『仮面ライダーW』第23話-第24話「唇にLを」:シリアスな中身をコミカルに料理した快作♪

 『仮面ライダーW』の第23話~第24話、「唇にLを」の前後編は、笑える楽しいエピソード。快作です♪
 笑えるだけでなくて、割といい話でもあるし。

 前後編で、仮面ライダーW、仮面ライダーアクセル、2人のヒーローが闘うのは、「電波塔の道化師」と呼ばれるふざけた奴。
 後編で「屈折した愉快犯」と言われるこいつは、戦闘力はそんなに無いくせに、人の心を惑わせては面白がる、ヒドイ奴。くっだらない嫌がらせばっかりするところが、また、憎たらしい(笑)。

 Wとアクセル、2人のライダーも、散々おちょくられるけど。後編のクライマックスで、バッチリ思い知らせてやっちゃってくれます。
 このシーン、ライダーたちの方に、割と私憤が混ざってる感じもするけれど(笑)。このエピソードについて言えば、アタシ(紹介者)は、それでも構わないと思うのだわ。

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 前編「シンガーソングライダー」の冒頭、鳴海探偵事務所に押しかけてきて、「事件よ、依頼をするわ」と言うのは、ストリートの女子高生クイーン(演者=板野友美さん)とエリザベス(演者=河西智美さん)。
 よくドーパント絡みの事件調査で翔太郎たちに情報を教えてる2人。事件てドーパントか? と訊かれると、じゃなくて、テレビの視聴者参加型の勝ち抜き音楽番組「フーティック・アイドル」での審査不正を暴いてほしい、と言う。

 「ドーパント」ってのは、超人的な異能力を使って、作中の架空都市風都で暗躍する怪人のこと。
 鳴海探偵事務所の左翔太郎(演者=桐山漣さん)とフィリップ(演者=菅田将暉さん)が、2人で1人で変身する仮面ライダーWは、いつもドーパントと闘ってるけど。Wの正体を知らないクイーン&エリザベスが、顔なじみの私立探偵、翔太郎に、関係ない事件を持ち込むのは、無理もない。

 「フーティック・アイドル」で3週勝ち抜けばCDデビューだったクイーン&エリザベスだけど。3週目の挑戦者が「ちょ~ドヘタ」だったのに勝った、ってのが「もんだい!!」と、口をそろえて、翔太郎に訴える。
 「私たちの名誉のために、審査に不正があったってことを暴いて」と言われる翔太郎。勢いに押されながら「それ……、そのジミーって奴の方がうまかったってだけの話じゃねぇのか??」
 「じゃぁ、1度、聴いてみなよ、死ぬから」

 結局、普段の付き合いだかなんだかわかんないけど、翔太郎は、このドーパントと関係なさそうな依頼を調査することに。
 てゆーのも、クイーン&エリザベスに「1度、聴いてみなよ」って言われて、ジミー(演者=冨田佳輔さん)がいつも路上演奏をしてる界隈のストリートに行ってみたら、演奏は噂以上の殺人的音楽だったからなのだ(笑)。

 “確かに……この殺人ソングが合格したとしたら、どんな奴だって、まず番組の不正を疑うのが自然だ……”
 殺人ソングの威力に薄れゆく意識で、翔太郎はそう思うのだった(笑)。

 ここまでが、OP(オープニング主題歌)前のアーバンパート。

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 OPが終わると、一見、ドーパントとは関係なさそうに思えた「フーティックアイドル」の不正審査疑惑は、当然のように、ドーパント絡みの事件だって、すぐに明らかになっていく。
 第19話-第20話「Iが止まらない」で登場して、風都の警察署に新設された超常犯罪捜査課のチーフになった照井竜(演者=木ノ本嶺浩さん)は、街の噂になってたらしい電波塔の道化師を追ってフーティックアイドルの撮影スタジオに姿を現す。

 撮影スタジオの上のキャット・ウォーク辺り(?)で、照井がライダーアクセルの変身し、Lのメモリのドーパント、電波塔の道化師と戦っている頃、翔太郎とフィリップは「2人で1人の仮面シンガー」として、ステージで歌ってた(笑)。
 いや、依頼の筋は、「番組の不正審査疑惑を調査」ですから、審査員の様子を間近でみよう、ってフィリップの目論見にも、理がないわけじゃぁない、とは思うけど(笑)。

 作中で「正義の味方」とまで呼ばれる変身ヒーローの活躍を描くドラマにしては、軽い感じのこの出だし。コミカルな調子でシリアスな主題も料理する『仮面ライダーW』らしい導入です(笑)。

 「Iが止まらない」で、復讐者として風都に戻ってきた照井を描き、第21話-第22話「還ってきたT」では復讐者としての覚悟を語る照井を描いて。結構ハードな感じで見応えのあるエピが続いたし。緩急つける息抜き的な意味でも、いいと思うな、笑えるエピソードも。

