『銀と金 地獄の裏麻雀』 勝負の決め手は、やはり逆転劇
『異議ありっ――!』
スポーツにせよ、格闘にせよ、コンゲームにせよ。
戦う物語を盛り上げるのは、やはり逆転である。
勝利した、あるいは敗北したと思われる場面から、勝負をひっくり返す。これぞ、バトル物の醍醐味だ。
私は自分が見た逆転にランク付けをしている。
もっとも低いランクは、明白な理由も伏線もない逆転である。
もっとも高いランクは、何もかも仕込まれた、最初から予定された逆転で、かつ、敗者がその瞬間まで自分が勝ったと思いこんでいるパターンだ。
その点で、愛する『魔法少女リリカルなのは』11話の、なのは-フェイト戦における逆転を私はあまり評価していない。
物語そのものは大好きなのだが、あの逆転はないだろうと思うのだ。(もちろんあれは逆転演出ではなく、管理局の白い悪魔が実力相応に勝利したという視点もあるだろう)
一方で最高点をあげていいのが、『銀と金 地獄の裏麻雀』の逆転である。
イロイロな追加ルールで麻雀ではない謎のギャンブルとなっているが、それらの追加ルールがすべて最後の逆転において意味を持っている。
その上で私がこの作品に最高点をつける理由は、逆転の対象が作中の敵である蔵前だけではなく、見ている視聴者(ないし読者)も含まれるという点だ。
勝負を決める大三元。そのアタリ牌である「中」の行方。
敵である蔵前はあの手この手でどこにあるか探ろうとするが、見つからない。「中」が出なければ自分の勝ち。出れば負け。
疑心暗鬼で狂気に侵される蔵前を見ながら、視聴者も又、はたして「中」はどこにあるのかと疑問に思う。
が、視聴者的にはこの疑問はまだ予測の内だ。
逆転演出の一貫として、アタリ牌が視聴者にもいつ出るかわからないままにするというのは、ごく当然のことだからである。
そして、最後の牌が引かれる――
逆転を愛する方で未見の方はぜひ見て欲しい。
実に見事な逆転劇であるから。

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