アンソロジーで楽しむ晴明伝承――『安倍晴明 陰陽師・闇の支配者』

安倍晴明 陰陽師・闇の支配者というムックを読みました。文芸雑誌「文藝」の別冊という体裁で、陰陽師ブームに乗って出たものの一つです。古今の安倍晴明関連の著作を集めたアンソロジーとなっていて、他とは一味違う出来となっています。

現代語訳で今昔物語集宇治拾遺物語、古今聴聞集、安倍晴明物語、説経節「信太妻」、と採録されています。時代による変化を、これらの古い著作および、近代の小説、さらに各種の論考で示しています。

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陰陽師としての行動がどう変化したか。ディテールがどう増えたか。母が狐との伝承がどの時点で入り、どのように展開したか。着目されるところがどのような変わっていったのか。伝説が派手になり蘇生の術に至り、師匠もどんどん偉くなるなど、なかなか面白いものがありますね。

残念ながら学問的に史料検討して実際の姿を浮き彫りにするとか、近年の安倍晴明関連の作品を網羅するリストなどがあるわけではありませんが、古典文学の安倍晴明関連をいくつもまとめて現代語訳して掲載してあるというだけでも、面白い一冊だと思います。


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