 ただ、こういう楽しみ方をし易いのは、やっぱりすでに『仮面ライダーW』って番組に馴染んでる視聴者。
 あるいは、『仮面ライダー電王』や、『仮面ライダー龍騎』、『仮面ライダー555』などで「コミカルな料理だけど中身はシリアス」って料理法に覚えのある方にもお勧め。

 変身ヒーローものは嫌いでもないけど、やっぱシリアスなドラマはシリアス調でやるものでは(?)、みたいに思われる方には「Iが止まらない」(第19話-第20話)と、「還ってきたT」(第21話-第22話)から通して観てくるのをお勧めしたい。
 あるいは、第17話-第18話の「さらばNよ」辺りから観てきてもいい♪

 もちろん「唇にLを」の前後編も、ただ笑えるだけのお話ではないです。
 ヒーローたちが預かり知らぬところで進んでる、園崎ファミリー(ヒーローと敵対する敵性集団の中核ね)の内幕や、園崎の長女冴子(演者=生井亜実さん)が、照井が仇と狙う「Wのメモリの男」に接近する展開とか、観応えがあって面白い。
 でも、この辺の面白さも、やっぱ、連続して観てきてる人向け、の面白さよね。

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 さて、「唇にLを」の前後編は、単独エピソードとして観ても、ただ、おもしろおかしく笑えるだけのエピソードではない。割といい話でもある。
 大まかに要約するなら、「自分の資質には適していない大望を夢みた青年の、挫折と立ち直り」のお話といったところ。

 こっちの筋の観どころは、前編の終盤から後編(「嘘つきはおまえだ」)に偏ってるんだけど。
 特に、Lのメモリのドーパントに誘惑され不正を依頼しちゃったキャラを、翔太郎が諭す場面がいい。その後で、翔太郎が、ジミーに、ちゃんと挫折に直面すべく促す場面も、悪くない。

 何でかって言うと、左翔太郎って主人公、仲間にも「ハーフボイルド(半熟)」とか、「半人前」とか言われるような奴で(笑)。「自分の資質には適していない大望を夢みる」ジミーを観ても、自分と似てる、とか思っちゃうんですね。
 翔太郎が、ジミーに、ちゃんと挫折に直面すべく促す場面。ここでの翔太郎のノリは「オレモだけどなー」って感じがして、そこがいいのだわ。

 「僕……、どうすれば……」と、言うジミーに、翔太郎は「自分で決めろ」と応える。

「僕……、どうすれば……」
「自分で決めろ。
 男の仕事の8割は決断。後はおまけみてぇなもんだ。

 ……俺の人生の師匠の教えだ」

 この「俺の人生の師匠の教えだ」ってとことか、正直な感じがして、いい。

 この後、ヒーロー側のドラマの筋では、クライマックスにあたるシーンに向けて、翔太郎、フィリップ、照井らが協力。電波塔の道化師をブッチめるんですけど。この場面、先にちょっと触れたようにライダーたちの方に、割と私憤も混ざってる感じはする(笑)。
 けれど、前後編を観てくると、ドーパントをブッチめるシーン、スカッとします☆

 アタシが思うには、翔太郎がジミーのこと、「オレモだけどなー」的に思って接してるから、スカッとした感じで楽しめると思うんですね。それに、翔太郎を演じる桐山漣さんも意欲的に演じてて、いいです。

 一方、クライマックスでヒーローたちが闘ってる同じ頃、ジミーが「フーティックアイドル」3週めに挑戦する場面が描かれます。残念なことに、こちらの場面は、惜しい感じで詰めが甘かった、と思えます。

 この件については、観る人ごとにいろんな感知があることと思います。(あって当然ですし)
 もしかしたら「詰めが甘かった」ってアタシの評価は、前後編を監督した田崎監督には受け入れられないかもしれないけれど。

 ここでは、アタシの意見として、「唇にLを」の前後編、「いい話ではあるけど、惜しい感じ」って評価も書き添えておきます。
 なんで、そんな評価になるのかは、かなりネタバレさせて、あれこれ細かな脈絡を追っていかないと、筋だった説明は難しい。
 ですので、ここでは、単に私見として記しておくことにします。

 「唇にLを」の前後編は、第3話-第4話の「Mに手を出すな」よりもずっとスーッと観れたし。
 3週目のチャレンジに、まっとうに敗れた後の、舞台裏でのジミーとかいいとこもあるので、「いい話」としては惜しい感じと、思うのです。

 「正義の味方なヒーロー」のドラマで、シリアスな内容の主題がコミカル調に料理されても違和感ない方にお勧め。
 快作です♪

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【おまけ】『仮面ライダーW』資料メモ
第23話「唇にLを/シンガーソングライダー」
監督=田崎竜太、脚本=三条陸、キー局オンエア=2010年2月21日
第24話「唇にLを/嘘つきはおまえだ」
監督=田崎竜太、脚本=三条陸、キー局オンエア=2010年2月28日

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 『仮面ライダーW』の第25話~第26話、「Pの遊戯」前後編は、面白い。
 前後編を通して観ると、すごく面白い。
 前編「人形は手癖が悪い」は、ともかくスラップスティックなドタバ


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