歴史
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投稿者: 銅大 日付:火, 2011-11-29 15:51
あえて扇情的な言葉として本書では「中国化」という言葉を使っていますが、現在の中国の政治や国民とは関係がありません。
「中国化」という言葉で、いろいろセンシティブになる人も多いので、ここは「非江戸時代化」くらいで手打ちをするといいかも知れません。『さらば江戸時代』とか。
本書から私が感じたのは、日本における「江戸時代」の呪縛でありましょう。
地方自治。地方への貢献。地方の活性化。これだけ社会が流動化しても、「地方を見捨てる」選択肢だけは、どうやっても不人気にならざるを得ません。私も地方(広島)の人間であり郷土と広島カープを愛する身でありますから、本書でいう「中国化」、つまり「非江戸時代化」にはうら寂しさを感じます。
投稿者: 銅大 日付:月, 2011-11-07 23:56
火縄銃で使う黒色火薬は、硝石75%、木炭15%、硫黄10%を混ぜて作ります。
戦国時代の日本では、木から作る木炭も、火山で採れる硫黄もありましたが、硝石はありませんでした。
硝酸カリウムを主成分とする硝石は、中国やインドから戦国時代の日本に輸入されました。しかし、日本中が戦乱の時代のこと。最大火力である鉄砲の運用を輸入硝石だけに頼るのはいかにも心もとないものです。
そこで、量には限りがありますが、人馬の糞尿の混ざった土から硝石が作られたのです。
投稿者: 銅大 日付:土, 2011-07-02 16:17
NHKのタイムスクープハンター『緊急退避! 戦国シェルター』の回を見てツイッターで皆であれこれ四方山話をしていたときに、まとめ管理人さんがオススメしてくださったのが、この藤木久志先生の『城と隠物の戦国誌』である。
脳に刺激的な大変良い本であったので、ここに紹介する。
日本の城は、江戸時代においてその性質を大きく変えている。戦うための軍事拠点としての城の側面を失い、統治の拠点、役所としての城にシフトしていったのだ。その結果、城は武士(≒役人)だけのもの、という印象がある。
投稿者: 銅大 日付:月, 2011-03-28 23:29
塩野七生さんの十字軍物語。1巻はフランク人やらノルマン人やらの次男三男が大挙して聖地へ乗り出すユースバルジ的展開を描いたものであったが、2巻はしてやられたアラブ側の反撃である。
修道士ベルナールをはじめ、宗教的情熱へ燃える方への塩野七生さんの筆致は相変わらず辛辣で、好きな人には快感を、嫌いな人には苦痛を与えるものとなっている。私は大好きなのだが、これは人を選ぶものであろう。
その代表として、第二回十字軍を主導した修道士ベルナールがなぜ一介の修道士でありながら、権力者にも一般の人にも絶大な人気を誇ったのかについての描写を引用しよう。
投稿者: 銅大 日付:月, 2011-02-21 13:05
2011年現在、中東や北アフリカで自由を求める人々のデモが繰り広げられている。
彼らは急進的に旧体制を打破し、変革を求めている。
その国々の多くが、人口の50%近くが24才以下の若者たちだ。
ムバラク政権を倒したエジプトでは、ムバラク大統領が誕生した1980年のエジプト人口4400万人が2010年に8400万人と30年で倍増している。そのうち、24才以下が52%(日本は23%)だ。
若者の割合が一定を超えた時、その社会は不安定化する。
投稿者: 銅大 日付:土, 2011-02-19 20:49
日本人の知名度で言えばトップクラスな桃太郎のお話は「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に」で始まる。
さて、ここで問題だ。
おじいさんは何のために柴を刈ったのだろうか?
