『仮面ライダーW』第33話-第34話「Yの悲劇」:きのうを探す妹が、きのうを捨てようとする姉に迫る時
『仮面ライダーW』第33話~第34話、「Yの悲劇」の前後編は、軽快なアクション、小気味いいカメラワークが楽しめる好篇。
平田薫さん演じる謎の依頼人が、いい感じで小ジャレた味を出してる♪
前編「きのうを探す女」の序盤あたりは、人によっては、変身ヒーローものにしては、ちょっとトリッキーな展開かも、と気になるかもだけど。
実は、前編の後半あたりで、ネタ割れをはじめるとこから、一段と面白さが増す♪
後篇に渡って、面白みが深まってく感じが、おいしいです。
それから「Yの悲劇」では、ライダーWのパワーアップフォーム、サイクロン・ジョーカー・エクストリームも大活躍☆
1つ前のエピソード「風が呼ぶB」で初登場した時は、出てくるなり圧倒的パワーで押し切ったエクストリームWだけど。「Yの悲劇」では、底力を感じさせる描写が、ばっちり描かれます♪
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◎「キノウ」を探して欲しいんです
鳴海探偵事務所にやって来た、見た目ちょっと小悪魔系の美人。行方知れずになった飼い猫を探して欲しい、と言う依頼人は、不破夕子と名乗った。飼い猫の名前が「キノウ」だって依頼だ。
美人には一際甘い左翔太郎(演者=桐山漣さん)は、写真を手に「これはただの猫じゃない。猫の形をした大切な思い出なんだ」と、いかにもチャラ夫らしい、やる気をみせる(笑)。
「困ったことがあれば、鳴海探偵事務所に行け」
「え??」
「……知り合いに言われたんです。……来て正解でした」
「失くした昨日を探すのは、探偵の仕事ですよ」
翔太郎、いつにも増して薄っぺらさ全開です(笑)。
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その頃、照井竜(演者=木ノ本嶺浩さん)ら、風都署超常犯罪捜査課は、例によって、連続する不可思議事件を追っていた。強引な地上げで評判がよくない不動産会社の社員が、立て続けに不可解な事故で重態に陥ったのだ。
1人は、目に見えない何かに引っ張られるような素振りで車道に飛び出し、自動車にはねられた。もう1人は、運転する自動車を狭い路地で爆走させ、民家に突っ込んだ。2人とも昏睡状態に陥ってる。
そして、事情聴取に赴いた照井たちの目の前で、同じ不動産会社の社長も、突然にこやかな笑顔で、歓声を端ながら、楽し気にビルのテラスから飛び降りる。
--と、ここまでが、OP前のアーバンパート。----
OPが終わると、場面は、風都のウォーター・フロントに。
“彼女は不破夕子。猫と一緒にこの街に来たばかりだと言う。一緒に散歩していて、風都ホールの辺りで行方を見失ったらしい”妙なやる気を出して、お人よし全開で猫探しに没頭する翔太郎。
「翔太郎くん!!」と、一緒に来てた探偵事務所の自称所長、鳴海亜樹子(演者=山本ひかるさん)。彼女が指差す先には、ビルの上から翔太郎たちを見下ろす変身怪人(ドーパント)の姿が!----
一方、人をドーパントに変身させるアイテム、ガイアメモリを風都で密売している組織ミュージアムでは、組織の隠れ蓑となっている企業、ディガル・コーポレーションを仕切る女、園崎冴子(演者=生井亜実さん)のもとに不審な手紙が送りつけられていた。手紙の中身は、冴子が明日、ディガル・コーポレーションの重役として公演する「風都の未来を語る」講演会会場で、彼女を襲撃するって襲撃予告状だった。
取り乱す妹の若菜に、「仕事をすれば敵ができる。そんなものにいちいち怯えていては前には進めない」と、冴子。----
この辺までで、概ね4筋のプロットが視聴者に印象付けられると思います。●「探偵事務所を訪れた不破夕子と、翔太郎」の筋
