恣意的に見える定数群の成因を人間原理で解く――『宇宙のランドスケープ』

宇宙はなぜ、人類が誕生できるようなものなのだろう。古くからあり、なかなか答えられなかった疑問の一つです。その回答の一つを人間原理的なひも理論解釈として提供するのが、この『宇宙のランドスケープ』です。

ひも理論の弱点とされてきた「可能な解が沢山ありすぎて物理定数を一つに定めてくれない」問題を、インフレーション宇宙と人間原理とをからめて「たくさんの可能な物理定数のバリエーションを持つ宇宙が全て存在するから、我々人類が生存できる宇宙も、たまたま存在する」と転化する力業が素晴らしい。なるほど、これは発想の転換であります。私は納得しました。

力業ですが、著者はひも理論の基礎を築いた重鎮でありますから、どうもこの方向性が、、ひも理論家による宇宙論の王道になるのだろうと思います。

なお、この本でランドスケープと呼んでいるのは、可能な物理定数のバリエーションを決定する数学的空間のことです。宇宙空間ではなく、宇宙を組み立てる法則の空間。

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ちなみに、複雑で恣意的に見える定数がたくさん出てきて作り上げられた、この宇宙をルーブ・ゴールドバーグ・マシンと称しています。これは近年有名になったピタゴラスイッチの装置のようなものの一般名ですね。


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