実は柴や草は、江戸時代まで草肥と呼ばれる大事な肥料だったのである。
柴や草は、そのまま水田や畑に踏み込んで肥料にするし、牛や馬に食わせた糞を肥料に、また牛馬の敷き草として屎尿を吸収させて厩肥(きゅうひ/うまやごえ)にもする。
投稿者: 銅大 日付:日, 2011-01-30 02:41
盛本昌広さんの本というと、前に『軍需物資から見た戦国合戦』という著作を読ませていただいたが、こちらでも、後北条の手紙とか公文書がよく使われていたように思う。
戦国時代の武将はたいへん筆まめであった。今の人が携帯電話のメールをやりとりする感覚で、手紙がきたら、即返信という感じであったようだ。
本書の序盤で紹介されている、注進状への北条家の返書からもそれはうかがえる。
「十日の注進状、今日十一酉刻到来」
投稿者: 銅大 日付:月, 2011-01-10 20:40
桶狭間の戦いについに決着がついた。
宮下英樹さんの描く今川義元は完璧超人で、最後まで「これで負けるはずはないよね」と思わせながら、なぜか負けてしまうという展開であった。
これまで不遇であった今川義元の再評価に、本作がつながれば良いと思う。
桶狭間は歴史に興味があれば小学生でも知っている有名な戦いであるが、実際に「何があった」のかは、よく分かっていない。昨年秋の架空戦記コンベンションのIF-CON10でも、使える史料は『信長公記』などいくつかなくはないが、どこまで頼りにしていいか分からないし、それらを総合しても、今ひとつはっきりしない、という話題が出ていた。
投稿者: 銅大 日付:月, 2011-01-10 00:58
私の関ヶ原の合戦の一番古い記憶は、小学校のときに読んだ「まんが日本の歴史」でお坊さんのような大谷吉継が「ふ、小早川の裏切りは予定のうちよ」とうそぶいている場面である。
その裏切り者とされる小早川秀秋がいたのが、松尾山だ。関ヶ原を見下ろす山の上である。
その後、関ヶ原を題材にした小説や漫画や映画やゲームやらを通して、あれこれ妄想を膨らませてきた私の中で、空白というか、意味不明のまま保留の棚に置いておいたのが、実は小早川の裏切りではなく、毛利秀元の不可解な動きである。
投稿者: 銅大 日付:火, 2010-12-28 00:22
『坂の上の雲 第9回広瀬、死す』は日露戦争開戦直後、旅順港の閉塞作戦とその失敗を題材にしたドラマである。
作戦立案はどうあるべきか。そして作戦が失敗した時に、どのタイミングで失敗を認め、決断するか。なかなかに考えさせられるドラマであったと思う。
さて、なぜ旅順港が閉塞作戦の対象になったかというと、理由はふたつある。
ひとつは、湾内に残った有力な旅順艦隊を無力化できるということ。
そして、旅順港を失えばロシアのアジア側の軍港は当時はまだ規模が小さく使い勝手の悪いウラジオストック港のみになるからである。
投稿者: 銅大 日付:日, 2010-10-24 22:16
猛暑が続いた今年の夏が終わり、山々の広葉樹林が紅葉でもないのに赤く立ち枯れている風景を見た時、「こりゃ今年は、クマが出るな」と多くの方が思ったことでしょう。
クマや猪にとってドングリは貴重な食料資源です。ファンタジーTRPGのファンの方の中には、『生活の世界史 中世の森の中で』を読んで、秋のドングリで豚を太らせて冬の食料にする場面を自分のセッションで再現された方も多いのではないでしょうか。私もやりました。
投稿者: 銅大 日付:土, 2010-10-16 17:53
2010年10月10日に都内で開かれた架空・仮想戦記のコンベンション『IFCON-10』に参加してきましたので、そのレポートを。
といっても、内容については外には公開しにくい部分もありますので、参加して見聞きしたことを元にあれこれ脳内妄想を膨らませて三割な法螺話とさせていただきます。
・冷戦時代のソ連海軍
「仮想戦記作者インタビュー」の富永浩史先生、横山信義先生のお話より。
冷戦時代のソ連海軍の敵はアメリカ海軍であります。いかなソ連といえども、海の上での戦力は、戦前の日本海軍vsアメリカ海軍より開いています。
投稿者: 銅大 日付:木, 2010-10-14 18:42
戦国時代を代表する有名な戦い、桶狭間合戦。
奇襲説だの奇襲はなかっただの、迂回をしたら結果的に奇襲になっていただの、この戦いについてはいろいろなことが言われています。
10/10に東京で開催された架空戦記のファンイベント『イフコン10』の戦国架空戦記の部屋で語られたことでありますが、桶狭間の戦いの流れを合理的に説明するには、必要な情報がどうやっても足りません。
