『仮面ライダーW』第25話-第26話「Pの遊戯」:鳴海亜樹子、走る!!(AKIKO on the run)

 『仮面ライダーW』の第25話~第26話、「Pの遊戯」前後編は、面白い。
 前後編を通して観ると、すごく面白い。

 前編「人形は手癖が悪い」は、ともかくスラップスティックなドタバタで引っ張るけど。後編「亜樹子オン・ザ・ラン」は、洒落た幻想篇に。
 そして、ヒーローたちが預かり知らぬところで演じられるプロット(筋)では、Wのメモリの男、こと、井坂深紅郎(演者=檀臣幸さん)の、怪しさが炸裂(♪)。不穏な動きをみせていく。

 もちろん、ドタバタで引っ張られる前編にも、ちゃんと幻想味は散らされてます。前編では、スラップスティックなアクションがともかく面白いんだけど。後編で、ギャグではなく鳴海亜樹子(演者=山本ひかるさん)がひた走る頃には、前編に散らされてる幻想味も、ジワーっと効いてくる。そんな作りの前後編。

 依頼人を救いたい一心で、傍からどう思われようと、ひた走る亜樹子がいい♪

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 ある日、鳴海探偵事務所に、可愛らしい服を着た、5歳くらいの少女が忽然と現れる。自称所長の亜樹子に名前を訊かれ「リコ」と応えた少女は、人形の声を聴いて、と、よくわからない依頼を亜樹子にうったえる。

 落ち着き無く動き回るリコに困惑しながら、亜樹子は差し出されたメモ用紙に、ひらがなで書かれた住所を読み上げ、「ここに、にんぎょうがあるの??」と訊ねる。「おねえちゃん、にんぎょうのこえを、きいて」と、繰り返すリコ。
 さらに困惑を深める亜樹子だけど、翔太郎(演者=桐山漣さん)が事務所に顔を出すと、リコは消えてしまう。

 ともかく、メモにある住所を訪ねてみる亜樹子。
 この辺は、暇なら、迷子のペット探しでもなんでも引き受けちゃう亜樹子らしい……かな??(笑)。

 亜樹子が訪ねる先は、文芸評論家、唐木田の、職住を兼ねてる感じの事務所。訊けば、今朝、小荷物で人形が届いてて、誤配らしい様子。「あっちの部屋にあるから、持ってって」と言われる亜樹子。

 それは50cmほどの高さの、端正な顔立ちの少女人形だった。
 人形はリコと同じデザインの衣装を身に着けてて、それだけでなく、顔立ちもリコに似てるし、最近賞を受賞した話題の小説『少女と人形の家』で描かれる少女にも面影が似てるのだった。

 そして、亜樹子は、子鬼のような形相に変化した人形が、唐木田を襲う場面に直面。
 と、ここまでがOP(オープニング)前のアーバン・パート。

 「Pの遊戯」前後編は、鳴海亜樹子にスポットがあてられたエピソードで。肝は、父と娘の関わり(関わりの在りよう)。
 鳴海亜樹子は、ほとんど一緒に過ごしたことのない父親を理想化してる娘なので、そこをキーにして観ると、面白さ倍増です。

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 窓から突き落とされた文芸評論家、唐木田は、救急車で運ばれて行った。なぜか、出場ってくる風都署超常犯罪捜査課の面々。人形が突き落とした、って亜樹子の訴えは、当然のように相手にされない。真倉刑事(演者=中川真吾さん)なんか、亜樹子のことを「殺人未遂容疑」とまで言う。

 刑事さんが、そう言うのは、状況からすれば、まぁ、当然なんだけど。
 駆けつける翔太郎に「信じてくれるよね」と言う亜樹子。「さすがに呪いの人形はねぇだろ。いい年こいて、おにんぎょ遊びか?? 付き合ってらんないよなぁ」とか言われて、大激怒。
 こっちの気持ちも、すごく良くわかる(笑)。

