一条ゆかり、著、『プライド』4,S.R.M.の空中分解
ベテラン・マンガ家、一条ゆかりさんの最新作『プライド』。
オペラ歌手の一流を目指す美女2人の、ライバル関係を主軸に展開されるラブ&バトル☆
史緒、蘭(蘭丸)、萌が結成し、キャラクター間に、互いの理解もたらしたS.R.M.が、4巻で空中分解!
そして、3巻に続いて、新登場の重要キャラも、ラブ&バトルに絡む☆

2007年5月現在、雑誌「コーラス」に連載中の『プライド』。4巻には、2004年11月号~2007年3月号、5月号の掲載分が採録されている、とのこと。
なお、この記事では、『プライド』4巻の内容について、不必要なネタバレは避けながら、読みどころをご紹介してみます。
ただ、3巻までの内容は、必要に応じて、随時言及しますので、ご了解あれ。
用語:プライドから、色々レヴュー記事もたぐれますので。よければ、どうぞ。
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オペラ歌手の一流を目指す、史緒と萌。
天敵同士とも言えるライバル関係にあった2人だが、共に勤めるクラブ「プリマドンナ」で、ピアノを弾く女装のピアニスト蘭(蘭丸)の提案で、美女3人ユニットS.R.M.を結成。
史緒と萌、互いの長所を掛け合わせ、欠点を補い合うようなハーモニーの手応えが、天敵同士をユニットに惹きつけたのだった。
S.R.M.は、蘭丸が長年温めてきた楽曲を、“Invocation”(祈り)として、一挙に具体化しいった。
そして、4巻冒頭で、史緒と蘭は、偶然、萌の母親と会う。
S.R.M.がTVデビューした、深夜生番組が放映された直後のことだ。
「ねえあんた/萌の友達/なんだろ?/
あの子 今/どこにいるか/教えてよ」
「冷たい子/でさあ/
母ひとり/子ひとりなのに/家出しちゃって」
〔中略〕
「萌さんが/教えていない/ものを私が/教える訳には/いきません/
心配していたと/伝えておきます」
〔中略〕
「ねっね/悪いんだけどさ/
2万ほど/用立ててくれ/ないかな」
「お金は萌に/請求して/くれれば/いいから」
〔中略〕
「その金で/さっきのホストの/とこに行くんだろ/
萌ちゃんが家出/するの当たり前だよ」
母親と会わないよう、注意していた萌だったが、母親の方がTV局近くのホスト・クラブにハマってたもんで、深夜の路上で出くわしてしちゃったのだ。
引用したやりとりは、母に声をかけられ、萌が逃げ出した後、「萌の友達なんだろう?」と話しかけられた、史緒と蘭の、萌の母親とのやりとりだ。
萌の母と別れてから、蘭は、萌の歌声のことを「ああ/それでか」と、思う。
「さまよえる魂/遠吠えのようなせつなさーー/ああ/それでか/彼女のトラウマと/俺の音楽が/シンクロするんだ」
史緒は、萌の表現力のことを、思う。
「母親の姿を/見て逃げる/ような生活…/私には想像も/つかない生き方--/それが彼女の強さと/あの表現力を育て/たのかもしれない」
萌の事だけではなく、こんなふうに、S.R.M.のメンバーの間では、互いの理解が深まっていく。
しかし、萌は、クイーン・レコードの若き副社長、神野隆の提案を受け、S.R.M.脱退を選択してしまう。
神野の提案には、クイーン・レコードからデビューする新人歌手eikoと、S.R.M.とのCM争奪戦が絡んでいた。eikoは、神野の父である現社長が、愛人との間に設けた娘で、隆の腹違いの妹にあたった。
神野が示したのは、1巻で萌が獲得していた海外留学から帰国した後、クイーン・レコードから歌手デビューさせよう、って条件だった。
「ママのようには/ならない!/私は/幸せに/なるのよ!!」
萌が、史緒を憎むのも、考えてみれば無理もないように思える。
2人がはじめて会った頃、史緒は「死んだママのような」一流オペラ歌手になることを目標にしてた。
今は、「ママとは違う、自分なりの歌」を見出そうと努力してる。
史緒と萌、互いの理解が深まるに連れ、反目も、さらにきっついレベルへ、テンションが高まっていくかのようだ。
「どうして/そんなに/
私が嫌い/なの?」
「私はもう/お嬢様でも/ないし」
「あなたと同じ/1人暮らしで/
歌唱力だって/今はそれほど/変わらない/はずだわ」
「汚れたものは/きれいなものを/憎むか憧れるか/しかないの」
「愛されて/育って/
立ってるだけで/人が憧れる女には/解らないわよ」
アタシが思うに、4巻の焦点は、萌の衝撃的なS.R.M.脱退宣言と思えます。
3巻であれほど盛り上がったS.R.M.が、空中分解してく様子は、はかない。
脱退宣言に到る経緯と、その余波の内で、人間関係が、大きく揺らぐ様子はせつない。
でも、サブ・プロットを複雑に編み上げてく一条さんの手腕に、ノセられて読んでしまうのね♪
S.R.M.の活動が3人のキャラに与えた小さくない変化や、変化しながら、さらに複雑化していく人間関係、ことに恋愛関係が、複雑なサブ・プロットに分散されて、細かく描写されていきます。
はっきり書くと、不必要なネタバレを避けての紹介は、この辺が限界みたい。
萌の玉砕とか、神野氏の嫉妬とか、読みどころは、いぃーっぱい、あるんですけど。
あ・り・す・ぎ・る。
「3人のキャラの変化」にしても「さらに複雑化していく恋愛関係」にしても、一端を説明し出すと、絡み合ったサブ・プロットを、芋づるに説明してかないと意味不明になっちゃう。
結局、もう、全編が読みどころ、ってことですね。
焦点は、萌の衝撃的なS.R.M.脱退宣言と、その前後。
後、4巻あたりから、新キャラの絡みもますます面白くなっていきます。
例えば、3巻から登場してるeikoは、ちょっと、従来の一条作品に出てこなかったようなタイプで目新しいし。
4巻から登場する、世界的一流ピアニスト、ベティは、超強烈☆
さらに、明かされる奈都子ママの過去。
奈都子ママが予言する、蘭丸君のあまり明るくない(?)将来とは??(笑)
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書誌情報:
一条ゆかり,『プライド』4(クイーンズコミックス コーラス),集英社,Tokyo,2005.
ISBN 4-08-865281-9
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ベテラン・マンガ家、一条ゆかりさんの最新作『プライド』。
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9巻が刊行
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