低だッ!!」と、口を挟む真倉刑事。「立派な警察官なら犯人たちを逮捕し、裁きは法に委ねるべきだ。それをドーパントになって、復讐だなんて」。
「……お前に何がわかる」と言う照井に、鋭い裏拳を1発、人中(鼻の下と唇の上のあたりの弱点ね)あたりに入れられてしまう真倉。「ぼく、なんか間違えたこと言いました??」と、ボヤくけど。
「正論は時として、暴論よりも相手を怒らせる」と、フィリップ。

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 照井と翔太郎たちは、協力してアクツの潜伏先を突き止める。
 そして、アクツはただの内通者ではなく、職にあぶれた街の人間を、ガイアメモリの実験台として“組織”に売り渡すこともしていた、と知る。
「行方不明になっても誰も捜さない人間なんて、警察にいればいくらでも目星がつけられる」と、うそぶくアクツは、秘密に気づいたミゾグチを、ヒムロと2人がかりで殺したはずだった、とも語る。
 こんな悪党警官にも、「お前の命は刑務所に護ってもらえ」と告げる翔太郎だが。復讐者、トライセラトップス・ドーパントは、再び姿を現す。

 トライセラトップス・ドーパントの正体は、フィリップの示唆を得た照井が、前編のラストで明かすけど。
 多分、番組を観れば、“種明かし”の場面より先に予想できる人も多いでしょう。
 あるいは、上までに書いたこの紹介文で予想で来ちゃう人も、少なくないと思うな。だって、エピソード・タイトルを見れば……ねっ♪(笑)

 「還ってきたT」の正体が、後編のクライマックスではなくて、前編のラストで明かされるってのは、つまり「還ってきたT」前後篇の物語は、謎解きミステリが主筋ではない、ってこと。
 少なくともメイン・ディッシュではない。
 じゃぁ、メイン・ディッシュは何か(?)って言えば、「照井と還ってきたT、2人の復讐者が綾なすドラマ」なのだわ。そこに、翔太郎とフィリップ、ライダーWも絡んでいく。

 トリケラトプス(三角竜)をモチーフにデザイン、造形されたトライセラトップス・ドーパントのキャラクターもいい。
 三角竜(トライセラトップス)なのになんで二本角?? とかの恐竜マニアな疑問は、この際、置いときましょう。
 『仮面ライダーW』に出てくる怪人、ドーパントは、「地球の記憶(ガイアメモリ)」なる不思議なものが、人体と相互作用して変身する摩訶不思議な存在だからだ。別に、「恐竜の遺伝子と人間の遺伝子が交じり合ったキメラ」とかの、ハード・エスエフなモンスターではないのよ(笑)。

 トライセラトップス・ドーパントは、鳥の嘴のようにも見える硬そうな口吻を持ってるけど。この部位は噛み合わせがよくない感じで、いつも大きな牙や歯茎(?)のように見える部位がむき出しになってる。
 常に牙を剥いてるようにも、歯噛みしているようにも見えるデザイン-造形には、復讐心と怒りとに満たされたキャラクターの表現として、訴えかけてくるものがある。

 後編(第22話)「死なない男」では、「もう復讐は終わった」と、照井はトライセラトップス・ドーパントにガイアメモリを渡すよう、告げる。
「本当の敵はまだ他にいる」と、ガイアメモリの力で復讐を続ける意志を語るトライセラトップス。
 翔太郎は、「ガイアメモリをこの街にばら撒く組織のことか」と、トライセラトップス・ドーパントの意思を信じようとするが。フィリップは、僕たちにはトライセラトップスを止める責任がある、と翔太郎に言う。
「君だってドーパントがどんな存在か知ってるだろう。ガイアメモリのどす黒い力に飲み込まれてしまった人間たちを」

 物語は、復讐心をエスカレートさせるトライセラトップス・ドーパントが、ガイアメモリ密売組織も巻き込んで、めまぐるしく展開。翔太郎が、照井が、そしてフィリップが次々に翻弄されていく。

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 「還ってきたT」前後編の面白みは、ポリシーが違うヒーロー間のせめぎ合いやそれぞれの葛藤。
 「復讐のV」事件のときは、「復讐なんかで哀しみは消えやしない」と言ってた翔太郎が、トライセラトップスの復讐の意思を信じようとするのは、何故か。
 自身が復讐者である照井が、トライセラトップスを止めようとするのは、何故か。
 そして、真倉刑事には「正論は時として、暴論よりも相手を怒らせる」と告げたフィリップが、相棒の翔太郎にはあえて、僕たちにはトライセラトップス・ドーパントを止める責任がある、と正論を言うのは何故か。
 こうした諸々のドラマが、面白い。
 真倉刑事も、脇役ながらいい味出してるのだわ。一般人代表って感じで。

 他にも、観どころはいくつもあるけど。
 前編だったら、例えば、真倉刑事に裏拳を入れた直後の、照井と九条の会話シーンとかがいい。
 『仮面ライダーW』の舞台、架空都市風都のシンボルとも言える風都タワーを遠望しながら、九条は、前はよくミゾグチとタワーをみた、と語る。
 でも……、と口ごもる九条に「あの頃とはすべてが変わってしまった……。復讐と言う強い感情で」と、照井。
 復讐者の心理が理解できるのか? と尋ねる九条に、「俺にも復讐すべき相手がいるからな」と、照井は応える。

 このシーン、街中を列車が走る光景を中景に、大きな風車がゆっくり回る風都タワーを遠景にCG合成して、全体が、灰色にくすんだようにみえる景観が、いい。
 うらぶれたようにも感じられる、灰色にくすんだ都市景観が、「あの頃とはすべてが変わってしまった」って、照井のセリフと響きあってていいのだわ。
 架空都市、風都も、小綺麗なだけの、理想都市じゃぁないのね、とも思った。悪徳警官の人身売買ネタも出てきたしね。

 あるいは、内通刑事アクツの小悪党ぶりや、アクツ絡みで描写が細かくなる“組織”の内情も面白い。この辺は、シリーズを長い目で観てく時の観どころになるけど。第17話-第18話「さらばNよ」から、第19話-第20話「Iが止まらない」を経て「還ってきたT」まで観ても、充分堪能できます♪

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【おまけ】『仮面ライダーW』資料メモ
第21話「還ってきたT/女には向かないメロディ」
監督=坂本浩一、脚本=長谷川圭一、キー局オンエア=2010年2月7日
第22話「還ってきたT/死なない男」
監督=坂本浩一、脚本=長谷川圭一、キー局オンエア=2010年2月14日

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Drupal.cre.jp から 水, 2010-03-17 05:04 受信

 『仮面ライダーW』の第23話~第24話、「唇にLを」の前後編は、笑える楽しいエピソード。快作です♪
 笑えるだけでなくて、割といい話でもあるし。
 前後編で、仮面ライダーW、仮


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