 「こうなったら、私自身の手で、身の潔白を!!」と、一人憤然と盛り上がる亜樹子。コント・ギャグのようなベタな手をつかって、捜査現場から脱兎のように逃げ出してく。

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 リコから託されたメモを頼りに、別の住所を訪れる亜樹子は、さらに人を襲う子鬼人形に遭遇。駆けつける照井竜(演者=木ノ本嶺浩さん)に、助けられる。
 照井は、今回に似た事件、密室で起き、部屋の中に空き箱が残された事件と、亜樹子の話を結びつけ、後を追ってきたのだった。(なるほど、それで超常犯罪捜査課が出場ってきたわけね)
 翔太郎が信じてくれなかった自分の話を、信じてもらえたのか、とぬか喜びしてた亜樹子は、照井の話を聞いてがっくり。むくれながら、現場に残された箱の内に呪いの人形が入っていたのか? と、確かめる。

 しかし、照井は「呪いの人形なんかじゃぁない……。きっと……、ドーパントだ」。
 「あんなちっちゃな!?」と驚く亜樹子だけど、つまり、照井は人形サイズのドーパントが、子鬼人形の正体だ、って語るわけ。
 ドーパントってのは、地方都市、風都で怪しい事件を引き起こしてる変身怪人の総称だ。

 この照井の予想、直感にすぎなくって、推理とか呼べる類ではないんだけど。
 さすが超常犯罪捜査課で、実は面白い。
 照井の部署は名前こそ「超常犯罪捜査課」だけど、実態は、対ドーパント捜査班。
 何か、常識を超えた犯罪がおきたら、とりあえずドーパントと結びつけて考えてみるのは、かえって常識的判断になる……んじゃぁないかなぁ?(笑)。
 ま、まぁ。何でもかんでもドーパントのせいにしてけば、ただのトンデモさんだろうけど。一応、似たような事件が連続してたって話だし。

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 ともあれ、亜樹子は照井の捜査にべったり協力することに。
 所長権限で、フィリップ(演者=菅田将暉さん)に、ほしの本棚で検索させて、容疑者として『少女と人形の家』の著者、堀之内慶應(演者=四方堂亘さん)を絞り込む。
 『少女と人形の家』は、堀之内が自分の娘をモデルにした少女を描いた作品で、亜樹子も読みながら「泣ける!!」と、大感激してた。

 堀之内の娘が「にんぎょうのこえを、きいて」と訴えた少女だ、と思いあたる亜樹子。
 「人形ドーパントの正体は、その少女かもしれないな」と言う照井に、「あんな小さな子がガイアメモリを使うなんて、あり得ない」と、訴えるけれど。「使ったのは、堀之内だ」と、照井は応じる。
 つまり、父親が自分の娘にメモリを使用したのでは、ってのが、照井説。

 「ガイアメモリ(メモリ)」ってのは、人間をドーパントに変身させる、謎のアイテム。亜樹子や、鳴海探偵事務所の面々、それに、仮面ライダーアクセルに変身する照井は、メモリが使用する人間に悪影響を及ぼすことを、体験的に知っている。

 照井説を聞くと、一刻も早く(少女を)助けなくちゃ! と、拳を握り締める亜樹子。ドーパント絡みと聞いて、乗り出そうとする翔太郎を突き飛ばし、照井と捜査に出かけてっちゃう。
 「人形遊びには、付き合ってられないんでしょう! あたしは竜くんと調査するから!!」。翔太郎に、本気で腹たててる亜樹子なのでした(笑)。

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 前編を観て、人形ドーパントの正体を予想できる人は、少なくないと思う。
 それも、変身ヒーロードラマのファンほど、多くなるでしょう。

 ああだろうか、こうだろうか、想像しながら観てくのも楽しいはずだし。
 予想できちゃう人が、山本ひかるさんの演技を楽しみながら観ていくのも面白い。
 もっと言えば、ヒーローたちの預かり知らないとこで演じられてく、井坂と園崎冴子(演者=生井亜実さん)、そして若菜(演者=飛鳥凛さん)のエピソードの含意を、亜樹子や照井が追う、人形ドーパントのドラマと重ね合わせるようにして観てくと、面白さも、さらに味わい深くなってく♪

