『週刊朝日百科世界の歴史 チャップリン、ヒトラー、魯迅ほか』 映画『独裁者』のチャップリンがノリノリな件
■本日の読書:『週刊朝日百科世界の歴史 チャップリン、ヒトラー、魯迅ほか』
20世紀世界の人物その2。
チャップリンとヒトラーが並んでいると、私がいつも思い出すのがチャップリンの映画『独裁者』である。
この映画は、あの最後のチャップリン演じる独裁者を演じている床屋のおっちゃん(なんとなく『なにわの総統一代記』を思い出させる)の名演説を聞くためだけにでもビデオを借りる価値があると思うのだが、さて、あれをやったチャップリンの心情がどのへんにあるかは興味深い。
なんとなく、私にはチャップリンはあの演説や独裁者の演技を楽しんでやっているようにも思える。
RPGでやっててもそうだが、独裁者風の演説や悪役を演じるのは楽しい。ギレン総帥の「立てよ国民!」も、戦争狂いの少佐がやる「諸君、私は戦争が好きだ」も、あれはあれで盛り上がるのである。
チャップリンにとっては人生は芸(シェークスピアなら舞台と呼ぶ)であり、善悪よりも笑えるか笑えないかの方が重要だったのではないだろうか。
そして重要な点として、独裁や統制の進んだ国家はあまり笑えないのである。基本的にマジメだからね。
そうしたフマジメな姿勢がチャップリンをして非アメリカ的であると攻撃のネタになり、嫌気をさしたチャップリンはアメリカを出ていったわけであるが――
私の視点では、チャップリンを追放した人々も、それを「非民主主義的である」と非難する人々も、根っこのところで『独裁者』の中の人々と同じに思えるのである。
彼らはみな、マジメで善意にあふれているのだ。
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