『マルドゥック・スクランブル 排気』冲方丁

 カジノでの決着がブラックジャック、それもディーラー側が最強のカードで――スペードのAと黒い片目のジャック――このカード相手に勝利するという場面では本を持つ手が震えるほどの興奮を覚えた。

 そしてもちろん、決着はド迫力のバトルでつく。
 白眉となるのが、バロットがボイルドの片足を吹き飛ばした後である。

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 ボイルドが、壁から歩道へと歩いてきていた。左足は膝のすぐ上から消失している。にもかかわらず、目に見えない左足を動かして歩き、車道に降り立ったのだ。
 ボイルドは、残りの装置の働きを最大限に活かし、重力を左足の形にして体を支えていた。血はほとんど出ていない。重力によって重要な血管を圧迫し、止血しているのがバロットに感覚された。
「手足を吹き飛ばされたくらいでは、俺は止まらない」
>>>『マルドゥック・スクランブル 排気』p350

 すげえぞ、ボイルド!
 ボスキャラってのはやっぱり、このぐらいやらないといかんのである。

 全部読んでの感想は大満足。途中で放り出したままにしておかなくて本当に良かった。

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