 例えば、前編のラストで、子鬼のような形相から、愛らしい顔立ちに戻る人形を抱きかかえるようにして見つめる亜樹子の表情がいいし。あるいは、後編で、亜樹子が、リコと面と向かって対話する場面の演技がすごくいい。

 先にちょっと触れたけど、鳴海亜樹子は、父親(鳴海壮吉)のことを「ぼんやりとしか覚えてない」。一緒に暮らしてた時期が長いのは、亜樹子がまだ、ごく、幼かった頃くらいらしい。(第9話-第10話「Sな戦慄」
 その分、亜樹子は、理想化された父親像を抱いてる。
 風都に来てから、鳴海壮吉を「人生の師匠」とまで言う翔太郎と親しく付き合うようになって、やっぱり理想化された話をいろいろ聞かされてきてる。
 そんな亜樹子が、「父親が自分の娘にガイアメモリを使用したのでは」って推測を聞かされて、証拠が薄弱だろうとなんだろうと、真剣になんとかしなくっちゃ的に思うのは、とても自然。

 「Pの遊戯」のドラマの焦点は、「亜樹子が信じる父娘の関係」で、全体としては、「(様々な)父娘の関わり」が肝になってる。

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 前編では、スラップスティックな演出を、意欲的にこなしてく山本さん=亜樹子ですけど。後編では、ともかく走る、走る、必死で走る。体当たりな演技が、亜樹子ってキャラのキャラクター性を、くっきりと描き出してる。

 でも、アタシ(紹介者)は、「Pの遊戯」前後編で、亜樹子が一番いいとこは、自分には人形の言葉なんて聴けないんだ、ってリコちゃんに告げる、向かい合ってのシーンだと思うな。
 このシーン、リコちゃんの子役さんも、演技がすごくうまくやれてるし。
 このシーンがあるからこそ、その後、リコちゃんを救おうと、亜樹子が走る映像も活きてる♪

 こう言っちゃぁなんだけど、数ある「仮面ライダー」の映像ドラマで、幼い子役が、うまく演じてる例は、なぜか数えるほどしかないと思う。「Pの遊戯」は、子役さんにうまい役どころをあてて、面白い幻想譚を描き出してるのだわ♪

 ちょっとマニアックな話になるけど、「仮面ライダー」に出演した子役さんでも、例えば『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』で、「小太郎」こと、少年時代の良太郎を演じてた、溝口琢矢くんは、かなりいい。
 あるいは、『仮面ライダー電王』TV版の後半から、コハナを演じはじめた松元環季ちゃんもいい。モモタロスとかの着ぐるみ(スーツ)相手に、キャラが着ぐるみではないように、あれこれやりとりする演技は、松元環季ちゃん、急速にうまくなったのだ♪
(後、アタシが思い出すとこだと、『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』で、ユウを演じた沢木ルカちゃんや、『仮面ライダー555』の第18話、第19話で、ゲストキャラの少女役を演じた新穂えりかちゃんもいい)

 Wの山本ひかるさんは、意欲的に頑張ってる。ただ、欲を言えば、顔芸みたいな見せ所で、前後の流れが、まだぎごちないような感じは目立つ。意欲的に頑張ってるから、かえって目立っちゃってるので、惜しい。
 アタシとしては、ともかくひた走るような演技をきっかけにして、体当たりなだけではない、架空世界の内での自然さも演じる演技を観たい、と期待してます。
 「電王」でコハナを演じた、松元環季ちゃんだって、別に、最初からノリノリだったわけでもないのだ。
 山本さんは、亜樹子の役を楽しんでる様子は感じられるので、観てる方も、期待のしがいがあるのだわ。

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 さて、最後になるけど「Pの遊戯」前編の、メインフレーバー、仮面ライダー対人形ドーパントのスラップスティックな、アクションについて。
 これはホントに、お・も・し・ろ・い☆

 いや、人形ドーパントの操演は、対仮面ライダー戦の場面だけでなく、ともかく面白いんです。
 多分「パペット・マスター」のシリーズを意識してるだろう操演は、コミカル味ベースのWのフレーバーと、とてもよく引き立てあってる。

