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投稿者: NM 日付:月, 2010-04-19 01:25
TRPGにおいて、一度決めた作戦は変更が利かない。
正確に言うと、プレーヤーにはある程度の“作戦変更の自由度”が与えられてはいる。しかし、実際にそれまで実行してきたプランを放棄し、あらたなプランを実行するためには、様々な困難が伴う。
まず、プレーヤーは、PCを作成したり、成長させたりする時に、ある程度の「見込み」に基づいてゲームメークをしている。格闘攻撃主体でいくとか、情報収集に特化するとか。
基本的に、このプランはゲーム中に変更がきかない。ゲーム中の成長を認めるゲームもあるが、それにしても経験点などのリソースがあるというのが前提である。
投稿者: NM 日付:水, 2010-03-31 05:37
TRPGのゲーム・バランスは基本的に壊れている。
これは、TRPGがプレーヤー側の勝利を前提とした協力ゲームであり、データを追加することで継続的に発展するという構造に由来する。
より正しい言い方をするならば、TRPGのゲーム・バランスは「壊れている必要がある」または「壊れている方が望ましい」のである。
ひとつには、TRPGにおいてミッション失敗はあまり好ましくない状況とされている。多人数を必要とし、拘束時間が長い協力型ゲームにおいて、「失敗する過程を楽しめる」という特殊な素養のある人間は少ない。TCGなどの他のゲームからシェアを奪うためには、基本的には参加した誰もが楽しいと思えるような、成功体験の共有が第一義となる。
投稿者: NM 日付:木, 2010-03-04 10:08
TRPGがルール本位のゲームになったことで、キャラクターの特徴はきわめて多彩に、ルールで表現されるようになった。
昨今のメディアミックス戦術等の影響もあり、巷間にはGMやプレーヤーがTRPG上で表現してみたいと思うようなキャラクターの造形(Characteristics)があふれている。
21世紀のTRPGでは、そうした需要に合わせるために、PCやNPCが利用できるデータをふんだんに用意している。かつては単なる記号に過ぎなかった造形に、ルール上の意味が加えられたのだ。しかし、問題も多い。
投稿者: NM 日付:土, 2010-02-20 15:55
TRPGがルール本位のゲームに回帰した背景には、当時一世を風靡した「World of Darkness」シリーズと、ストーリーテリングを重視したシステムの台頭がある。
今だからこそ言えることだが、90年代前半までのTRPGは洋の東西を問わず、デザイナーとユーザーの区別なくゲーム・バランスを軽視する傾向にあった。ゲームというものがよく理解されていなかった、というべきだろう。
ゆえにユーザーは、「ストーリーテリング」の方向に面白さを求めた。風向きが変わったのはやはり、Magic:the Gatheringを嚆矢とするTCGブームが起こった後である。
投稿者: NM 日付:土, 2010-02-13 22:25
TRPGにはルールを浸食する即興性がある。
D&D3eをプレイしている時、「床に伏せた姿勢で、ドワーフの足の間からクロスボウを撃てるか?」という疑問が生まれたことがある。
少なくとも、プレイ時点でこの行動を解決するルールおよび公式回答はなかった。ルール上は「できない」とするのが正しい。しかし僕らはこの行動を許可した。「なぜか?」と聞かれれば、「その場のノリ」としか答えられない。その時は、そうするのが正しいと思ったのだ。
投稿者: NM 日付:土, 2010-02-13 19:31
TRPGのセッションにはストーリーが必要である。ストーリーがないと、キャラクターの行動の正しさを証明できない。
あなたのキャラクターのストーリーは、あなたのものではない。あなたの脳裏にどれほど鮮明に、至高のストーリーが展開していようと、それは表現されなければ意味がない。あなたのストーリーが何らかの形でゲームに反映されないならば、それは存在していないことと同じである。
行動を宣言する、台詞を言う、状態を描写する、リソースを割り振る。どのような手段でも構わないが、表現しなければ意味がない。
投稿者: NM 日付:水, 2010-02-10 12:06
セッションの導入部では、PCが置かれた状況と、PCがそのシナリオにおいて「まず」何をしなければならないか、が語られる。
ここで、GMとプレーヤーはある程度の認識のすりあわせを行う。かつて、この部分はGMがもっとも気を遣う箇所であった。両者の認識のズレがあまりにも大きく、プレーヤーが導入にコミット(同意)できないケースが相次いだのである。
最近のゲームでは、このすりあわせが円滑に進むよう、予告編、ブリーフィング、ハンドアウトといった形でルールが整備されている。
投稿者: NM 日付:火, 2010-02-09 12:17
TRPGのセッションはほとんどの場合、多人数が同時に参加し、同時に終了する。
このことはTRPGをプレーする上で大きな障壁となっているが、逆にこの障壁こそがTRPGのゲームを守っている部分もある。