●「超常犯罪捜査課が追う、不可思議事件」の筋
●「翔太郎がWだと知っているかのように姿を見せる、謎のドーパント」の筋
●「組織の女幹部タブー・ドーパントでもある冴子に、送られてきた脅迫状」の筋実際は、「冴子に送られてきた脅迫状」の筋だったら「冴子と若菜」の筋、「冴子と井坂」の筋、「若菜と井坂」の筋などなど、より細かなサブ・プロットが綾をなしてるんですけど。
前編の中盤あたりまでで印象づけられるのは、さっき挙げた4筋と思います。で、前編終盤、この4筋がぐぐっと、一挙により合わさるとこからが、ずんずん面白くなっていく♪
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◎「イエスタデイ」という名のドーパント(怪人)
ウォーター・フロントで謎のドーパントに遭遇した翔太郎は、もちろん事務所のフィリップ(演者=菅田将暉さん)と交信、仮面ライダーWに変身して跡を追う。
Wに応戦しつつ、翻弄するように逃げ続ける、謎のドーパント。
結局、取り逃がしてしまう翔太郎は「なんだったんだ奴は」とボヤく。そこに、猫を抱えて姿を現す不破夕子。お人好しの翔太郎と亜樹子は、「ここはアブナイ奴がうろうろしてる。早く戻った方がいい」と、彼女を帰そうとする。
「ほんとにありがとう。これで明日が楽しみです」と、意味不明な礼を残して去っていく依頼人を、首をひねりながら見送る翔太郎だった。
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半人前の私立探偵、左翔太郎が、相棒のフィリップと、2人で1人の変身をする『仮面ライダーW』。
ほとんどの前後編エピソードで、探偵ものか、ハードボイルドものに似たネタも投入されるけど、毎回、サックリネタ割れされる。
ぶっちゃけ、謎解き自体は、毎回のエピソードのメインディッシュではないんだわ(笑)。「Yの悲劇」でも、そう。
序盤で印象付けられる4筋のプロットが、大筋まとまってくような綾なしを見せる頃には、とりあえずの謎が、さっくりネタ割れされる♪
とゆーか、もし「Yの悲劇」で番組をはじめてみた人がいても、ほとんどの人は、翔太郎が謎のドーパントを取り逃がすあたりで、正体が何者か察しはつくはず。
(これについては、ドーパントのデザインが活きてます)つまり、「不可能と思える事件のトリックは何か?」みたいなネタは、実は「事件を起こしたドーパントの特殊能力は何か??」って謎だから、謎解きミステリの名探偵とは、趣向は似てても料理が違う。
あるいは「謎のドーパントの正体を探れ」的なハードボイルド風のネタも、「ある人物が、どんな欲望に、とり憑かれて、ガイアメモリにハマったか??」ってドラマの導入になってく。
メインディッシュは、こちら。変身ヒーローものだもんね。そーゆーわけで、「Yの悲劇」でも、視聴者に向け、ドーパントの正体をネタ割れさせてくれるシーンは、サックリしてる。
「さぁ、はじめましょうか、左翔太郎くん」と、独り言を言いながら変身するドーパントが、サックリと、イエスタデイ・ドーパントと明かされるとこや、前後の流れは、すごくいい♪
園崎冴子の講演会「風都の未来を語る」の会場と、会場の外のイエスタデイ、そして事務所から講演会場に向かう翔太郎の様子が、交互に、ハイペースで進んでくのが快感。
「さぁ、はじめましょうか、左翔太郎くん」
「みなさんがお聞きになりたいのは、みなさんが愛するこの街、『風都の未来』でしたね」
“イエスタデイ!!”
そして、ドーパントの特殊能力に記憶を操作された翔太郎は、仮面ライダーWに変身して講演会場に乱入! 錯誤した意識のまま、園崎冴子を襲撃!!
過去を踏みにじって未来に進もうとする冴子に、イエスタデイの名を持つドーパントが仕掛ける襲撃の真意は!?