 特に、仮面ライダーアクセルや、仮面ライダーWと、50cmほどの人形ドーパントがやりあうアクションは、傑作♪
 耐久力や、打撃力はさほど高くない感じの人形に、的の小ささや小回りで翻弄されまくる、ライダーたちの混乱が、ともかくおかしい(笑)。
 ギャグじゃぁないのよ。ヒーローたちは真剣に立ち向かうんだけど、翻弄されて、さらに焦る、みたいな感じがね、手にとるように観れて、面白いのだわ☆

 『仮面ライダーW』は、コミカルな味付けでも、エピソードごとにしっかりシリアスなテーマも描き出してて、ギャグ番組ではないのだけど。スラップスティックまで行っちゃってる人形操演は、番組本来の「ギャグ番組ではないコミカル味」と、しっかりと引き立てあってる。

 マニア評価かもしれないけれど、これは凄い!! 凄いし、面白いです☆

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【おまけ】『仮面ライダーW』資料メモ
第25話「Pの遊戯/人形は手癖が悪い」
監督=石田秀範、脚本=長谷川圭一、キー局オンエア=2010年3月7日
第26話「Pの遊戯/亜樹子オン・ザ・ラン」
監督=石田秀範、脚本=長谷川圭一、キー局オンエア=2010年3月14日

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 『仮面ライダーW』の第27話~第28話、「Dが見ていた」の前後編は、すごく面白い☆
 第2クール終了直後に、仮面ライダーアクセルのドラマが、急転回。
 ライダーアクセルに変身す

覚書:『仮面ライダーW』第2クールの展開概略

 この覚え書きを書いてるのは変身ヒーロードラマ仮面ライダーW』のTV放送が、「Yの悲劇」の前後編までオンエアされた時点。

 番組は、今年の3月半ばに第2クールを越してるのだ。「クール」は、13話を1ユニットと数える、連続テレビドラマの区分目安。概ね3ヵ月分って見当ね。
 つまり、第2クール越しで、例年1年ほどの放送予定期間の半分が消化された見当。
 番組は、テレビ朝日系列で2009年9月から放送スタート。キー局で2010年3月14日に放映された第26話「Pの遊戯/亜樹子オン・ザ・ラン」で第2クールを周りきったわけ。

エピソード:
 『仮面ライダーW』は前後編、つまり2話で1エピソードを基本パターンに、エピソード間の繋がりが強まったり弱まったりしながら展開してきてる。

 第2クールにかかったエピソードは7本で、次のような前後編だった。

第13話-第14話「レディオでQ」
(前編は、第1クールのラスト回にあたる)
第15話-第16話「Fの残光」
第17話-第18話「さらばNよ」
第19話-第20話「Iが止まらない」
第21話-第22話「還ってきたT」
第23話-第24話「唇にLを」
第25話-第26話「Pの遊戯」

 なお、2010年12月、TVで「レディオでQ」前後編が放映される間に劇場公開された『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』の作中には、Wに関連した「ビギンズナイト」他のエピソードも織り込まれていた。

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第2クール概略:
 第2クールの大筋展開を素描してみる。覚え書きなのだわ。

 まず、「レディオでQ」「Fの残光」で、フィリップ(演者=菅田将暉さん)の素性や、ミュージアム組織との関係が、示唆的断片的に描写された。

 全体像は現時点でも明かされきってはいないけど、第2クール中では、しばらく置いた「唇にLを」「Pの遊戯」で、示唆的描写も重ねられた。長期展開では、強弱をつけた波状の描写と言える。

 「レディオでQ」では、フィリップが、翔太郎(演者=桐山漣さん)や亜樹子(演者=山本ひかるさん)に語らず、おそらく語れずにいる秘密(園崎若菜についての確信)が描かれ、「唇にLを」「Pの遊戯」でも、示唆的に再描写されている。