『長公記』は信長の上洛の後は、牛一さんのメモに基づいて書かれていますが、それ以前は記憶に頼ってるところも多く、どこまでアテにしていいか分からない。だが、アテにできないからといって、他に頼れる史料もないわけです。
投稿者: 銅大 日付:土, 2010-09-25 23:01
イカロス出版の『MC☆あくしず』1号から14号に連載した『放課後ワールドウォー』。第二次世界大戦と日露戦争を、女子高生のロールプレイという形で戦争と戦略について考える内容です。テキストは私、銅大が。イラストはとんぷう先生が担当しています。
このたび、連載分に加えて第一次世界大戦編と冷戦編を書き下ろし、さらにとんぷう先生の紹介漫画や新キャラの顧問の先生を入れた、『放課後ワールドウォー完全版』が2010年9月末に発売されることになりました。連載時に文字数制限から削った部分も加筆し、348頁とボリュームたっぷりです。
投稿者: 銅大 日付:月, 2010-08-16 01:51
副題は「比島決戦」。戦場は再びフィリピンに戻る。
戦前のフィリピン経済は、モノカルチャー経済だった。輸出用の工業原料である砂糖とマニラ麻だけを集中的に生産し、衣類や食料は輸入に頼っていた。
そしてフィリピンを占領した日本は、フィリピン経済を支えるだけの余剰生産力を持っていなかった。フィリピンのモノカルチャー経済は破綻し、フィリピンの景気は悪化する。
景気を悪くする支配者が好かれるはずもなく、フィリピンでは日本の人気は悪く、治安も悪化したのはこれは仕方がない。
投稿者: 銅大 日付:水, 2010-04-21 08:06
このたび、『女子高生山本五十六リローデッド』が出版されたので、これを機会に、まずは1巻2巻を読んでみる。
内容は第二次世界大戦を扱ったネットゲーム『セカンド・ウォー・リアル』を日本の高校生が中心になってプレイするというもの。
架空戦記を読む人間、あるいは妄想する人間が、考える「後出しジャンケン」を徹底的に追求すれば、どんな結果になるかという、ある種、夢のような展開である。(やられる側からすれば悪夢である)
投稿者: 銅大 日付:月, 2010-04-19 04:12
1943年の秋。
日本はついに、戦略方針を長期持久、すなわち『守勢に入り持久体制を整え、折りを見て敵に痛打を与えることで戦争を終結に導く』という方向へ切り替える。絶対国防圏と名付けられた防衛ラインは、そのためのものである。
もちろんこれは失敗した。
ゲーマーであればよく経験することだが、守る時こそ、柔軟な戦力の運用が必要となる。
コンピュータ相手ならいざ知らず、人間相手に防衛戦をする場合、守る側が戦力を固着させて運用してはダメだ。優勢な攻撃側は、自由に攻撃軸を選び、戦力を集中させることができる。劣勢な防衛側が戦力を前線にはりつけているだけでは、これに対応できない。防衛線は穴だらけになるだろう。
投稿者: 銅大 日付:月, 2010-01-04 01:22
太平洋戦争の天王山は、ソロモン・東部ニューギニアの死闘にあった。
ガダルカナル島をめぐる戦いが始まった1942年の夏から、撤退し、航空戦力の消耗が続いた翌43年の春までの間に、日本が失ったのは多数の将兵や、航空機、艦船とそれを動かす燃料――だけではない。
この戦いで、日本は、太平洋戦争のイニシアティブを喪失する。そして以後、日本はそのイニシアティブをついに取り戻すことができなかった。
戦争のイニシアティブとは「どこで、どのように戦うか」を決める力である。イニシアティブの確保は、劣勢な側ほど、貴重である。戦力に優れる側、補充能力が高い側は、イニシアティブを失っても、耐えることができる。
投稿者: 銅大 日付:月, 2009-12-14 01:44
水戸の天狗党の乱――と言えば、幕末の歴史を紐解けば、しばしば登場する事件である。大学受験で日本史を選択した受験生ならば、かなりの確率で一度は年号を含めて目にしたことがあるだろうし、幕末・維新に興味がある人ならば、もう少し詳しいことを知っているかもしれない。
黄門様で知られる水戸藩は、徳川の親藩であると同時に、勤皇の思想が高いところであった。徳川の治世が盤石であれば、勤皇と幕藩体制は必ずしも乖離しておらず、それなりに安定していた。
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