一条ゆかり、著、『プライド』5,散っていくキャラクターたち
ベテラン・マンガ家、一条ゆかりさんの最新作『プライド』。
オペラ歌手の一流を目指す美女2人の、ライバル関係を主軸に展開されるラブ&バトル☆
5巻では、史緒、蘭(蘭丸)、萌の3人が、世界に散っていく。
ラブ&バトルの行くえは、どうなる??

2007年5月現在、雑誌「コーラス」に連載中の『プライド』。5巻には、2005年6月号~11月号の掲載分が採録されている、とのこと。
なお、この記事では、『プライド』5巻の内容について、不必要なネタバレは避けながら、読みどころをご紹介してみます。
ただ、4巻までの内容は、必要に応じて、随時言及しますので、ご了解あれ。
用語:プライドから、色々レヴュー記事もたぐれますので。よければ、どうぞ。
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オペラ歌手の一流を目指す、史緒と萌。
天敵同士とも言えるライバルの2人が、女装のピアニスト蘭(蘭丸)と組んだユニットS.R.M.は、あっという間に解散した。
そして、解散前にせめてミニ・アルバムを作ろうと、史緒が言い出したスタジオでのセッションで、史緒がずっと秘密にしてきた神野との婚約が、萌と蘭丸とに知れてしまった。
5巻冒頭では、お待ちかね(?)、萌、久々の大暴れが見られます。
きっと4巻までは、読んでると思いますけど。4巻のカバー袖は読みました?
表紙側の袖に載ってる著者コメントですけど。引用しちゃいますね。
〔中略〕連載始めた頃は最悪の評判でムチャクチャ嫌われた萌ですが、最近ではもっと暴れさせろ文句を言われる。どおせぇというんじゃ~~~!!
萌がキレるのもわかるんですよね。
でも、いくらなんでも、普通そこまでしないんじゃないかな、ってとこまでヤッちゃうのが萌。
史緒は入院する騒ぎになります。当然、S.R.M.のミニ・アルバム録音もおじゃんです。
病院に駆けつける神野氏。関係者勢ぞろいの修羅場です。
こういう、ベーシックな展開のお料理は、一条さん、本当に見事です。
秘密の婚約がバレる→怒った蘭丸、史緒を詰問→史緒、性格から不器用に肯定→萌、キレる☆→史緒、萌に掴みかかられ流血→蘭丸、萌を止める→史緒、病院に担ぎこまれる→神野、駆けつける→神野に挑戦する蘭丸→余裕でいなす神野。
扉を除いて、巻頭から14頁に、これだけの出来事が盛り込まれてる。
これまで溜まりに、溜まってた分、短いページで一連の関係が一挙に展開。人間関係も一挙に動く加速度感が、たまりません。
萌は、1人でローマ留学へ旅立つことになる。
表向きはコンクールで獲得した1位の栄誉だ。けれど、本人は、役目が終わったから追い出された、と思ってる。eikoのデビューの障害であるS.R.M.を解散させたので、神野が、日本から追い出そうとしている、って意味。
泣くもんか/
あんな男の/ために もう/涙なんか/流すもんか/
このチャンスを/手に入れるために/私があの男を利用/してやったのよ/
〔中略〕
いつか--/
いつか必ず/あの男の前で/笑ってやる
史緒は、亡き母のと親しかった世界的オペラ歌手バロッティの紹介を得て留学へ。スポンサーは神野隆だ。
クイーン・レコードの副社長付き秘書に同伴されて、ウィーンへ旅立つ史緒。
ベティと一緒だった…/良かった/ワールドツアーに参加するのね/
俺は/火遊びの/相手かよ!?/
そうよ/
その方がいい/
そう思われた/方がいい
蘭丸は、ニューヨークへ、ベティの雑用係として。内弟子とも言うけど、ベティに対する蘭丸の立場は、限りなくペットに近い雑用係として始まる。
私から見ると/あんたと史緒ちゃんの/時は いつも微妙にずれてるわね/
どっちかが/大人にならないと/合わないんじゃ/ない
蘭丸は、空港で搭乗手続きをとりながら、母の言葉を反芻していた。奈都子ママは、史緒と萌と蘭丸、3人の関わりを、半歩はなれた絶妙な位置から見てきていた大人だ。
「苦労したから/なれる訳でも/歳とったから/なれるわけでも/ないんだよな/大人って--」「金持に/なっても/有名に/なっても/そんな事とは/違うんだ」
「大人が/なんなのか/解る時が/来るんだろうか--」
こんなふうに、それぞれに散っていくキャラクターたち。
蘭丸は、ニューヨークのセントラル・パークを見下ろすベッキーのフラットで、住み込みの家政婦さんのヘルパーとして、こき使われる。
史緒は、亡き母を知っていると言う世界的オペラ歌手、ルディ・シュタインに個人教授を受ける。市立音楽院(コンセルヴァトリウム)の入学時期までの準備としてだ。
萌は、ローマに入って早々、手配されていた下宿先に入居できない、トラブルに見舞われていた。下宿先の大家が言うには「入居していた妹が、立ち退かないので、しょうがない」イタリア人ぽい身内優先と、大雑把さだ。
大家に滞在証明書を書いてもらい、警察に提出しないと滞在許可証の公布を受けられない萌は焦る。途方にくれていた萌は、カフェ・スタンドで、「旅行ガイドだ」と自己紹介する甘いマスクのイタリア男に声をかけられる。
こうして、3人それぞれの音楽修行が、高いレベルではじまるのだった。
別のレヴュー記事にも書いた事ですけど、『プライド』のラブ&バトルは、どうなっちゃうんでしょう? と、はらはらしちゃう展開です。
3人(日本に残った神野氏もいれれば4人)がバラバラになっても、ちゃんと、ラブ&バトルの物語は続いてくから、一条さんは、やっぱり凄い☆
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書誌情報:
一条ゆかり,『プライド』5(クイーンズコミックス コーラス),集英社,Tokyo,2005.
ISBN 4-08-865317-3
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