乱入する仮面ライダーアクセルが、Wの制止を試みる!!----
襲撃シークエンスの後、フィリップの機転で、エクストリームメモリの力を使って、Wはイエスタデイ・ドーパントの記憶操作を振り切ります。
ここは、エクストリームWのパワフルさが、さすがだな、って感じ。
そして、イエスタデイ・ドーパントの素性を言い当てるフィリップ。ここで、ちょびっとだけネタバレさせちゃいますけど。イエスタデイ・ドーパントは不破夕子です。
これは、軽いお遊びですよね。渡田亜鈴みたいなもんだもん(笑)。前編「きのうを探す女」の終盤で、フィリップが言い当てるのは、不破夕子とは何者かって彼女の素性。
イエスタデイの本当の正体とは……。
こっちも、『仮面ライダーW』を毎週ずっと観てきてる人には、察しがつく人、少なくもないと思います。
多分そうかな? くらいに感じてて、いざ明かされると、なるほど、と納得する人はもっと多いでしょう。
そして、前の方は観てないとか、うろ覚えとかで、誰だっけ?? それ? 的に思う人でも、後半を観てく内に、イエスタデイ・ドーパントがどんな因縁を抱えて変身怪人になったかちゃんとわかるように描かれてる。
わかるだけではなくて、描写が面白い♪それだけでなく、薄々、彼女の正体を察してても、物語りは面白い。とても気が配られた調理で、おいしい前後編♪
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◎義姉と、いもうとのイエスタデイ
『仮面ライダーW』の第33話~第34話、「Yの悲劇」の前編「きのうを探す女」は、軽快で、小気味よく、小ジャレた話です。軽味が楽しい好篇。
後編「あにいもうと」をあわせて観ると、上辺の軽快さはそのままに、ぐっと渋い物語が展開していく。
実兄を殺した元義理の姉に、「昨日は利用するためにある」って思惑で、接近していく妹。
「俺の仕事は、まだ終わっちゃいねぇ」と、自分を利用した女を追う翔太郎。
翔太郎は、兄妹が幼い頃暮らしていた施設を探し出す。
「イエスタデイで不動産屋たちを襲ったのは、ここを護るためだったんだな」
「さぁね」
「やっぱりあんた……、昨日にこだわってるんじゃないのか?」
「勝手にそう思ってなさい」
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左翔太郎は、1つ前のエピソード「風が呼ぶB」では、10年ぶりに刑務所から出所した男、尾藤勇(演者=小沢和義さん)に「小僧」呼ばわりされて、「お前は薄っぺらい奴だな」とまで言われまくってました(笑)。
そんな翔太郎のこと「ハーフボイルド(半熟)だからスゴイことする」って、持ち上げ気味の期待を、亜樹子が語るとこが、「風の呼ぶB」のクライマックス近くにあったけど。「Yの悲劇」では、翔太郎のチンピラぶりが、いい味で遺憾なく発揮されます♪
思うに、チャラ夫で、軽薄なカッコツケの翔太郎って、死んだ師匠、鳴海壮吉に憧れて私立探偵やってなかったら、きっとチンピラになってた気がする(笑)。
だって、時々だけど、自分のこと「街の野良犬」みたいに認めてることあるし。
実はカッコツケでも、チャラ夫でも、ハーフボイルドでも、私立探偵やってる方が、向上心的によろしいと思うのよね(笑)。そりゃ、翔太郎のことだから、チンピラになってたとしても気のいい奴だろうとは思いますけど。
「Yの悲劇」だと、養護施設の子供たちに竹トンボの秘伝(?)を教える翔太郎とか、好きだな、アタシ。「いいか、みんな。竹トンボってのはな、こやって、軸を両手で挟んで、心んなかで“風になれっ”って祈って、思いっきりまわすんだ。
いくぞ。
せーの、それーっ!!」----
「俺は、まだあんたの昨日を見つけていない」と言いながら、自分を利用した女に追いすがる翔太郎。
「あら、あんな依頼、真に受けてたの?」
この辺、チンピラとヤサグレ女の会話って感じで、いい味だと思うな(笑)。「あら、あんな依頼、真に受けてたの?」
「どんな依頼だろうと、受けた依頼は最後までやりぬくのが探偵だ」
「それは探偵じゃぁない。ただの愚か者よ」
「……。
あんた、ほんとにミュージアムの片棒担ぐつもりか??」
「だったら、どうするー?」「必ず私の力を認めさせるわ、お義姉さん」。イエスタデイのメモリを使う義妹の思惑とは??
実の妹(若菜)に「あなたでも昔を振り返ることがあるのね」と、からかわれ、「そんなんじゃない」と否定する冴子のたくらみとは?果たして、エクストリームWのプリズムブレイクは、イエスタデイを過去から解放することができるのか!?
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「Yの悲劇」の前後編は、軽快なアクション、小気味いいカメラワークが楽しめる好篇。
前編は小ジャレた感じで入ってくるけど、後篇にかけて、ぐっと渋くなる。
そして、ちょっと前のエピソードから続けて観て来ると、面白さ倍増。
もっと前の方から続けて観て来ると、さらに面白く楽しめる。手のかかった丁寧な料理です♪
味わいが複雑微妙で、面白い☆
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【おまけ】『仮面ライダーW』資料メモ
第33話「Yの悲劇/きのうを探す女」
監督=石田秀範、脚本=中島かずき、キー局オンエア=2010年5月2日
第34話「Yの悲劇/あにいもうと」
監督=石田秀範、脚本=中島かずき、キー局オンエア=2010年5月9日
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「Rの彼方に」は、変身ヒーローものTVドラマ『仮面ライダーW』の第35話~第36話。
圧倒的に面白い前後編ですッ☆
父を殺した怪物の影に、怯える少女。
照井竜(演者=木ノ本
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