『プライド 1~3』一条ゆかり 渦巻く情念、激突する才能が生み出すハーモニー

■本日の読書:『プライド 1~3』一条ゆかり

 一条ゆかりさんの漫画というと、『砂の城』みたく女の情念うずまくシロモノが多い。まあ、『有閑倶楽部』のようなものもあるっちゃーあるのだが、やはりこちらでも時折キャラが鬼気迫る表情をするのを見て、ニヤリとしてしまうことがある。

 この作品では、史緒と萌というふたりのヒロインが出てくるが、何もわざわざここまで激突せんでもと思うくらい互いにぶつかりあう。
 どちらも才気あふれる美女ふたりの間に黒い瘴気がわきあがり、眼に狂気の色が浮かぶわけで、ファンとしては怖気をふるいつつも読む手を止められないというものだ。

 ところが、その不倶戴天な激突が3巻でお互いを補いあい高めあう展開へとつながる。
 これはなかなか予想外の展開で、面白い。

 ただ、そこで「コレで激突は終わりか」などと考えては一条ゆかりさんを見誤ることになる――と、私は現時点で予想している。

 本筋はあくまで女の情念うずまく底なし沼のごときぐだぐだであり、こんな、才能が結びつくぐらいで決着がつくようなそんな物わかりの良いキャラなど出るはずもないのだ。

 物わかりはあくまで悪く。
 死ぬまであきらめずにあがき続ける。
 それどころか、死んだ後もトラウマを残して呪いをかける。

 これが一条ゆかりさんの描く女というものであり、私には理解も共感もできないのだが、それゆえに私は一条ゆかりさんの漫画を好ましく思うのだ。

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