 「Fの残光」では、フィリップ主導のフォーム、ファング・ジョーカーが導入され、フィリップの素性や、Wドライバーのオリジンなどの不明点が、あらためて強調描写された(未だ明かされていない不明事項があることがさりげなく強調された)。
 作品外情報で、「W第10のフォーム」的に言われるファング・ジョーカーだけど、作品的には、翔太郎ベースのWとは、別のキャラクター
 例えば、ファング・ジョーカーの導入で、フィリップ本人が前線に脚を運ぶ展開が自然な感じで増えてきてる。これも、ファング・ジョーカーのキャラクター性が、他のフォームとは異質なものだから。

 そして、「Iが止まらない」で、木ノ本嶺浩さん演じる照井竜仮面ライダーアクセルが登場。照井登場にで、風都署に、超常犯罪捜査課が開設された。
 照井=アクセルに関連して、シュラウド(声優=幸田直子さん)、井坂深紅郎(演者=檀臣幸さん)、こと、ウェザー・ドーパントも物語に導入。
 シュラウドは第19話で初登場し、井坂は第20話で初登場した。

 ファング・ジョーカー、及び、仮面ライダーアクセルの導入で、翔太郎-フィリップの相棒関係、亜樹子も交えた仲間関係に、照井も交え、関係性の綾なしは、より複雑多彩になっている。
 物語の焦点として「風都における仮面ライダーとは何か?? 如何に行動すべきか?」が作中キャラの間で繰り返し追求された。例えば、第20話のタイトルは「Iが止まらない/仮面ライダーの流儀」。
 作品的には「仮面ライダーとは何者か?? どのようにあるべきか?」の追及描写が重ねられてきてる形なのだわ。

 敵性組織サイドでは、「レディオでQ」「Fの残光」「さらばNよ」の一連の流れで、園崎家の内情がかなり詳しく描かれた。家族間の確執や、威圧-従属などを孕んだ関係錯綜が詳細化され、「さらばNよ」が画期に。
 「Iが止まらない」から、井坂深紅郎(ウェザー・ドーパント)が物語に導入され、新しい展開でヒーローたちがあずかり知らないところで演じられる園崎家のドラマは断続している。

 ミュージアム側では、園崎琉兵衛(演者=寺田農さん)の思惑こそ、まだ概略しか語られてないけれど、園崎家とガイアメモリ密売組織の間に、おそらく園崎冴子(演者=生井亜実さん)がトップの、企業ディガル・コーポレーションがあることの明示的描写が導入された。特に「Fの残光」、「さらばNよ」、「Iが止まらない」で効果的描写が断続。
 「さらばNよ」から、園崎邸地下にある「はじまりの場所」遺跡も画面に直接映されるようになり(第1クール中の第9話-10話「Sな戦慄」では、地下に通じる部屋の暗示的描写のみだった)、この面からも、園崎琉兵衛とミュージアム組織の野望は暗示的示唆的描写の密度が増してきてる。

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第2クールを越えての展開:
 視聴者にとっては、鳴海探偵事務所の3人+照井の錯綜する関係性と対照的に観れるのが、園崎家を中心にしたミュージアム組織側の(ヒーロー側キャラたちは預かり知らない)、やはり、錯綜した関係性だ。

 錯綜を増しているが、大別して、「シュラウド⇔W-フィリップ⇔園崎家」という系と、「シュラウド⇔アクセル⇔井坂⇔園崎家」という系が綾を成している。

 もう1つ「シュラウド⇔(鳴海壮吉仮面ライダースカル)⇔園崎家」という系が、これは背景に潜棲的に暗示描写され、第3クールにかけて描写を色濃くしている。

 第2クールでは、園崎家とフィリップとの関係を焦点にして、第3クール以降に詳細化描写が重ねられる長期展開の予兆のような暗示的示唆的描写が盛り込まれた。
 予想も交えるなら、園崎家とフィリップの関係は、おそらく、シュラウドを交えた三角関係的な関係が大枠になるのだろう。「シュラウド⇔来人⇔園崎琉兵衛」って三角関係のはずなのだわ。
 さらに言えば、本編作中で、「翔太郎、フィリップの今」ではすでに死んでいた鳴海壮吉のミュージアムとの闘いをバックアップしてたのも、シュラウドであるはず。

