矢吹駆連作
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“これは挑戦だと思うの”、“あなたも一緒に、この挑戦に応じるべきだと思うわ”。
ナディア・モガールに告げられた矢吹駆は、かなり長いあいだ思索した後、「ラルース家殺人事件」の探偵役を条件付きで引き受ける。
笠井潔さんの連作推理小説「矢吹駆連作」の物語内で、矢吹駆は、このようにして奇妙な探偵を始めることになるのだった。
連作の語り手キャラ、ナディアが、駆に探偵役を促したのは、彼の仮宿「モンマルトル街の屋根裏部屋」を始めて訪れた時のこと。連作第1作『バイバイ、エンジェル』第2章での出来事だ。
『オイディプス症候群』は、笠井潔さん作の本格推理小説で、矢吹駆連作の第5作め。
このレヴューを書いてる時点では、書籍刊行されてる連作本編の最新作になってます。
『哲学者の密室』で語られた“森屋敷の事件”が決着してから、4ヵ月ほど後。
ナディア・モガールの古い友人、フランソワ・デュヴァルが勤めていたパストゥール研究所が放火された。そして、放火事件の容疑者は、過去に2度も矢吹駆を狙撃した国際テロリスト<悪霊ニコライ>らしい。悪霊の暗躍から駆を遠ざけようと、ナディアは、たまたまフランソワに依頼されたギリシャ旅行に、護衛役と称して駆を連れ出すが……。
『哲学者の密室』は、笠井潔さん作の本格推理小説で、矢吹駆連作の第4作め。
連作中「最高傑作」って言われることが多い作品。
このレヴューを書く前に、久方ぶりに読み直したアタシ(紹介者)も、やっぱり「今のとこの最高作よね」って、思ってます。
『薔薇の女』で語られた“<アンドロギュヌス>殺人事件”が決着してから、5ヵ月ほど後。
“パリでもっとも美しい月、五月”と言われる月。ナディア・モガールは、3ヵ月ぶりに矢吹駆と再会する。
『薔薇の女』は、笠井潔さん作の推理小説で、矢吹駆連作の第3作め。
『サマー・アポカリプス』で語られた“ロシュフォール家殺人事件”が決着してから半年ほど過ぎた年末。
若い美女が殺害され、切断された体の一部が持ち去られた全裸屍体の遺棄が連続するパリ。血なまぐさい猟奇殺人事件の連続に市民は怯え、メディアは騒然としていた。第2の被害者が発見された後、“数多くの難事件を解決した名警察官として”名を知られていたモガール警視が、担当責任者に任命されたが。
この記事では、作家、笠井潔さんの著作3タイトルの成立経緯を整理します。
一般向けに公表されている文書を資料にした、シンプルな整理で。整理意図は、他のレヴュー記事、論考文などの参照用です。
便宜上「紹介」のカテゴリーの記事にしました。
◎扱う著作
『バイバイ、エンジェル』
作家、笠井潔のデビュー長編。
連作推理小説、矢吹駆連作の第1作となる。
1979年、角川書店の「野生時代」5月号に長編一挙掲載。
笠井潔さんの「幻の処女長編」だった『熾天使の夏』。
単行本が刊行されたのは1997年で、矢吹駆連作の「第0号作品」って位置づけも、著者ご本人がされてる。
「著者が言うなら」とかじゃぁないけど。「第0号作品」って、『熾天使の夏』にピッタリくる位置づけ。
この作品、笠井潔デビュー作の連作第1作『バイバイ、エンジェル』よりも、先に脱稿されてたそうだし。
作中でも、矢吹駆と思しき人物が、インドの山奥で修行するより前の経験が描かれてるし。
『熾天使の夏』は、作家の笠井潔さん作の「幻の処女長編」。
と、いっても単行本が刊行されたのは、1997年のことですけど。1979年に『バイバイ、エンジェル』でデビューする直前、雑誌「文藝」の賞に応募された作品で。ずっと未発表だったそうです。
20年近く埋もれてたことになる。今だと、2008年刊行の創元推理文庫版が入手し易いはず。
謎解き推理小説ではなくて。強いて言えば、テロリストを主人公にしたサスペンス小説、あるいは犯罪小説の仕立て。実は、不条理劇風味の幻想小説とゆーか、主人公が強度の幻視体験に至る物語。
笠井潔さんの『青銅の悲劇 瀕死の王』に出てくる北澤響クンは、育ちのいい美少年高校生キャラ。
お母さんのこと「母は」とかゆーし、素直だし、気は利くし、お料理も慣れてるし、万引きなんかしたことないし、etc、etc。ほんと、育ちいーのよ。
アタシの妄想(笑)では、響クン、実は、通名、矢吹駆、本名、斑木飛鳥の隠し子なんじゃぁないかしら? と。矢吹駆は、笠井さんの推理小説連作、矢吹駆連作の主人公で、探偵役のキャラ。
妄想です。今のとこ、どっちかとゆーと、ありそうにないんだけど。
もし、そーだったら、スッゴーイ、おっもしろくなりそー、って妄想ね。
笠井潔さんの推理小説『青銅の悲劇 瀕死の王』では、架空の小説家宗像冬樹が関わる一連の事件が語られる。宗像冬樹は、作中の語り手キャラでもある。
物語の背景は、まだバブル景気が盛んだった時期の昭和末。「語り手の今」は、1988年年末から1989年新年にかけて、天皇の病状悪化が報じられてた頃の日本。
推理小説も書くけど、長編伝奇SF『鬼道伝』を完結させ、次回作の伝奇シリーズを構想中だった宗像は、旧財閥北澤家と縁戚関係にある旧家、鷹見澤家の一族内で続く謎めいた事件に、素人探偵の1人として関わっていく。
笠井潔さんの『青銅の悲劇 瀕死の王』は、単行本腰帯の、表1側に「矢吹駆シリーズ日本篇待望の第一作!」と記された推理小説。
分厚いハード・カバーで772頁。読み応えたっぷりの力作です。
物語の背景は、1988年年末の日本。翌年年頭にかけての出来事が語られますけど、概ね、今から20年前ですね。まだバブル景気が盛んだった時期の、昭和末。
天皇の病状悪化が報じられてた頃、関東平野の西端に設定された架空都市を舞台に、旧財閥に連なる一族の間で連鎖する事件に、連作既刊の語り手、ナディア・モガール、架空の小説家、宗像冬樹らが関わっていく。
笠井潔さんの『青銅の悲劇 瀕死の王』。
分厚いハード・カバーで772頁。腰帯には、表1側に次のようにあります。
矢吹駆シリーズ/日本篇/待望の第一作!
論理小説の臨界!/21世紀本格探偵小説の/新地平を切り拓く巨編!
とりあえず、「矢吹駆シリーズ日本篇」と読んで「??」と思った方。
この作品、『吸血鬼の精神分析』とは別のお話です。
2002年~2007年にかけて、「小説現代増刊メフィスト」に分載されてたそうで。2008年7月第1刷刊行。
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