セッションに参加する、ということは、ゲームを正常に進行し完了することに責任を持つ、ということだ。
たとえば、対戦型のオンラインゲームでは「負けそうになるとゲームを途中で強制終了する」プレーヤーが問題となる。強制終了にペナルティを科すなどの対応をしているところもあるが、根本的な解決は難しい。
投稿者: NM 日付:火, 2010-02-09 05:41
20世紀末、TRPGユーザーが直面した最大の問題は「GMがいない」であった。
このため、21世紀のTRPGは「GM負担の軽減」をお題目として掲げるようになる。
一般に、ゲームデザインにおけるGM負担の軽減は、ゲームをより投機的にデザインする方向で行われた。
以前のゲームではGMがシナリオごとに選択肢を用意し、それに対するリスクとリターンをその場その場で決めていたのが、ゲームによってあらかじめ選択肢が用意されるようになり、それに従って正常な投資を行えば正常な結果を得られる、とプレーヤーが信じることができるようになった。
投稿者: NM 日付:金, 2010-02-05 04:07
行動の結果が厳密にルールで規定されたことで、明らかになった問題もある。
ひとつは、ルールが現実を浸食することである。
ルールを厳密に適用した結果、ゲーム内の「現実」とルール上の効果が不整合を起こすことがある。中でもよく起こるのは時間や空間に関する不整合である。たとえば、空間をマス目上に区切って戦闘を行うタイプのゲームでは、狭い空間に押し込められる人数に限界が設定されていることが多い。
この結果、「エレベーターの中には二人までしか入れない」「エレベーターに乗った二人のうち、ボタンを押せるのはどちらか片方だけである」「どの階に移動する場合でも同じ時間しかかからない」といったことが起こる。
投稿者: NM 日付:土, 2010-01-30 19:31
多くのTRPGでは、判定の回数が規定されていない。
そもそも「シナリオの長さ」が規定されているゲーム自体がまだ少ないというのもある。これは、TRPGが「なんでもできる」ゲームだった時代の名残りだ。
初期のTRPGでは、シナリオにある問題を解決するための「ルール」自体が規定されていなかった。このため、問題解決に至る確たる情報を得るために、「シナリオ上規定されている(またはGMの頭の中でだけ決定している)」当たりくじを引くまでひたすらゲーム内世界を歩き回り、無駄に判定を積み重ねるしかなかった。
投稿者: NM 日付:金, 2010-01-29 21:44
本当はこの話をする前にRPG世代論に関する長い長い前置きが必要なのだが、いくら時間があっても足りないのでこれも省略する。後々この連載をまとめ直す時に補完することとしよう。
TRPGの行為判定において、許容されうる「実失敗率」はかなり小さい。
プレーヤーは、自分の行動が「無為に終わる」のが何より嫌いである。
たとえば戦闘シーンにおいて、こちらの命中率と、敵の回避率を掛け合わせた「実質成功率」が1ターンあたり50%だったとする。3ターン敵を殴り続けて1発も当たらない可能性は実に12.5%に上る。
投稿者: NM 日付:木, 2010-01-28 17:01
今回は認知科学的見地からダイスの数の話をしようと思ったのだが、ネタにしようとしていた資料がいわゆる“ガセビア”だったと判明したので、またしても確たる資料のない話になる。
目下、資料探しも平行してはいるものの、話を先に進めないといつまでたっても終わらないので、この連載は「見切り発車、予断主観偏見上等」ということで進めてしまうことにする。適当な資料が見つかり次第随時バージョンアップしていきたい。
さて、本題。「判定に用いるダイスの数はいくつが適当か?」
投稿者: NM 日付:火, 2010-01-26 14:31
最初にまずこの話から始めようと思う。
「TRPGにおいて、端数は切り上げるべきか切り捨てるべきか?」
初期のTRPGでは、切り上げと切り捨てが混在するシステムも多く、肝心なときに限って処理方法が書いてない、ということもあったものだが、近年においてはおおむね統一が図られ、切り捨てか切り上げかはルールブックの最初の方にまとめて書いてあることが多い。もちろん、統一されている方がユーザーには優しい。
では、「切り捨て」と「切り上げ」、統一するとすればどちらが良いだろうか?
投稿者: NM 日付:火, 2010-01-26 13:25
はじめに
筆者はTRPG制作に関わるようになって9年になるが、生来の人間嫌いのためか、どうやら現役の内に後継者に恵まれることはなさそうである。よって、今から少しずつでもこれまでに蓄えた知識と技術を文章化し、次世代のために残していこうと思う。
この記事が、TRPGやその他のゲーム、あるいはTRPG経験を活かした何らかの創作活動に少しでも役立つならば幸いである。
なお、これらの記事は筆者の体験と主観に依拠する点が多く、必ずしも客観的な検証に耐える統計や調査結果を基にしてはいない。あくまでも、この記事の主眼は筆者が蓄積したノウハウを記述することにあり、あなたの問題解決に必ずしも役に立つものではない。
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