 翔太郎とフィリップ、それぞれにとっての師匠が、故・壮吉(=仮面ライダースカル)。
 Wの前史にあったのが、「(スカル+シュラウド)対ミュージアム」って関係だったのか、あるいは、「スカル・シュラウド・ミュージアム」的な3者鼎立的関係だったのか、この辺が、第3クール以降のドラマで描かれるかもしれない事柄で、どうなるのか楽しみ♪
(スカル、シュラウド、ミュージアムの3者が、文字通りの意味で三角関係だったという想定は、これはあり得なくはないけれど、蓋然性としては考えづらい気がする)

 上で「前史関係」とした事柄は、『仮面ライダーW』のドラマでは、背景として描写されるはずだ。
 2者対立関係だったのか、3者鼎立関係だったのか、どっちにしろ、焦点になるのは、「運命の子=来人=フィリップ」の素性と、「はじまりの場所遺跡」と、「地球の記憶、及び、ほしの本棚」との関連で。描写としては、「シュラウド⇔来人⇔園崎琉兵衛」って三角関係の枠を踏まえて描かれるはず。
 ここに、翔太郎、亜樹子、照井、若菜がどう絡むのかが楽しみ♪
 できるなら、枠組みからズレ出してって、枠自体を揺らがすような展開を期待したい。

 ともかく、背景関係(前史関係)の描写が、どこまで明示的に描かれるかは、予想しきれない。
 背景描写に、左翔太郎と鳴海亜樹子が、どんなふうに、どこまで関わっていくか?
 ここは、ドラマの焦点として、描写の強度、深度、共に期待される。

 仮に図式化してみると、下記のようかな(?)。
 (仮)「シュラウド⇔(鳴海壮吉=スカル)*[{(翔太郎*フィリップ)=W}*亜樹子)]⇔園崎家」

 興味深いのは、第2クールで導入された、「シュラウド⇔アクセル⇔井坂⇔園崎家」の系が、上の系(仮図式)にどんな綾なしで絡んでいくのか(??)。これまた予断を許さないけど、何か、思わずうなっちゃうような展開を期待。
 予断は許されないけれど、期待としては、「井坂⇔冴子⇔琉兵衛」という歪んだエレクトラ・コンプレックス的構図と、「(冴子/若菜)⇔琉兵衛」という家族内三角関係とが、重合しながら駆動するような展開を期待したい。
 照井くんの役どころが定かでないわね……、やっぱり井坂関連だろうとは思うけれど。

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余禄:
 余禄なのだ。つまり、付け足し的覚え書き。第2クールを越えた先の展開も視野に入れて書いとく。

 「地球の記憶」は、あらゆるガイアメモリの母胎と思える、作中では、“データベース”と比喩される何か。
 第3クールの第32話「風が呼ぶB/今、輝きの中で」では、サイクロンジョーカー・エクストリームが出現した時、シュラウドは「あの2人(フィリップ*翔太郎)は、地球を手にした。今Wは、地球という無限のデータベースと直結している」と語る。
 このシーンの直前、「はじまりの場所」遺跡では、園崎琉兵衛が「そうだ、この時を待っていたのだ」とにこやかに語る。このカットの直前は、園崎若菜が、父、琉兵衛を振り返り「これが私に見せたいものですの?? お父様」と尋ねるカット。

 さらに、同じ回の物語を遡ると、「俺は……無力だ」と呟く翔太郎に、フィリップは「鳴海壮吉のイシを受け継いだWは戦闘マシンであってはならない。強いだけのWに価値は無い」と告げる場面がある。

 サイクロンジョーカー・エクストリームなんてパワーアップしたフォームでも、「仮面ライダーとは何者か?? どのようにあるべきか?」の追及が示唆的描写で錯綜。フィリップ、翔太郎、シュラウド、園崎琉兵衛の間で錯綜しているのだわ。

 面白いじゃーん☆


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